東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価は前日比1,778円19銭安(-3.06%)の56,279円05銭で取引を終えた。下落幅は今年最大。一時は1,900円超の下げ幅を記録する場面もあった。前週末の米国・イスラエルによるイラン攻撃を受け、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡を事実上封鎖。原油先物が前週末比6.3%高の1バレル71.23ドルに急騰し、エネルギー純輸入国の日本にとってインフレ加速と企業業績悪化の両面で打撃が意識された。TOPIXは前日比126.25ポイント安(-3.24%)の3,772.17、東証グロース市場250指数も24.31ポイント安(-3.16%)の744.33と、主要指数が揃って大幅続落。東証プライムの値下がり銘柄は1,515(全体の94%)に対し値上がりはわずか70銘柄。売買代金は9兆8,056億円と高水準だった。
ホルムズ海峡封鎖で日経平均1778円安、94%の銘柄が下落
2026年3月3日、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け東京市場は全面安。日経平均は前日比1,778円安(-3.06%)の56,279円で今年最大の下落幅を記録。東証プライムの94%にあたる1,515銘柄が値下がりし、トヨタ・ソニーGが約6%安、防衛の三菱重工-5.26%、航空のJALが-6.44%と主力株が軒並み急落した。
市場概況
セクター動向
ほぼ全業種が下落する全面安となった。自動車セクターではトヨタが約6%安と大幅下落し、原油高による消費圧迫懸念が直撃した。電子部品では村田製作所や京セラの下げが目立ち、TDKも大幅安。航空セクターはJAL(-6.44%)、ANA(-3.29%)と燃料費急騰による業績悪化懸念から特に売られた。防衛関連の三菱重工(-5.26%)、川崎重工(-5.93%)も地政学リスクの恩恵よりも全体の売り圧力が勝り大幅安。海運大手の商船三井(-0.71%)、日本郵船(-0.82%)、川崎汽船(-3.38%)もホルムズ海峡の航行停止による事業への悪影響が嫌気され下落した。INPEX(-0.35%)は原油高メリットが意識されたものの前日の大幅上昇からの反動で小幅安。数少ない値上がり銘柄として、リクルート、KDDI、HOYA、レゾナックなどディフェンシブ色の強い銘柄が買われた。
注目銘柄
- JAL (9201): -6.44%(2,842.5円) — 原油高による燃料費増加と中東路線への影響懸念から航空セクター最大の下落
- 三菱重工業 (7011): -5.26%(4,922円) — 防衛関連だが全面安には抗えず大幅下落。地政学リスクの恩恵は限定的
- 川崎重工業 (7012): -5.93%(17,285円) — 防衛・航空エンジンの大手も売り圧力に押される
- 重松製作所 (7980): +28.65%(1,347円) — 防毒マスクメーカーが値上がり率1位。中東有事で防護用品需要への思惑買い
- 共栄タンカー (9130): +21.58%(1,690円) — 原油タンカー輸送の需要増期待から急騰。ホルムズ海峡迂回による運賃上昇も材料視
為替・金利動向
ドル円は157円33銭前後で推移し、前日比約0.8%のドル高・円安となった。中東情勢の悪化を受けた「有事のドル買い」が先行し、一時157円75銭前後まで上昇。ホルムズ海峡封鎖の長期化観測から、エネルギー純輸入国の日本にとっては貿易赤字拡大→円安圧力が意識された。原油高が米国のインフレを押し上げるとの見方から米国債利回りが上昇し、日米金利差の拡大もドル高・円安の追い風に。野村総合研究所の試算では、ホルムズ海峡完全封鎖が長期化した場合、日本のGDPは年間0.65%押し下げられ、物価は1.14%押し上げられるとされている。
今晩の米国市場の注目点
中東情勢の進展が最大の焦点。ホルムズ海峡の封鎖継続か解除か、米国・イランの外交交渉の行方が相場を大きく左右する。前日の米国市場ではS&P500が一時1.2%超下落後に押し目買いで回復し+0.04%で着地したが、VIXは12%急騰し22.40に達しており警戒感は強い。原油先物のさらなる上昇があれば、翌日の東京市場でも売り圧力が継続する可能性がある。日本は原油備蓄254日分を保有しており、政府による備蓄放出の有無も市場の注目材料となる。
