6月18日の米国株式市場は主要3指数が反発した。FRBは2日間にわたるFOMC会合を経て政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたものの、メンバーの「ドットプロット」では18人中9人が年内の利上げを支持しており、前日17日はこの示唆を嫌気した売りでS&P500・ナスダックが急落していた。18日はその反動買いが優勢となり、S&P500は1.08%高の7,500.58、ナスダック総合は1.91%高の26,517.93で引けた。ダウ平均は0.14%高の51,564.7とほぼ横ばいだったが、ラッセル2000も上昇するなど幅広い買い戻しが入った。VIX(恐怖指数)は11.06%低下し16.4まで落ち着き、市場のリスク選好回復を示した。なお同日は株式・株価指数・個別株オプションが同時に満期を迎える「トリプルウィッチング」で、出来高が通常より膨らんだ。また米国によるイランへの海上封鎖終了が伝わり、地政学リスクの後退も地合いを支援する一因となった。新FRB議長ケビン・ウォーシュ体制での初のFOMC会合という点でも注目を集めた。
Fed据え置き受け反発、AI関連株がNasdaqを牽引
6月18日の米国株式市場はFRBの政策金利据え置き決定を受け前日急落から反発。S&P500は1.08%高の7,500.58、NASDAQは1.91%高の26,517.93で引け。AI関連の半導体・光通信・エネルギー銘柄が上昇を主導した一方、アクセンチュアの業績見通し引き下げによりITサービスセクターが急落した。
市場概況
セクター動向
AI向けインフラ需要を追い風に半導体・光通信・クリーンエネルギーの各セクターが当日の上昇を主導した。半導体関連ではSanDisk(SNDK)がアナリスト目標株価引き上げとメモリ需給逼迫期待で急騰。半導体製造材料のEntegris(ENTG)も同じく半導体セクター全体の買い戻し機運に乗り大幅高となった。光通信・光ファイバーのCorning(GLW)はAmazonとの大型多年度供給契約を背景にAI向け光インフラ需要が評価され急伸した。クリーンエネルギーのBloom Energy(BE)はデータセンター向け燃料電池の需要急拡大への期待感から急騰した。一方、ITサービスセクターはアクセンチュア(ACN)が通期売上高成長率の見通しを引き下げたことを嫌気した売りが連鎖し、コグニザント(CTSH)やインフォシス(INFY)など同業大手が軒並み急落した。消費安定セクターではクローガー(KR)が第1四半期利益の未達で売られ、鉄鋼のSteel Dynamics(STLD)も第2四半期ガイダンスの引き下げを受けて資材セクターの中で目立った下落となった。
注目銘柄
- Accenture (ACN): -16.32% — 2026年度第3四半期(3〜5月期)決算を発表。売上高は前年同期比6%増の187億ドルで市場予想の187.8億ドルを小幅下回り、希薄化後EPSは3.80ドルと予想3.72ドルを上回ったが、通期の売上高成長率見通しを従来の3〜5%から3〜4%に引き下げた。地政学的緊張の高まりと新規ブッキング(受注残)の低迷を要因として挙げており、ITサービス・コンサルティング業界全体の需要鈍化懸念を誘発した。
- Bloom Energy (BE): +15.38% — AI向けデータセンターの電力需要急増を背景に急騰。CEOのKR・スリダール氏がBloombergのインタビューで「データセンター需要への対応に増資は不要」と発言し、自社財務基盤の健全性を強調。Oracleデータセンターへの最大2.8ギガワット規模の燃料電池供給契約が引き続き評価材料となっており、AIインフラ向けオンサイト電源という同社の独自ポジションが市場に再評価された。
- Cognizant (CTSH): -10.49% — アクセンチュアの通期ガイダンス引き下げを受けたITサービスセクター全体への波及売りが主因。コグニザント自体の個別材料は確認されていないが、アクセンチュアが示した「地政学的逆風と受注低迷」という構造的課題が同業他社にも共通するとの見方から、外部委託ITサービス銘柄への一斉売りが起きた。
- SanDisk (SNDK): +11.43% — モルガン・スタンレーがNAND型フラッシュメモリ市場の長期的アップサイクルを予想し、EPS見通しと目標株価を引き上げたことが主要な触媒となった。大型フラッシュメモリ供給契約の報道も追い風となり、AIサーバー向けNAND需要の構造的な供給不足という市場環境の中で買いが加速した。
- Steel Dynamics (STLD): -7.49% — 2026年第2四半期のEPS見通しを3.51〜3.55ドルと発表する一方、ミシシッピ州で計画中だった第2のアルミニウムリサイクルスラブ拠点の移転決定に伴い1,600万ドルの資産評価損を計上することを開示した。この一時損失計上と事業計画変更が投資家の失望を招き、市場全体が反発する中で逆行安となった。
為替・金利動向
ドル円は前日17日に日本銀行が政策金利を0.75%から1.00%(+25bp)へ引き上げたことを受けたドル安・円高基調が続き、6月18日は1ドル=160.26円前後で推移した(6月15日終値の160.35円から小幅な円高)。米10年国債利回りはFRBの据え置き決定後に4.49%付近で推移した。FRBは今会合で金利を3.50〜3.75%に据え置いたが、2026年中に利上げへ転じる可能性をドットプロットで示したことから、金利の先行き不透明感が残った。日米間の金利差縮小期待が円相場を下支えしており、BOJの追加利上げ観測が引き続き円の支援材料となっている。ドル指数(DXY)については18日時点の確定値は確認できていない。
今後の注目点
1. FRBの次回利上げ時期:ドットプロットで18人中9人が年内利上げを支持しており、今後公表されるCPIやPCEデフレーターなどのインフレ指標が次のFOMCの方向性を左右する。2. ITサービスセクターの需要動向:アクセンチュアが示した受注低迷と地政学的逆風がコグニザント・IBMなど他社の決算に波及するかを次の決算シーズンで確認する必要がある。3. Nasdaq-100リバランス(6月22日):Astera Labs(ALAB)のNasdaq-100採用が6月22日付で発効する予定で、インデックスETFによる実需買いの規模が注目される。4. 日銀の追加政策変更:政策金利を1.00%に引き上げた直後の日銀の次のアクションと発言が円相場・米株への資本フローに影響を与える可能性がある。5. AI電力・メモリ需要の持続性:Bloom EnergyやSanDiskが恩恵を受けているデータセンター向け電力・ストレージ需要の継続性と、超大手テクノロジー企業の設備投資計画の進捗が中期的な相場テーマを形成する。
