2026年2月27日(金)の米国株式市場は、予想を大幅に上回る1月生産者物価指数(PPI)とAI関連銘柄への売り圧力が重なり、主要3指数がそろって下落した。ダウ工業株30種平均は521.28ドル安(-1.05%)の48,977.92ドルで終了。S&P500指数は-0.43%の6,878.88ポイント、ナスダック総合指数は-0.92%の22,668.21ポイントで引けた。S&P500・ナスダックはともに約1年ぶりの大きな月間下落となる見通し。恐怖指数VIXは前日終値17.93から約3〜4%上昇し18台半ばで推移した(前日比上昇)。
PPI高騰とAI不安で米国株3指数下落、ダウ521ドル安
2月27日(金)、1月PPIが前月比+0.5%と予想+0.3%を大幅に上回りFRBの利下げ期待が後退。ダウは521ドル安(-1.05%)の48,977ドル、S&P500は-0.43%の6,878ポイント、ナスダックは-0.92%の22,668ポイントで引け。ITセクターが▼1.8%と相場を主導する一方、金融やディフェンシブ株へのセクターローテーションが加速した。
市場概況
セクター動向
S&P500の11セクターのうち7セクターが上昇し4セクターが下落した。情報技術(IT)セレクト・セクターSPDRが-1.8%と最大の下げとなり、コミュニケーション・サービスが-0.8%、一般消費財が-0.4%と続いた。一方、金融セレクト・セクターSPDRは+1.3%と上昇をけん引した。マクドナルド(MCD)やコカ・コーラ(KO)など消費安定株が年初来高値を更新し、AI・ハイテク株から旧来型産業・ディフェンシブ銘柄への大規模なセクターローテーションが鮮明になっている。エネルギーセクターは地政学的緊張(中東・南米)を背景に年初来+22%超と2026年の最強セクターとなっている。ITセクターは年初来▼3.8%と対照的な動きを見せている。
注目銘柄
- デル・テクノロジーズ (DELL): +20.5% — 第4四半期決算が市場予想を上回り、AI最適化サーバー売上高が2027年度に倍増するとの見通しを示したことが強材料となった。
- ズィスケーラー (ZS): -15.0% — 四半期の請求額(ビリングス)が市場予想を下回り失望売りが殺到した。
- エヌビディア (NVDA): -2.4% — 記録的な売上高を報告した決算発表後の売りが継続。バリュエーション懸念と利益確定売りが重なった。
- ACMリサーチ (ACMR): -16.7% — 2025年第4四半期EPSが0.25ドルと市場予想0.39ドルを大幅に下回り急落した。
経済指標・FRB動向
この日最大の材料は1月生産者物価指数(PPI)で、前月比+0.5%と市場予想の+0.3%を大幅に上回った。サービス部門の価格上昇が主因で、前年同月比は+2.9%と2025年中頃以来の高水準となった。FRBは2026年1月のFOMCで賛成10・反対2の採決でFF金利3.50〜3.75%に据え置くことを決定しており、今回のPPI高騰により少なくとも2026年6月まで利下げ開始は困難との見方が市場で広まった。市場は年内で約60bpの利下げを織り込んでいるが、先行きの利下げパスに対する不透明感が増している。次回FOMCの声明・経済見通しが引き続き注目される。
日本市場への影響
日経225は2026年2月27日(金)の東京市場で58,753.39円で引けた(東京市場は米国市場より先行して終了)。ドル円は前日比+0.15%の156.09円とドル高・円安方向で推移した。米国株が2月27日に大幅下落したため、次の東京市場(3月2日・月曜日)では日経先物の下落圧力に警戒が必要。米PPIの高騰継続とFRBの利下げ後退観測はドル高・円安を通じた輸入コスト上昇懸念を生む一方、輸出企業には為替面の追い風となる可能性がある。なおBOJでは鷹派の高田審議委員が追加利上げの必要性と物価安定目標達成の近さを示唆しており、円の下支え要因となっている。
