2026年6月30日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇した。S&P500は前日比0.79%高の7499.36、NASDAQ総合は1.52%高の26213.72、ダウ平均は0.26%高の52319.2で取引を終えた。ハイテク株主導の反発基調が続き、AI関連インフラ投資への期待から半導体・データセンター関連銘柄が買われた。市場の恐怖指数であるVIXは前日比6.8%低下の16.45となり、投資家のリスク選好姿勢が強まったことを示した。第2四半期は主要指数にとって近年で最も好調な四半期の一つとなっている。
ハイテク主導で続伸、VIX急低下しリスク選好
2026年6月30日の米国株式市場はS&P500、ダウ、NASDAQが揃って上昇。AI関連半導体や衛星通信銘柄が買われる一方、ビットコイン安でMSTR・CRCLが下落。VIXは16.45へ急低下しリスク選好姿勢が強まった。
市場概況
セクター動向
ハイテク・通信関連セクターが相場を牽引し、AI向けデータセンター・光通信需要への期待からMaxLinearなど半導体関連株が急伸した。衛星通信・防衛関連も米宇宙軍(Space Force)の契約獲得期待でViasatが大幅高となった。一方、暗号資産関連セクターはビットコイン価格の下落を受けて軟調で、StrategyやCircle Internet Groupなどビットコイン・ステーブルコイン関連銘柄が売られた。データセンターREIT(不動産投資信託)セクターは、米国内で州・自治体によるデータセンター開発規制の強化が相次いでいることが嫌気され、Digital Realty Trustなどが下落した。生活必需品セクターでもHormel Foodsが軟調な業績見通しを背景に値を下げた。バイオテック関連は臨床試験データを巡り個別銘柄の値動きが大きく、Abivaxが臨床試験良好データを受けて急伸した。
注目銘柄
- ABIVAX Société Anonyme (ABVX): +38.60% — 潰瘍性大腸炎治療薬obefazimodの第3相維持療法データが発表され、投与44週時点での臨床的寛解率が約50〜51%(プラセボ群10.4%)と良好な結果を示し、新たな安全性シグナルも確認されなかったことが好感された。米国での新薬承認申請を2026年後半に予定しており、M&A思惑も加わり株価が急伸した。
- MaxLinear, Inc. (MXL): +18.03% — AIデータセンター向け光通信・インフラ需要の拡大を背景に、Northland Capital Marketsが目標株価を2倍超に引き上げ(110ドル)、Stifelも目標株価を49ドルから105ドルに引き上げるなど証券各社の強気評価が相次いだ。さらにロスアラモス国立研究所との共同研究でOpenZFSストレージの書き込み速度が最大約39倍に高速化したと発表されたこともAIインフラ関連銘柄としての評価を押し上げた。
- Viasat, Inc. (VSAT): +17.11% — 米宇宙軍の「Protected Tactical SATCOM-Global」プログラムにおける衛星通信契約獲得が材料となり、防衛・宇宙関連銘柄として買われた。Oppenheimerが新規カバレッジでアウトパフォーム・目標株価140ドルを設定したほか、Deutsche BankやNeedhamも目標株価を倍以上に引き上げ。TiVoとの提携やLockheed Martin/NOAAとの航空機向け契約も株価を支えた。
- Circle Internet Group (CRCL): -17.68% — ステーブルコイン発行大手の同社株は、過去3カ月でインサイダーによる1億5870万ドル相当の自社株売却が確認され、買い向きの動きがなかったことが投資家心理を悪化させた。財務健全性や収益性への懸念も意識され、時価総額は約163億ドルまで縮小した。
- Strategy Inc (MSTR): -6.20% — ビットコイン価格が6万ドルを割り込み2024年10月以来の安値水準まで下落したことを受け、同社が保有する大量のビットコイン資産の評価懸念から売りが優勢となった。TD CowenはMSTRの目標株価を400ドルから260ドルに引き下げ。年間配当負担が年初の3億ドルから12億ドルへと4倍に膨らんでいることも財務リスクとして意識されている。
為替・金利動向
外国為替市場ではドル高・円安が進行し、ドル円相場は1ドル=162円台半ば(162.60円近辺、前営業日比+0.41%)と1986年12月以来の円安水準を更新した。日米金利差を背景とした円売り圧力が継続している。米10年国債利回りは前営業日(6月29日)時点で4.38%付近で推移しており、日本の10年国債利回りは約2.61%と3営業日連続で低下している。米連邦準備制度(FRB)の金融政策運営を巡っては、新議長下での金融政策スタンスに市場の関心が集まっている。
今後の注目点
7月入り後は週末の米雇用統計をはじめとする主要経済指標の発表が控えており、FRBの金融政策見通しを左右する材料として注目される。個別企業では7月下旬に決算発表シーズンが本格化し、FormFactor(7月29日発表予定)など半導体関連企業の業績がAI投資需要の持続性を占う材料となる見込み。データセンター開発規制の動向やビットコイン価格の先行きも、関連銘柄の株価変動要因として引き続き市場の関心を集めそうだ。
