米国株式市場は大幅に反落した。S&P500は前日比64.99ポイント安(-0.94%)の6,816.63、ダウ工業株30種平均は403.51ドル安(-0.83%)の48,501.27、ナスダック総合は232.17ポイント安(-1.02%)の22,516.69で取引を終えた。朝方はイラン情勢の緊迫化を受けダウが一時1,200ドル超の急落、S&P500も一時2.5%安、ナスダック2.7%安まで下落した。しかし午後に入り、米政権がホルムズ海峡を通航するタンカーへの軍事的護衛を検討していると報じられたことで押し目買いが加速し、主要3指数とも下げ幅を大幅に縮小して引けた。WTI原油先物は約7%上昇し76ドル台で取引を終了。VIXは23%急騰の26.43と3カ月ぶりの高水準に達し、投資家の警戒感が強まっている。
イラン情勢でダウ一時1200ドル安も午後に急回復、VIX26台に
2026年3月3日の米国市場は、イラン・ホルムズ海峡情勢の緊迫化でダウが一時1,200ドル超急落したが、ホルムズ海峡のタンカー護衛検討報道を受け午後に急回復。S&P500は-0.94%の6,816.63、ダウ-0.83%、ナスダック-1.02%で着地。VIXは23%急騰し26.43と3カ月ぶり高水準。防衛・エネルギー株が逆行高となる一方、半導体・航空セクターは大幅安。
市場概況
セクター動向
S&P500の全11セクターが下落した。中でも素材、資本財・サービス、ヘルスケアの下げがきつかった。半導体セクターはフィラデルフィア半導体指数が50日移動平均線に接近するまで売られた。航空セクターもジェット燃料高騰と中東路線の混乱懸念から大幅安。一方、エネルギーセクターはエクソンモービル(+3.4%)、シェブロン(+2.9%)が原油高の恩恵を受け逆行高。防衛セクターもロッキード・マーティン、RTX(旧レイセオン)、ノースロップ・グラマンが3〜5%上昇し、地政学リスクの高まりが追い風となった。テック大型株ではテスラが-2.6%、Nvidiaが-1.3%とインフレ再燃による金利上昇懸念が重荷となった。
注目銘柄
- マイクロン・テクノロジー (MU): -7.46% — 半導体セクターで最大の下落。金利上昇懸念と地政学リスク回避が直撃
- TSMC (TSM): -6.33% — 半導体大手も大幅安。フィラデルフィア半導体指数の下落に連動
- テスラ (TSLA): -2.6% — 原油高によるEV需要への複雑な影響に加え、成長株全般への売り圧力
- エクソンモービル (XOM): +3.4% — 原油価格急騰の直接的恩恵で逆行高。WTI76ドル台を追い風に
- ベスト・バイ (BBY): +5.35% — 既存店売上高は-0.8%だったが市場予想を上回り急伸。地政学リスクとは無関係の個別材料で買われた
経済指標・FRB動向
この日は主要な経済指標の発表はなかったが、原油価格の急騰がインフレ再燃の懸念を強めた。WTI原油は48時間で10%超上昇し、ブレント原油は2024年7月以来の85ドル台に到達。金価格も過去最高値を更新し、安全資産への資金逃避が鮮明となった。米国債利回りはインフレ期待の高まりから上昇し、これがテック株やグロース株の重荷となった。FRBの利下げ観測については、原油高が長期化すればインフレの粘着性が高まり利下げ時期が後ずれするとの見方が広がりつつある。
日本市場への影響
米国市場が午後に急回復したことは東京市場にとってやや安心材料だが、VIX26台という高水準は引き続き警戒が必要。ホルムズ海峡のタンカー護衛検討報道が実現すれば原油供給懸念がやや後退し、前日大幅安となった日本株にも買い戻しが入る可能性がある。ドル円は157円台で推移しており、原油高による円安圧力が続く見通し。日経先物は前日の大幅安(-3.06%)からの自律反発が期待される一方、中東情勢の続報次第では一段安もあり得る。エネルギー関連のINPEXや防衛関連の三菱重工、石油元売りの出光興産などが注目される。
