2026年3月6日(金)の米国株式市場は、予想を大幅に下回る雇用統計と中東情勢悪化に伴う原油急騰が重なり、リスクオフの全面安となった。2月の非農業部門雇用者数は9.2万人の減少と、事前予想の+5.5万人増を大きく下回り、失業率は4.4%に上昇。同時にWTI原油先物が1バレル=90ドルを突破し、週間ベースでは原油先物取引開始以来最大の上昇率となる35%高を記録した。雇用悪化とインフレ圧力の同時進行が、スタグフレーション懸念を市場に広げた。ダウは安値では前日比950ドル近く下落する場面もあった。VIXは29.49まで上昇し、投資家心理の悪化を示した。
米国市場3/7 17:24 JST 時点のデータ
雇用急減と原油急騰で株式市場が急落
2026年3月6日の米国株式市場は、2月雇用統計が予想外に9.2万人の減少を記録し、失業率が4.4%に上昇したことに加え、中東情勢悪化でWTI原油が90ドルを超えて急騰したことから、スタグフレーション懸念が高まり全面安となった。S&P500は-1.33%、ナスダックは-1.59%、ダウは-0.95%下落した。VIXは29.49まで上昇し、市場の不安心理が高まった。
S&P 500
6,740.02
-1.33%
NYダウ
47,501.55
-0.95%
NASDAQ
22,387.68
-1.59%
VIX
29.49
市場概況
セクター動向
エネルギーセクターが唯一の上昇セクターとなり、原油高を追い風に同セクターは上昇した。一方、テクノロジーセクターは-2.05%と最大の下落となり、金融セクターは-1.37%、資本財セクターは-1.26%の下落となった。スタグフレーション懸念から金利見通しが不透明化し、成長株や景気敏感株が売られた。安全資産である公益セクターや生活必需品セクターは相対的に底堅い動きを見せた。
注目銘柄
- デイ・ワン・バイオファーマシューティカルズ (DAWN): +約66% — フランスの製薬会社セルビエによる1株21.50ドル、総額約25億ドルでの買収合意が発表され、前日比66%超の急騰。同社の小児低悪性度神経膠腫治療薬Ojemda(2024年承認)が買収の中核資産。
- オキシデンタル・ペトロリアム (OXY): +3.3% — WTI原油が90ドルを突破する中、エネルギーセクターの主要銘柄として上昇。
- BP (BP): +3.23% — 中東情勢悪化による原油価格急騰を受け、エネルギー大手として上昇。
- エクソンモービル (XOM): +1%超 — 原油高を追い風に上昇。
- シェブロン (CVX): +1%超 — 同様に原油価格上昇を受け買われた。
債券・為替市場
米10年国債利回りは、雇用統計の急減を受けて低下し約4.12%近辺で推移した(日中は4.16%まで上昇する場面もあり、ボラティリティが高かった)。雇用悪化によりFRBの利下げ観測が一部前倒しされる一方、原油高によるインフレ再燃リスクも台頭し、金利の方向感が定まりにくい状況となった。為替市場では、円相場は日本が原油輸入の約94%を中東に依存していることから、原油高が日本経済に与える悪影響が意識され、円安が進行した。ドル円は157.80円近辺で推移した。ドル指数は雇用悪化とリスクオフムードが交錯する中で、方向感が定まりにくい展開となった。
今後の注目ポイント
今後の主な注目イベントは以下の通り。
- 2月消費者物価指数(CPI): 3月11日(水)発表予定。原油急騰を背景にインフレ動向が市場の焦点となる。
- FOMCの3月会合: 3月18日(水)に開催予定。会合後には経済見通し(ドットプロット)も公表される。雇用悪化とインフレ圧力が同時進行する中での政策判断が注目される。
- 中東情勢と原油価格動向: 地政学リスクの高まりがエネルギー価格を通じてインフレ・景気の両面に影響するため、引き続き注視が必要。
