3月11日の米国株式市場は、イラン紛争の長期化と原油価格の急騰が重しとなり主要指数はまちまちの展開となった。ダウ平均は289.24ドル(-0.61%)安の47,417.27ドル、S&P500は-0.08%の6,775.80ポイントとほぼ横ばい、ナスダック総合は+0.08%の22,716.13と唯一プラス圏を維持した。VIXは25.31と警戒水準にある。2月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.4%(月次+0.3%)、コアCPIは前年比+2.5%(月次+0.2%)と市場予想通りの結果だったが、ホルムズ海峡での貨物船への攻撃報道を受けて原油が急騰。WTI原油先物は4%超上昇し1バレル87.25ドル、ブレント原油は4.8%高の91.98ドルで引けた。国際エネルギー機関(IEA)が4億バレルの戦略備蓄放出を発表したが、原油の上昇を抑えきれなかった。
イラン紛争と原油高が重し、ダウ289ドル安
3月11日の米国市場はイラン情勢と原油高が重しとなりダウは289ドル安。2月CPIは予想通りも、ホルムズ海峡の緊張でWTI原油は4%超上昇。オラクルが決算好調で9.2%高、Nebiusはエヌビディア出資で15%急騰。10年国債利回りは4.19%に上昇。
市場概況
セクター動向
S&P500の11セクター中、プラスで引けたのはエネルギー(+2.48%)、情報技術(+0.40%)、コミュニケーション・サービスの3セクターにとどまった。エネルギーは原油価格急騰を背景にトップパフォーマー。情報技術はオラクルの大幅高とNebius急騰が牽引した。一方、金利上昇を受けてクレジット敏感株に売り圧力がかかり、8セクターが下落。クリーンエネルギー関連ファンドは化石燃料供給の不安定化を背景に代替エネルギー需要への期待から記録的高値を更新した。
注目銘柄
- Nebius (NBIS): +15.22% — エヌビディアが20億ドルの出資を発表し急騰。AIクラウドプロバイダーとしての成長期待が高まった。終値109.35ドル。
- オラクル (ORCL): +9.18% — 第3四半期決算で売上高が前年比+21.7%の171.9億ドル、調整後EPSは1.79ドルといずれも予想超え。クラウドインフラ収益は前年比+84%の49億ドル。2027年度売上高見通しを10億ドル上方修正し900億ドルとした。終値163.12ドル。
- CFインダストリーズ (CF): +3.85% — イラン紛争激化による肥料・化学原料の供給懸念で買いが集まった。
- バレロ・エナジー (VLO): +3.68% — 原油価格急騰を受け、精製マージン拡大への期待から上昇。
- コーニング (GLW): -3.24% — 地政学リスクへの警戒からリスクオフの売りが先行した。
- ニューモント (NEM): -2.27% — 金価格の軟調を受け金鉱株に売り圧力。終値116.20ドル。
債券・為替市場
米10年国債利回りは4.19%に上昇した。2月CPIは予想通りだったものの、イラン紛争によるエネルギー価格急騰がインフレ長期化懸念を再燃させ、利回りの低下を阻んだ。FRBは政策金利を3.50〜3.75%に据え置いており、市場ではエネルギー供給ショックによる「より高くより長く」の金利見通しが意識されている。為替市場ではイラン情勢を背景に安全資産としてのドル需要が高まり、ユーロやポンドなどリスク通貨は対ドルで軟調に推移した。
今後の注目ポイント
3月12日には2月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、前日のCPIに続くインフレ動向の手がかりとして注目される。PPIが予想を大幅に上回った場合、FRBの政策見通しに影響する可能性がある。中東情勢ではホルムズ海峡の航行安全と原油供給への影響が引き続き最大の焦点。IEAの戦略備蓄放出の効果と追加対応の有無にも市場の関心が集まっている。3月中旬に予定されるFOMC会合に向け、インフレデータとエネルギー価格を踏まえたFRBの政策判断への思惑が市場を左右する展開が続く見通し。
