Market Pulse
note

個別銘柄の決算分析はnoteで公開中

米国市場8/7 07:02 JST 時点のデータ

決算相次ぎ乱高下、S&P500・ダウ続落

2026年8月6日の米国株は決算発表を受けた個別株の急変動が相次ぎ、S&P500とダウが続落。ハネウェル・エアロスペースやAppLovin、HubSpot、Datadogが決算後に急落する一方、InsmedやSiTime、Paycomは好決算で急伸するなど、明暗が分かれた一日となった。

S&P 500
7,709.96
-0.18%
NYダウ
53,885.10
-0.85%
NASDAQ
26,348.35
-0.06%
VIX
15.15
-4.17%

市場概況

2026年8月6日の米国株式市場は続落。S&P500は前日比0.18%安の7709.96、ダウ工業株30種平均は0.85%安の53885.10(約464ドル安)、ナスダック総合は0.06%安の26348.35で取引を終えた。VIX指数は4.17%低下し15.15と、指数の下落幅に比して市場全体のパニック感は限定的だった。決算シーズンが本格化する中、個別企業の決算内容を受けた株価の急変動が指数全体の値動きを左右した一日となった。ダウの下げが相対的に大きかったのは、6月に新規上場したハネウェル・エアロスペースが通期見通しの下方修正を受けて急落したことなどが影響した。市場ではイラン・オマン間でホルムズ海峡を巡る合意が進展したとの報道が原油価格や地政学リスクへの警戒感を和らげた一方、週末に控える雇用統計を前に投資家は様子見姿勢も見せた。

セクター動向

セクター別では明暗が分かれた。SaaS・ソフトウエア関連は決算内容が市場予想を上回ったにもかかわらず、HubSpot、Datadog、Figma、AppLovinがそろって2桁パーセントの急落となり、増収増益でも将来の成長鈍化懸念やAI投資によるコスト増が嫌気される「ハイバー(高いハードル)」相場の様相を見せた。一方、半導体・アナログ関連ではAI関連データセンター向け需要の拡大を追い風にSiTimeが決算を受けて急伸し、バイオ医薬品セクターでもInsmedが好決算とパイプライン進捗を材料に大幅高となった。人事給与ソフトのPaycomや防衛IT関連のCACIも決算を材料に買われる場面があり、フィンテックのChime Financialも決算とガイダンス引き上げで上昇した。航空宇宙・産業機械セクターはハネウェル・エアロスペースの見通し下方修正が重荷となり、セクター全体に警戒感が広がった。

注目銘柄

  • Insmed Incorporated (INSM): +33.86% — 第2四半期決算で1株損失が予想を大幅に上回る改善となり、売上高も市場予想を上回った。主力薬BRINSUPRIの通期売上高ガイダンスを従来の10億ドル以上から12.5億〜14億ドルに引き上げたほか、肺高血圧症治療薬TPIPの良好な12カ月データも好感され、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。
  • Paycom Software, Inc. (PAYC): +23.55% — 第2四半期の売上高・調整後EPSがともに市場予想を上回り、通期の売上高・調整後EBITDAガイダンスも上方修正した。アナリストからも目標株価引き上げが相次ぎ、決算を受けた買いが優勢となった。
  • Honeywell Aerospace Inc. (HONA): -23.16% — 6月にハネウェル・インターナショナルから独立上場して初めての決算発表で、調整後EPSが前年比32%減と市場予想に届かず、サプライヤー側の供給不足を理由に2026年通期の有機的売上高成長率見通しを従来の7〜9%から4〜5%に下方修正したことが嫌気された。出来高も急増し、時価総額で約135億ドルが失われたとの試算も出ている。
  • AppLovin Corporation (APP): -19.64% — 第2四半期のEPSは市場予想を上回ったものの、売上高が予想未達となり、主力のゲーム広告事業でAIモデル改善ペースの鈍化が響いたと説明。第3四半期の売上高ガイダンスも市場予想を下回り、新規株式公開以来初めて自社ガイダンス中央値を割り込む決算となったことが失望売りを誘った。
  • Datadog, Inc. (DDOG): -19.03% — 売上高が前年比36%増、EPSも市場予想を上回り通期ガイダンスも引き上げる好内容だったが、フリーキャッシュフロー・マージンの縮小(29%→25%)や、主要AI顧客が下期の利用鈍化を示唆したことが嫌気され、直近1年で株価が2倍以上に上昇していた反動もあって記録的な下落幅となった。

為替・金利動向

外国為替市場ではドル円が158.14円前後で推移し、前日比0.25%程度のドル高円安となった。米10年国債利回りはこの日4.67%前後まで上昇し、前日比で約0.06ポイントの上昇となった。イラン・オマン間でのホルムズ海峡を巡る合意報道を受けて地政学リスク・原油高懸念が和らいだ一方、週末の雇用統計発表を控えて長期金利には上昇圧力がかかった。ドル指数は99.9台で推移しており、決算を巡る個別株の乱高下とは対照的に為替・金利市場は比較的落ち着いた値動きとなった。

今後の注目点

市場の最大の焦点は翌8月7日に発表される7月の米雇用統計(非農業部門雇用者数)で、労働市場の減速度合いが今後のFRBの利下げペースを左右するとみられている。その後は8月12日に7月の消費者物価指数(CPI)、8月13日に卸売物価指数(PPI)とNFIB中小企業楽観指数、8月15日には週次新規失業保険申請件数や小売売上高、フィラデルフィア連銀製造業指数、鉱工業生産などが控える。決算シーズンも終盤に入るが、引き続き個別企業のガイダンス内容次第で株価が大きく振れる展開が予想され、投資家は増収増益でも将来見通しに敏感な相場地合いが続くか注視している。