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個別銘柄の決算分析はnoteで公開中

米国市場7/7 07:04 JST 時点のデータ

NYダウ最高値更新、AI関連株が相場牽引

7/6の米国株は3指数そろって上昇し、NYダウは53,055.91ドルで最高値を更新。VIXは15.57(-3.59%)に低下し投資家心理は改善した。AI電力・データセンター関連のIREN、クレド、ブルームエナジーが急伸する一方、M&A思惑からソルスティスやロケット・ラボ、オライリーが急落した。

S&P 500
7,537.43
+0.72%
NYダウ
53,055.91
+0.29%
NASDAQ
26,121.16
+1.12%
VIX
15.57
-3.59%

市場概況

2026年7月6日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇した。7月3日(独立記念日の振替休日)の3連休明けとなったこの日、NYダウ工業株30種平均は前営業日比0.29%高の53,055.91ドルで取引を終え、終値ベースの最高値を更新した。S&P500は0.72%高の7,537.43、ナスダック総合指数は1.12%高の26,121.16と、値動きはナスダックが最も強かった。恐怖指数(VIX)は3.59%低下の15.57となり、投資家のリスク選好姿勢が強まったことを示した。連休前の7月2日に発表された6月の米雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が5.7万人(市場予想11.3万人)にとどまり、3カ月続いた強い雇用の伸びに歯止めがかかったことで、FRBが当面政策金利を据え置くとの見方が支えとなり、株式市場の追い風となった。

セクター動向

本日はハイテク株が相場をけん引した。ステート・ストリートのテクノロジー・セレクト・セクターSPDR ETFは約2%上昇し、ウエスタンデジタルが7%高、テラダインが2.8%高となったほか、マーベル・テクノロジーが1%超、オラクルが2.5%上昇した。金融・資本財セクターも上昇銘柄が多く、ダウ平均の最高値更新を支えた。AI関連インフラ投資テーマは引き続き物色の中心で、データセンター向け電力供給のブルームエナジー、AIデータセンター用光接続半導体のクレド・テクノロジー、GPUクラウド事業のIRENなど、AI電力・データセンター関連銘柄への資金流入が目立った一方、宇宙関連株はロケット・ラボのM&A思惑を受けて軟調な展開となった。

注目銘柄

【値上がり銘柄】

  • IREN Limited (IREN): +13.11% — AIスタートアップのAnthropicがオーストラリアで計画する総額約150億ドル(1.4ギガワット規模、関連投資総額約220億ドル)のデータセンター建設先の候補企業に名前が挙がったと報じられたことが手掛かり材料となった。Jefferiesが新規に「買い」でカバレッジを開始し目標株価79ドルを設定したほか、ラッセル1000指数への採用、スペインのNostrum Group買収完了(AIデータセンター向け電力約490MW確保)も好感された。
  • Quantinuum Inc. (QNT): +11.55% — 2026年6月のIPO以降値動きの荒い展開が続く量子コンピューティング銘柄。アナリスト12人が「買い」推奨で強気コンセンサスを維持しており、CHIPS法による1億ドルの助成やJPモルガン・チェース、BMW、アムジェンといった大手企業を顧客に持つ点が引き続き評価され、VIX低下によるリスクオン地合いの中で資金流入が続いた。
  • Credo Technology Group Holding Ltd (CRDO): +9.77% — AIデータセンター向け高速接続半導体を手掛ける同社に対し、Evercore ISIが「アウトパフォーム」で新規カバレッジを開始(目標株価325ドル)、Stifelが目標株価を250ドルから350ドルに、BofAが252ドルから340ドルにそれぞれ引き上げるなど、アナリストによる強気目標株価の引き上げが相次いだ。
  • Pershing Square Inc. (PS): +9.13% — IPO以来初となる四半期配当(1株当たり0.122ドル、7月21日支払い)の実施を発表。あわせてビル・アックマンCEOとライアン・イスラエルCIOが決算発表後にX Spacesで質疑応答を行うなど、投資家向け情報開示の拡充を打ち出したことが好感された。
  • Bloom Energy Corporation (BE): +8.92% — ブルックフィールドとの戦略的提携拡大を発表し、AI電力プロジェクト向けの資金枠を50億ドルから250億ドル(ブルックフィールドの1000億ドル規模AIインフラファンドの一部)に拡大したことが材料視された。Evercore ISIとUBSがそれぞれ目標株価を350ドルに引き上げ「買い」を継続した。

