9日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、終値は前日比1.38%高の67743.85円だった。TOPIXも0.35%高の4020.37、新興・成長株で構成されるグロース250指数も0.58%高の715.54と、主要3指数がそろって上昇した。前日の米国市場でナスダック総合指数が上昇し、半導体・AI関連株に押し目買いが入ったことが好感され、東京市場でも寄り付きから買いが先行。取引時間中には上げ幅を一段と拡大する場面もみられ、半導体・AI関連株を中心に幅広い物色が続いた。
日経平均反発、半導体主導で67743円
日経平均は前日比1.38%高の67743.85円で反発。前日の米国市場で半導体・AI関連株に押し目買いが入った流れを引き継ぎ、東京市場でも同関連株が全面高となった。個別ではユニソルHDが増配発表で急伸する一方、ABCマートは円安による採算悪化懸念から大幅安となった。
市場概況
セクター動向
半導体製造装置・関連銘柄が全体を押し上げた。コクサイエレクトリック(6525)は+9.92%、日本マイクロニクス(6871)は+9.29%と大幅高となり、HBM(広帯域メモリ)需要拡大や海外半導体大手の設備投資拡大観測を背景にした資金流入が続いた。半導体関連への物色が指数寄与度の大きい銘柄に集中した一方、円安進行を背景に輸入コスト増や海外事業の採算悪化が意識される小売セクターの一角(ABCマート-11.37%)には売りが集まり、銅高でも減益観測がくすぶる非鉄・素材セクター(三菱マテリアル-6.91%)も軟調に推移するなど、セクター間で明暗が分かれた一日となった。
注目銘柄
- ユニソルHD (7128): +11.63% — 9日正午前後、2026年12月期の年間配当予想を従来の101円から181円(通常配当101円+創業80周年記念配当80円)に増額修正すると発表。あわせて2027〜29年度の中期経営計画(29年度売上高1880億円・営業利益60億円目標)も公表し、増配と成長戦略への期待から買いが集中した。
- コクサイエレ (6525): +9.92% — 韓国半導体大手による80兆円規模とされる新工場投資計画や、生成AI向けHBM大増産による成膜装置需要拡大が引き続き材料視され、需給面では自己株式取得の進行も下支えとなり半導体装置株の中でも物色人気が続いた。
- 日本マイクロ (6871): +9.29% — メモリ向けプローブカードがHBM需要拡大を受けて2026年12月期第1四半期に大幅増収増益(売上高48.3%増・営業利益97.6%増)となっており、半導体メモリ大手の好決算報道を受けた連想買いも重なり上値を伸ばした。
- ABCマート (2670): -11.37% — 東証プライム値下がり率1位。歴史的な水準まで進んだ円安による輸入コスト増や海外事業の採算悪化懸念が根強く、内需・輸入依存度の高い小売株として利益確定売りも交錯し大幅安となった。
- 三菱マ (5711): -6.91% — 銅価格が高止まりする中でも精錬マージン縮小により今期は大幅減益予想となっており業績不透明感が重荷。子会社UBE三菱セメントの新規上場申請など事業再編観測はあるものの、素材市況敏感株として売りが優勢だった。
為替・金利動向
本日9日のドル円終値は確認できなかった。ただし7月に入り歴史的な円安基調が続いており、7月1日には一時1ドル=162円台半ば(約39年半ぶりの円安水準)を記録している。長期金利の指標となる新発10年国債利回りも上昇基調にあり、7月3日時点で2.8%に迫る1996年10月以来の高水準で推移していたことが確認できる。円安進行は輸出関連企業には追い風となる一方、ABCマートのように輸入コストや海外事業の採算悪化が意識される内需企業には逆風となっている。
今晩の米国市場の注目点
日本時間9日夜の米国では、21:30に前週分の新規失業保険申請件数・継続受給者数、23:00に6月の中古住宅販売件数(件数・前月比)が発表される。前日公表された6月FOMC議事要旨では参加者全員が政策金利の据え置きを支持していたことが判明しており、今後の金融政策見通しを見極める材料として引き続き意識される。また、トランプ大統領が中東での停戦終了に言及したとの報道で地政学リスクが再燃しており、原油価格の動向とあわせて相場の重荷となるか注目される。前日にかけて半導体・AI関連株の押し目買いが相場を支えていただけに、同セクターの値動きが東京市場にも波及するか引き続き焦点となる。
