10日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比813.88円(+1.20%)高の68557.73円で取引を終えた。前日9日の米国市場では、米国とイランを巡る軍事的緊張への過度な警戒が和らいだことを受けS&P500が反発し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%超上昇、ソフトバンクグループ傘下の英アーム・ホールディングスが9%高となるなど半導体株が急伸した。これを受けて東京市場でもAI・半導体関連株を中心に買いが先行し、寄り付き後は上げ幅を拡大する場面もあった。ただし午後にかけてはETFの換金売りが重荷となり、上げ幅をやや縮める展開となった。TOPIXは4036.08(+0.39%)、東証グロース市場250指数は718.88(+0.47%)とそれぞれ上昇して終えた。
日経平均反発、AI・半導体株が牽引し1.2%高
10日の東京株式市場は前日の米ハイテク株高を受けAI・半導体関連株が急伸し、日経平均は68557.73円(+1.20%)で終値。TOPIX・グロース250も上昇。SUMCOやソフトバンクグループが急騰する一方、スギHDやツルハHDなど内需株には売りが出た。
市場概況
セクター動向
米半導体株高を受け、国内でもシリコンウエハーのSUMCOや半導体製造装置関連のタツモなど、AI・半導体サプライチェーン関連銘柄に資金が集中した。米マイクロン・テクノロジーが米工場への投資計画を拡大したと伝わったほか、メタ・プラットフォームズが9月からAIチップ生産を開始する計画が報じられたことも追い風となった。値がさのハイテク・投資会社株であるソフトバンクグループも大幅高となり指数を押し上げた。一方で、内需系のドラッグストア・小売セクターには軟調な動きが目立ち、スギホールディングスやツルハホールディングスに売りが出たほか、地方銀行株にも東和銀行を中心に弱含みが見られた。値がさ株物色の裏で内需・ディフェンシブ銘柄からの資金シフトがうかがえる相場だった。
注目銘柄
- SUMCO (3436): +15.40% — 米マイクロン・テクノロジーが米工場への投資計画を200億ドルから250億ドルに拡大すると発表したほか、メタ・プラットフォームズが9月にAIチップ生産を開始すると伝わったことで、半導体シリコンウエハー需給の引き締まり期待が高まりストップ高となった。
- アトラエ (6194): +12.59% — 個別の材料開示は確認できないが、同社は人材採用プラットフォーム「Green」やエンゲージメント可視化サービス「Wevox」を展開する人材テック企業で、8月12日に決算発表を控える中、雇用市場の底堅さや生成AI活用の人材マッチング需要への期待を背景に、値がさのグロース・中小型株として個人投資家の物色が集中したとみられる。
- JPMC (3276): +11.84% — 明確な当日材料は確認できないが、同社は賃貸マンションのサブリース事業を主力とする不動産関連企業で、直近四半期は管理戸数拡大や収益性改善により増収増益基調にある。日経平均急伸による地合い改善を受け、材料の乏しい中小型の不動産関連株に短期資金が向かったと考えられる。
- SBG (9984): +10.65% — 前日9日の米国市場で傘下の英アーム・ホールディングスが9%高となったほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%超上昇。マイクロンの増産投資やメタのAIチップ生産開始観測など複数の好材料が重なり、AI関連の中核保有銘柄として資金が流入した。
- タツモ (6266): +10.62% — 生成AIインフラ向け先端パッケージング分野で強みを持つ半導体製造装置メーカーで、HBMなど先端AI半導体向けの一時貼付・剥離(テンポラリーボンディング/デボンディング)装置で高い競争力を持つ。米大手証券が6月末に目標株価を4000円から5500円に引き上げ「買い」を継続したことも支援材料となり、AI半導体関連の物色の流れに乗って買いが継続した。
為替・金利動向
10日の東京外国為替市場でドル円は円高が優勢な展開となった。前日までの中東情勢の緊迫化を受けた円安が一服し、アジア時間には片山さつき財務相がGPIFなど年金基金による国内金融資産への投資拡大を後押しする趣旨の発言をしたことも円買い材料となり、ドル円は一時161円台まで下落した。その後は162円台からの下げをやや戻したものの戻りは鈍く、161円台半ばでの推移となった。米長期金利(10年債利回り)の低下も、日米金利差縮小観測を通じて円の上値抑制要因となった。株探データではUSD/JPYの確定値は取得できていない。
今晩の米国市場の注目点
前日9日のS&P500は、米国によるイラン攻撃を巡る過度な警戒感が後退したことを受けて反発し、原油先物価格の下落によるインフレ懸念の後退や米国債利回りの低下が幅広い銘柄への資金流入を支えた。今晩の米国市場では、この中東情勢と原油相場の動向が引き続き最大の注目材料となるほか、寄り付き前に発表される新規失業保険申請件数や6月の中古住宅販売件数など雇用・住宅関連指標が注目される。労働市場の減速を示す内容となれば、利下げ観測の高まりが株式相場の支援材料となる可能性がある。企業決算では寄り前にペプシコの発表が予定されている。
