2026年6月24日の米国株式市場は、前日(S&P500が1.44%安、NASDAQ総合が2.21%安)の急落から小幅反発を試みたが、主要指数は方向感を欠いた。ダウ平均株価は182.06ドル(+0.35%)上昇して51,848.90ドルで引けた一方、S&P500指数は7,358.22ポイントと前日比0.1%の小幅安、NASDAQ総合指数は0.43%下落して25,476.63ポイントで終了した。恐怖指数(VIX)は4.41%低下の18.63となり、前日比で市場心理は若干改善した。AIインフラへの過大投資が期待リターンを下回るとの懸念がハイテク株の重石として残る中、市場の最大の関心はメモリ大手マイクロン・テクノロジー(MU)の引け後決算発表に向けられていた。引け後に発表されたマイクロンの2026年第3四半期決算では売上高が前年比346%増の414.6億ドル、調整後EPSが25.11ドルとそれぞれ市場予想(売上高355.9億ドル、EPS20.60ドル)を大幅超過し、時間外取引で株価は12%以上急騰した。
ダウ続伸もS&P・ナスダック小幅安、AI株と仮想通貨株に売り
6月24日の米国株式市場は前日急落からの反発を模索し方向感を欠いた。ダウ平均は0.35%上昇した一方S&P500は0.1%安、NASDAQは0.43%安。ヘルスケア・CROセクターは決算好調で買われ、Cerebras SystemsとRocket Labは急落。ビットコイン急落でStrategyも売られた。引け後のMicron決算は大幅超過で翌日の半導体株に期待感。
市場概況
セクター動向
ヘルスケア・CRO(医薬品受託研究)セクターが際立って堅調だった。ICON(ICLR)とIQVIA(IQV)がともに第1四半期決算での業績超過と記録的な受注残を背景に大幅上昇し、セクター全体をけん引した。住宅・金融セクターでもロケット・カンパニーズ(RKT)が住宅価格上昇と借り換え申請増加を手掛かりに上昇。eコマース関連ではウェイフェア(W)がアナリストの目標株価引き上げを受けて急伸した。一方、AI半導体・新興AI株セクターはCerebras Systems(CBRS)が第1四半期決算で粗利率低下ガイダンスを示したことで急落し、AI関連投資の収益化懸念が改めて市場に意識された。宇宙・防衛セクターではロケット・ラボ(RKLB)が大型増資発表を受けた希薄化懸念で急落。暗号資産連動株はビットコイン価格が約5万9,000ドルを割り込む急落を受けてStrategy(MSTR)が大幅安となった。
注目銘柄
- ICON Public Limited (ICLR): +10.86% — 2026年第1四半期決算で売上高20.3億ドル、調整後EPS2.50ドルがコンセンサス予想(約2.43ドル)を上回り業績超過。純受注29億ドル(受注倍率1.42倍)で受注残高が過去最高の227億ドルを記録した。加えてマイクロソフトをAI技術の優先パートナーに選定し、OrbisアジェンティックAIプラットフォームをAzureと365 Copilotで強化すると発表したことも好感された。
- Natera (NTRA): +10.74% — がん残存・再発モニタリング検査「Signatera」が日本の規制当局から承認を取得したと発表。新市場への参入期待が高まり株価は午前中に7.7%急伸した。
- Cerebras Systems (CBRS): -19.54% — 6月23日引け後発表の2026年第1四半期決算(売上高1.934億ドル、前年比92%増)では成長が続いたものの、コア粗利益率が47%から第2四半期に36〜38%へ急低下する見通しを示したガイダンスが失望売りを誘発。年間でも38〜41%にとどまる見込みと示したことがマージン悪化懸念を呼び急落した。
- Rocket Lab (RKLB): -10.22% — 30億ドル規模のAt-the-Market(ATM)増資プログラムを発表したことへの株式希薄化懸念から急落。第1四半期売上高が前年比63.5%増の2.003億ドルと過去最高を更新した好業績も資金調達の規模感に打ち消された。
- Strategy Inc (MSTR): -9.35% — ビットコイン価格が約5万9,000ドルを割り込む急落を受け連動安。暗号資産分析会社CryptoQuantは同社の過剰なビットコイン購入を指摘し購入一時停止と手元資金の再構築を勧告。優先株(STRC)も液面の17.5%下回る水準に下落するなど、財務的な懸念が強まった。
為替・金利動向
ドル円相場は1ドル=161.58円近辺で推移し、前日比ほぼ横ばいとなった。円は依然として1986年以来の安値圏に留まっており、日米金利差の大きさが引き続き円安圧力として作用している。米10年国債利回りは前日から大きく動かず、4.51%前後での推移となった。ドルインデックスも前日比で大きな変動は確認されておらず、米国市場の主要な関心はMicron決算に集中していた。
今後の注目点
最大の注目点は、引け後に大幅業績超過となったマイクロン・テクノロジー(MU)の好決算が翌日の半導体セクターおよびAIインフラ関連株に与える波及効果だ。売上高414.6億ドル(予想比約16%超過)、EPS25.11ドル(予想比約22%超過)に加え、第4四半期ガイダンスとして売上高500億ドル(±10億ドル)と強気見通しを示した。VanEck半導体ETF(SMH)は時間外で3%、ラウンドヒル・メモリETF(DRAM)は10%それぞれ上昇しており、前日・当日と続いたAIインフラ投資リターンへの懸念が払拭されるかがカギとなる。また、ビットコイン価格の動向とStrategy(MSTR)の財務状況、さらに住宅ローン金利と住宅着工・販売データの推移がRocket Companies(RKT)やeコマース株の行方を左右する見通しだ。
