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米国市場6/11 07:03 JST 時点のデータ

米国株急落、イラン情勢とCPI加速が押し下げ

2026年6月10日の米国株式市場は、米イラン軍事的緊張の再燃と5月CPI前年比+4.2%への警戒から全面安。S&P500は-1.62%、ダウは-1.87%、NASDAQは-1.98%と主要3指数が下落し、VIXは22.22へ急騰(+11.83%)。エネルギー株は原油高を追い風に逆行高となった一方、ハイテク・素材・資本財セクターは大幅安となった。

S&P 500
7,266.99
-1.62%
NYダウ
49,918.78
-1.87%
NASDAQ
25,169.50
-1.98%
VIX
22.22
+11.83%

市場概況

米国株式市場は2026年6月10日(水)に全面安となった。トランプ大統領がイランとの交渉が「遅すぎる」と述べ追加攻撃を示唆したことで地政学リスクが再燃。同日発表の5月CPI(前年比+4.2%、コア前月比+0.2%)はインフレ高止まりを示しつつも、エネルギー価格ショックが幅広い物価に波及していない点は一定の安堵感をもたらした。S&P500は-1.62%の7266.99、ダウ工業株30種平均は-1.87%の49918.78(約900ドル安)、NASDAQ総合は-1.98%の25169.5と主要3指数がそろって下落。恐怖指数VIXは+11.83%急伸し22.22に達し、市場の警戒感の高まりを映した。一方、中東紛争を背景に原油価格が上昇したため、エネルギーセクターのみが逆行高となった。

セクター動向

エネルギーセクターは米イラン軍事衝突による供給不安から原油価格が押し上げられ、市場全体が下落する中で独歩高。LNG大手Venture Global(VG)+6.58%、石油・ガス開発のDevon Energy(DVN)+5.74%など、原油高の恩恵を受ける銘柄に買いが集まった。ガソリンスタンド運営のCasey's General Stores(CASY)やMurphy USA(MUSA)も好決算を材料に大幅高となり、燃料価格上昇を歓迎するセクター内格差が生じた。資本財セクターは3%超の大幅安。ハイテク・半導体セクターも2%超下落し、NVIDIA-1.4%、Broadcom-3.9%、Micron Technology-3.5%、Oracleが決算発表前日に-2.4%と値を崩した。素材セクターも2%超安となり、Alcoaの急落がこれをけん引した。

注目銘柄

  • Casey's General Stores (CASY): +20.29% — 第4四半期決算の大幅上振れが材料。EPS $4.37(予想$3.31を32%超過)、売上高$45.7億ドル(予想$43.4億ドル超過)を達成し、記録的な純利益とEBITDAで3カ年計画を締め括った。四半期配当を約13〜14%増額し$0.65/株(27年連続増配)、10億ドル規模の自社株買い延長、S&P500指数採用決定が重なり複数アナリストが目標株価を引き上げた。
  • Murphy USA (MUSA): +10.04% — Q1 EPS $7.28が市場予想を35.6%上回る大幅上振れ。JPMorganがイラン紛争に伴う燃料価格の変動が同社の燃料マージンを少なくとも1.5セント/ガロン押し上げると指摘し、強気コメントが買いを後押し。さらに自社株の約15%相当を約12.8億ドルで消却した大規模買い戻しプログラムの完了も評価された。
  • Super Micro Computer (SMCI): -27.98% — 前日(6月9日)に発表した70億ドル規模の株式・転換社債調達計画が嫌気され2日間で急落。調達資金はAIサーバー受注残390億ドルの部品調達に充当予定だが、希薄化規模が発表前時価総額の約35%に相当することで失望売りが殺到。6月9日-9.5%、同10日さらに-18%と2日間で約120億ドルの時価総額が消失した。
  • Bloom Energy (BE): -9.78% — ブルームバーグがCrusoe Energyによるワイオミング州シャイアンの1.8GW規模データセンター開発の一時停止を報道し急落。Bloom Energyは同プロジェクト第1フェーズ向けに固体酸化物型燃料電池システムを供給予定だったため、パイプライン縮小への懸念が売りを誘った。地元送電会社Black Hillsは2028年初頭の稼働予定に変更なしと表明している。
  • Alcoa (AA): -9.47% — Wells Fargo主催の産業・素材カンファレンス(シカゴ)で経営陣がQ2業績見通しを下方修正。アルミナ部門の調整後EBITDAが従来比約6,000万ドル悪化する見込みで、内訳は西オーストラリアPinjarra精製所の竜巻(Cyclone Narelle)被害に伴う生産コスト増(約3,000万ドル)、中東紛争に起因するエネルギーコスト上昇(約2,000万ドル)、セクション232関税コスト増(約3,500万ドル)。弱い地合いが高ベータの資源株への売りを増幅した。

為替・金利動向

ドル円は1ドル=160.51円と2026年内最高値水準に上昇。米高インフレと日米金利差の継続を背景にドル高・円安基調が鮮明となった。米10年国債利回りは5月CPI発表後に一時4.55%まで上昇したが、コアCPI月次+0.2%が予想を下回ったことで幾分か買い戻され4.52%前後で引けた。市場はFRBが2026年12月に0.25%の追加利上げを実施するとの見通しをフル織り込みした状態が続いている。イラン紛争に伴う原油価格の高止まりはインフレ圧力の上振れリスクを高めており、長期金利の上昇圧力も続いた。ドル高環境は新興国市場にとっても逆風となっている。

今後の注目点

①米イラン情勢の行方:トランプ大統領が追加攻撃の可能性を示唆しており、紛争の長期化が原油高・インフレ加速・市場の不安定化をもたらすリスクが最大の焦点。②FRBの政策姿勢:コアCPIの月次+0.2%は予想より小さかったが、年率換算では依然高い水準。次回FOMC(7月末予定)の声明文・ガイダンスが注目される。③Oracle決算発表:同社株は発表前日に-2.4%下落しており、AIクラウド需要の実態と通期見通しが確認できるか市場の関心が高い。④Super Micro Computerの資本調達着地:70億ドル規模の調達条件が確定した際の追加的希薄化影響とAIサーバー受注動向が同社の株価方向性を左右する。