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米国市場8/21 07:01 JST 時点のデータ

国債利回り再上昇で米株3指数続落、ウォルマート急落

2026年8月20日の米国株式市場は、米財務省の利回り抑制策の効果が薄れ長期金利が再上昇したことを嫌気し3指数そろって続落。S&P500は-0.87%、ダウは-1.32%、NASDAQは-1.0%。決算失望のウォルマートが約9%急落し相場の重しとなる一方、暗号資産関連やAIヘルスケア関連は物色された。

S&P 500
7,641.16
-0.87%
NYダウ
52,759.21
-1.32%
NASDAQ
26,067.17
-1.00%
VIX
16.01
+7.52%

市場概況

2026年8月20日の米国株式市場は3指数そろって続落した。S&P500は前日比-0.87%の7641.16、ダウ工業株30種平均は-1.32%(約700ドル安)の52759.21、NASDAQ総合は-1.0%の26067.17で取引を終えた。前日に米財務省が打ち出した債券買い戻しプログラムへの期待から長期金利が一旦低下したものの、その効果が長続きせず10年債利回りが再び4.7%近辺まで上昇したことが株式市場の重荷となった。加えてトランプ大統領がイランへの経済的圧力強化を表明したことで原油価格が上昇し、インフレ懸念も相場の重しとなった。恐怖指数VIXは+7.52%の16.01まで上昇し、投資家のリスク回避姿勢が強まったことを示した。個別ではウォルマートが決算失望から約9%急落したほか、アドバンス・オート・パーツが弱い売上高・ガイダンスで19%安、コティが決算未達で18%安となるなど、決算関連の急落銘柄が目立った。

セクター動向

今週は半導体セクターの下落が継続しており、フィラデルフィア半導体指数は週間で約8.5%安と、2025年4月のトランプ関税ショック以来の大幅下落となっている。マイクロン・テクノロジーやサンディスク、インテルなどのメモリー・半導体関連が軒並み売られ、AIブーム牽引株への利益確定売りとハイテク株からの資金ローテーションが進んだ。一方、ヘルスケア(バイオテック)セクターはモデルナとメルクによるmRNAがん治療薬の第3相試験成功を受けたボラティリティが際立ち、関連銘柄のテンパスAIにも資金が向かった。暗号資産関連セクターはビットコイン価格の上昇を背景に堅調で、コインベースやストラテジー、ハット8などが軒並み上昇し、金利上昇を背景とした全体相場の下落から独立した動きを見せた。エネルギー株はインフレ耐性セクターとして資金流入が続き、相対的に底堅い展開となった。

注目銘柄

  • Tempus AI, Inc. (TEM): +8.82% — 自社の第2四半期決算で売上高が市場予想を上回り通期売上高見通しを約16億ドルに上方修正、粗利率も64%に拡大したことに加え、モデルナ・メルクのmRNAがん治療薬の第3相試験成功により、同社が15億ドルで買収を進めるパーソナリスの遺伝子解析技術への評価が高まったことが買い材料となった。BTIGは目標株価を80ドルに引き上げ「買い」を維持した。
  • Hut 8 Corp. (HUT): +8.00% — ビットコインマイニングからAIデータセンター事業へのピボットが評価され上昇。テキサス州の1ギガワット級データセンターでNvidiaを主要テナントとして確保し、長期リース契約が総額最大500億ドルに達すると報じられたことが好感された。
  • Nordson Corporation (NDSN): +8.00% — 個別の当日材料は確認できなかったが、決算シーズン中で他の値上がり銘柄と同様に業績関連の材料や機関投資家の物色によるものとみられる。
  • Strategy Inc (MSTR): +7.81% — ビットコイン価格が68,000ドル台を回復したことを受けて上昇。同社は840,447BTC(取得総額約633.6億ドル、供給量の約4%)を保有する最大級の企業ビットコイン保有者であり、金利低下観測とビットコイン高の恩恵を受けた。2026年第2四半期はビットコイン評価損計上により約82億ドルのGAAP純損失を計上したが、複数のアナリストは目標株価を引き下げつつも「買い」を維持している。
  • Coinbase Global, Inc. (COIN): +7.65% — 第2四半期決算で取引シェアが3四半期連続で過去最高の10.3%を記録、サブスクリプション・サービス収益がネット収益の半分近くを占めるまでビットコイン現物取引依存から多角化が進んだことが評価された。加えてアブダビ金融規制当局からトークン化事業のライセンス承認を得たことや、トランプ大統領が議会に暗号資産関連法案(Clarity Act)の可決を促したことも追い風となった。
  • Moderna, Inc. (MRNA): -23.59% — 前日8月19日にメルクと共同開発するmRNAがん治療薬「intismeran autogene」の第3相試験で無再発生存率が有意に改善したとの好結果を受け株価が+176.97%と過去最大級の急騰を演じた反動で、利益確定売りが殺到し急落。同社は空売り比率が浮動株の約12.5%と市場で最も空売りの多い銘柄の一つであった点も変動を増幅させた。複数のアナリストが目標株価を引き上げたものの、いずれも急騰後の株価水準を下回る水準にとどまったことも上値の重さを示唆した。
  • Walmart Inc. (WMT): -9.15% — 第2四半期決算は一株当たり利益0.81ドル(予想0.74ドル)、売上高約1879億ドルと市場予想を上回り通期売上高見通しも上方修正したが、米国既存店売上高の伸びが+2.6%と市場予想の+3.7%を下回り2020年第4四半期以来の低い伸び率となったことが嫌気された。第3四半期の慎重な利益ガイダンスも投資家の懸念を招き、好決算にもかかわらず株価は急落した。
  • Innio N.V. (INIO): -8.80% — 具体的な当日材料は確認できなかったが、決算発表が相次ぐ時期であり業績・ガイダンス関連の失望売りの可能性が考えられる。
  • Kratos Defense & Security Solutions, Inc. (KTOS): -7.23% — 個別の当日材料は確認できなかったが、防衛関連株として金利上昇や地政学リスクを巡るセンチメント変化、あるいは直近決算に対する反応の可能性が考えられる。
  • Moog Inc. (MOG-A): -7.09% — 個別の当日材料は確認できなかったが、航空宇宙・防衛セクター全体の調整や、決算関連の材料が影響した可能性が考えられる。

為替・金利動向

米10年国債利回りは前日の4.65%近辺から反発し4.7%前後まで上昇した。前日に米財務省が打ち出した国債買い戻しプログラムへの期待で一時低下していた利回りが、その効果の持続性に疑問符が付いたことで再び上昇し、株式市場の重荷となった。ドル円は159円台前半で推移し、方向感の乏しいもみ合いが続いている。日米両国は円買い介入を協調して実施したとされ、日米金利差は依然として大きい状態が続いており、日本の10年国債利回りは2.90%まで低下している。

今後の注目点

来週8月27日から29日にかけて開催されるジャクソンホール経済政策シンポジウムが最大の注目イベントとなる。ウォーシュ新FRB議長にとって初の基調講演が8月28日に予定されており、金融政策の方向性を巡る発言が注目される。またその直前の8月26日にはエヌビディアの決算発表が控えており、半導体セクターの調整が続く中でAI関連投資の先行きを占う重要な材料となる見通し。直近ではFOMC議事要旨(7月分)も市場の関心を集めており、利下げペースを巡る織り込みが変化する可能性がある。加えて、決算シーズンが続く中で小売関連(ホームデポ、ターゲットなど)の決算発表も相次いでおり、消費動向を見極める材料として注視されている。