6月23日の米国株式市場は、アジア市場の大幅な混乱と米系大手銀行の利上げ警告が重なりリスクオフムードが広がった。バンク・オブ・アメリカが流通させた追加利上げの可能性を示唆するリサーチノートが朝方から市場心理を圧迫。さらに韓国KOSPIがサムスン電子・SKハイニックスの各12%超の急落でサーキットブレーカーが発動するなど約10%の歴史的急落を演じ、その余波が米国の半導体セクターを直撃した。韓国当局が半導体株に連動するレバレッジ型金融商品への規制を示唆したことも売りを加速させた要因として指摘されている。NASDAQは2.21%下落、S&P500は1.44%下落した一方で、ダウ平均は0.09%の小幅安にとどまった。これはダウの構成銘柄が半導体への依存度が相対的に低いためで、セクター間の明暗が鮮明となった。恐怖指数VIXは前日比12.79%急伸し19.49まで上昇し、投資家の不安心理の高まりを示した。
韓国発半導体急落でNASDAQ2%超下落
2026年6月23日の米国株式市場は、韓国KOSPIが約10%急落(サーキットブレーカー発動)し世界の半導体株に連鎖売りが波及したことと、バンク・オブ・アメリカの利上げ警告ノートが重なり大幅安となった。NASDAQは2.21%下落、S&P500は1.44%下落。マイクロン・SanDiskなど半導体銘柄が軒並み10%超の急落を記録した一方、再生エネルギーや公共安全テック銘柄は上昇。VIXは12.79%急伸し19.49に達した。
市場概況
セクター動向
半導体・ハードウェアセクターが最大の打撃を受けた。マイクロン、クアルコム、アーム・ホールディングスなどの主要半導体銘柄が軒並み8〜13%超の急落を記録し、NASDAQを中心に指数を大きく押し下げた。AIデータセンター向けの電源・冷却機器を手掛けるVertivなどAIインフラ関連株も半導体セクターとの連動により10%超の下落となった。一方で、公益・再生可能エネルギーセクターは半導体株売りからの資金逃避先として相対的に底堅さを示し、ENLTなど再生エネルギー銘柄が上昇した。公共安全テック(AXON)や法的・専門家向けAIサービスを提供するトムソン・ロイター(TRI)など半導体直接依存度が低いセクターは資金流入を受けてプラスで引けた。デフェンシブ性の高いセクターが選好される典型的なリスクオフ相場の展開となった。
注目銘柄
- Applied Optoelectronics (AAOI): -13.89% — 光通信・AIインフラ向け光部品セクターが半導体全面安に巻き込まれ最大の下落率を記録。直近のAIオプティクス急騰で株価が119%過大評価との指摘も出ていた中、利益確定売りが加速した。
- Sandisk Corporation (SNDK): -13.57% — 韓国メモリ大手(サムスン・SKハイニックス)の急落がNANDフラッシュ市場全体への懸念を呼び連鎖売りが発生。さらにモルガン・スタンレーがWesternDigitalからのスピンオフ後に株価が数千%上昇しており割高との警告ノートを出したことも重なり急落した。
- Micron Technology (MU): -13.23% — 翌6月24日に2026年度第3四半期決算発表を控えた警戒売りに加え、韓国メモリ株急落の余波でDRAM・HBM需要への不安が高まった。ただしアナリスト多数は強気見通しを維持しており、決算前の持ち高調整の側面が大きいとみられる。
- Vertiv Holdings (VRT): -11.08% — AIデータセンター向け電源・熱管理設備メーカーとして半導体関連株と同一のテーマ株として売られた。韓国規制当局によるレバレッジ型チップ関連ファンドへの締め付け懸念が、AI投資全般のリスクプレミアムを押し上げたことが背景。
- Axon Enterprise (AXON): +5.61% — テーザー銃・ボディカメラ・警察向けAIソフトウェアを手掛ける公共安全テック企業として、半導体セクターとは独立したディフェンシブ成長株として評価された。2026年第1四半期に売上高が前年比34%増の8億700万ドルと市場予想を上回り、AI関連製品売上が前年比7倍超、カウンタードローン受注が約500%増と発表しており、地合い悪化の中でも買いが入った。
為替・金利動向
米10年国債利回りは韓国発の世界的リスクオフと半導体株急落を受けた安全資産への逃避から4.48%に低下した。バンク・オブ・アメリカが追加利上げの可能性を示唆するノートを流通させたことは短期金利には上昇圧力として働いた一方、長期金利は株式市場の急落を受けて低下する展開となった。ドル円は161円54銭近辺で推移し、ほぼ横ばいだった。日本円は1986年以来の安値水準近辺で推移を続けており、日本当局の介入への警戒感が下値を抑えている状況が継続した。ドル指数は半導体株を中心とした米国株安によるリスクオフで小動きとなった。
今後の注目点
最大の注目点はマイクロン・テクノロジー(MU)が6月24日(翌営業日)に発表する2026年度第3四半期決算である。今回の半導体急落のトリガーの一つが決算前の警戒売りであったため、決算内容次第では市場全体の反転材料になる可能性がある。アナリスト各社は強気見通しを維持しており、好決算であれば半導体セクターの急反発も想定される。またバンク・オブ・アメリカの利上げ示唆ノートを受けてFedの金融政策動向への注目が再燃しており、次回FOMC(連邦公開市場委員会)関連の発言や経済指標(PCEデフレーター・雇用統計など)が市場心理を左右する見込みだ。韓国KOSPI市場の安定化動向および同国規制当局のレバレッジ型チップ関連ファンドへの方針表明も注視される。さらにGoogleにおける幹部離職によるAI競争力懸念が引き続き半導体・AI関連セクターのセンチメントに影響する可能性がある。