【値下がり銘柄】

  • Solstice Advanced Materials, Inc. (SOLS): -15.14% — 特殊化学品のElement Solutionsを現金・株式交換で総額約145億ドル(負債引き受け含む)で買収する最終合意を発表。Element Solutions株主に1株当たり現金10ドルとSOLS株0.500株を割り当てる株式対価部分が既存株主の希薄化懸念につながり、売りを誘発した。
  • UL Solutions Inc. (ULS): -7.96% — 主要株主であるUL Standards & Engagementが保有するクラスA普通株1,250万株の売り出し(セカンダリーオファリング)を発表。会社自身は新株を発行せず調達資金も得ないが、市場に流通する株式数の増加見通しが需給悪化懸念を招いた。
  • Rocket Lab Corporation (RKLB): -7.34% — 6月29日に発表したイリジウム・コミュニケーションズ買収(取引総額約80億ドル、対象株主に現金27ドルとロケット・ラボ株を割当、36億ドルのブリッジファイナンス手当て)を巡り、資金調達に伴う希薄化や統合リスクへの警戒感が強まり売られた。AST SpaceMobile安、インテュイティブ・マシーンズ安など宇宙関連株全般が軟調だった。
  • O'Reilly Automotive, Inc. (ORLY): -6.66% — ブルームバーグ報道により、同社がジェニュイン・パーツの自動車部品事業に対し総額約100億ドルの現金買収案を提示していることが判明。2008年以来最大規模となる買収観測に対し、取引実行リスクやプレミアム負担への懸念から売りが優勢となった一方、買収対象となるジェニュイン・パーツ株は約13%上昇した。
  • AutoZone, Inc. (AZO): -6.38% — 発表した第3四半期決算で売上高が市場予想を下回ったことが嫌気された。売上高は前年比8.4%増、EPSは7.7%増と増収増益を確保したものの、DAデビッドソン、トゥルイスト、みずほなど複数のアナリストが目標株価を引き下げた。会社側は15億ドルの追加自社株買いを承認し株主還元姿勢を示したが、株価の下落を止めるには至らなかった。

為替・金利動向

ドル円相場は7月6日、対円で0.36%程度ドル高が進み161.95円前後で推移した。米長期金利は、7月2日発表の6月雇用統計の下振れを受けて低下した水準からのスタートとなり、10年債利回りは週初来4.4%台後半(直近では4.46〜4.48%程度)で推移した。雇用の減速を背景にFRBが当面利上げを見送るとの観測が金利低下・ドル需給の下支えとなった一方、株式市場では同じ雇用統計の弱さが「悪い材料が良い材料」と受け止められ、リスク資産への資金流入を後押しした。

今後の注目点

週内は7月8日(水)に、ケビン・ウォーシュ新議長の下で行われた前回FOMC会合の議事要旨が公表される予定で、前回会合ではFF金利を3.50〜3.75%のレンジで据え置きつつも、年内少なくとも1回の利上げを見込む当局者が9人に上るなどタカ派的な内容だったとされ、その詳細が注目される。来週7月14日(火)には7月29日のFOMC会合前最後の重要インフレ指標となる6月CPIが発表されるほか、同日にはJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが決算を発表し、本格的な第2四半期決算シーズンが幕を開ける。さらに7月29日のFOMC結果公表の翌日、7月30日には4-6月期GDP速報値と6月のPCE(個人消費支出)物価指数の発表も控えており、金融政策の先行きを見極める材料が続く見通し。