6月25日の米国株式市場は、マイクロン・テクノロジー(MU)が前夜の市場引け後に発表した過去最高の決算を受けて半導体株が急騰した一方、AppleとMicrosoftがそれぞれiPhoneとXboxの値上げを発表したことでマグニフィセント7銘柄が軟調となり、指数はまちまちの展開となった。ダウ平均は51,920.62ドル(+0.14%)と小幅上昇し、ジョンソン・エンド・ジョンソンやキャタピラーなどヘルスケア・工業・金融株が支えた。一方、NASDAQは25,358.60(-0.46%)と4日続落。S&P500は7,357.49(-0.01%)とほぼ横ばいで終了した。VIXは18.89(+1.4%)とやや上昇し、市場の警戒感が小幅に高まった。
半導体高・マグ7安で主要指数まちまち
マイクロン・テクノロジーが会計年度Q3で過去最高売上を記録し、半導体・メモリ関連株が急騰。一方、AppleとMicrosoftがデバイス値上げを発表したことでマグニフィセント7銘柄が売られ、NASDAQは4日続落(-0.46%)。ダウは工業・金融・ヘルスケア株に支えられ+0.14%の小幅高、S&P500は-0.01%とほぼ横ばい。独メルクによるバイオテクネ買収発表やアキュイティの決算好調も注目された。
市場概況
セクター動向
半導体・メモリ関連セクターはマイクロンの決算を受けて全面高となり、製造装置大手のアプライド・マテリアルズも新製品発表と複数アナリストの目標株価引き上げが重なり大幅上昇した。ライフサイエンス・ツールセクターでは、独メルクKGaAによるバイオテクネ(TECH)の買収合意発表が買い材料となった。照明・インテリジェントビル分野では、アキュイティ(AYI)が好決算を発表して急騰。一方、テクノロジーのメガキャップ銘柄はApple(-6.13%)、Microsoft(-3.23%)をはじめとする価格転嫁懸念の売りに押され、NASDAQ全体の重荷となった。旅行・オンライン予約セクターでは、トリップ・ドットコム(TCOM)のQ1 EPS未達と弱いガイダンスが嫌気されて大幅安。ハネウェル・エアロスペース(HONAV)はスピンオフ直前のウェン・イシュー取引期間中に特有の値動きを見せた。
注目銘柄
- Sandisk Corporation (SNDK): +21.47% — マイクロンの記録的な決算でAIメモリ需要の旺盛さが改めて確認されたことを受け、NAND市場の供給不足恩恵を受ける同社株が連動急騰。直近のQ3売上高は59.5億ドルと予想を上回っており、マルチイヤー固定価格契約へのシフトも業績下支えとして評価された。モメンタム投資家の集中買いも上昇を増幅させ、日中には約9〜10%の乱高下を伴う荒い値動きとなった。
- Bio-Techne Corporation (TECH): +20.08% — 独医薬品大手メルクKGaAが1株73ドルの現金でバイオテクネを総額約113億ドルで買収すると発表。直近の平均株価に対し約36%のプレミアムが提示された。買収はメルクKGaAの売上・利益率に即座に貢献する見通しで、マルチオミクス・空間生物学・細胞遺伝子治療分野での能力拡充を狙ったもの。
- Micron Technology, Inc. (MU): +15.71% — 会計年度Q3(3〜5月)売上高415億ドルで過去最高を更新し、アナリスト予想を大幅に上回った。次四半期(6〜8月)の売上高ガイダンスは約500億ドルと、市場コンセンサス(432億ドル)を約16%超過。AIデータセンター向け高帯域幅メモリ(HBM)の需要急増と価格上昇が主因で、翌四半期の粗利益率も86%への上昇が見込まれた。
- Applied Materials, Inc. (AMAT): +13.42% — 6月25日に3D DRAM製造および先端AIチップパッケージング向けの新チップ製造システム6製品を発表し、AI半導体の生産能力拡大需要への対応を示した。またBank of Americaが目標株価を540ドルから720ドルへ、Wells Fargoが520ドルから715ドルへ引き上げており、アナリストの強気姿勢も追い風となった。
- Trip.com Group Limited (TCOM): -12.55% — 前日発表のQ1 2026決算でEPSが5.73ドルと市場予想(6.14ドル)を約6.7%下回った。売上高は前年比17%増と予想を超えたものの、調整後販売費が24%増と膨らみ収益性が圧迫。Q2の売上高成長率見通しも3〜8%とQ1より鈍化が示された。さらに中国の独占禁止当局(SAMR)による調査懸念が重なり、失望売りが膨らんだ。
為替・金利動向
ドル円は1ドル=約161.8円と前日比ほぼ横ばいで推移した。円は過去12カ月で約11.9%下落しており、歴史的な円安水準が継続している。米10年国債利回りは4.38%で安定的に推移した。VIXは18.89(前日比+1.4%)と小幅上昇し、市場の不確実性がわずかに高まったことを示した。ドルインデックスの具体的な終値は当日分を確認できなかったが、ドル円水準は高止まりが続いた。
今後の注目点
6月26日(金)はQ2末(2026年4〜6月期)最終営業日前日にあたり、機関投資家によるポートフォリオのリバランスや窓口決算に伴う需給変動が引き続き意識される。6月29日(月)にはハネウェル・エアロスペース(HONAV)が正式にNasdaqへ「HONA」として上場予定であり、スピンオフ完了後の値動きが注目材料となる。マクロ面では6月のPCEデフレーター(個人消費支出価格指数)や7月初旬の雇用統計(NFP)が次の主要指標となる。また、7月3日(金)は独立記念日前の短縮取引となる可能性があり、週明け以降の薄商いにも留意が必要。引き続きAppleやMicrosoftの価格転嫁策が消費者需要に与える影響や、AIメモリ需給の動向も市場の注目点となる。
