8月7日の東京株式市場で日経平均株価は前日比76.55円安の65606.71円で取引を終え、小幅ながら続落した。朝方はソフトバンクグループが前日6日に発表した決算が市場の期待に届かなかったことを嫌気して売られ、AI・半導体関連株が総じて軟調となり、日経平均は一時1000円超下落する場面があった。しかし後場に入ると押し目買いが強まり、藤倉が好決算を発表して急伸したことも支えとなり、下げ幅を縮小して終えた。一方でTOPIXは前日比+0.47%の4074.93、グロース250指数も+0.44%の724.09と、値がさの半導体関連株の重い日経平均とは対照的に底堅く推移した。東証プライム市場の売買代金は約10兆8960億円、売買高は約28億7600万株だった。
日経小幅続落、AI・半導体軟調も下げ渋る
日経平均は前日比76円安の65606.71円と小幅続落。ソフトバンクGの決算不発でAI・半導体株が朝方軟調となり一時1000円超下落したが、後場に買い戻され下げ渋った。TOPIXは+0.47%と底堅く、業績上方修正のロート製薬や三菱マテリアルが急騰する一方、決算後のメイコーやエムスリーが急落した。
市場概況
セクター動向
ソフトバンクグループの決算を受けてAI・半導体関連セクターは朝方から軟調に推移し、日経平均の重荷となった。一方、非鉄・金属セクターは三菱マテリアルがタングステンや銅など金属価格の上昇と円安を背景に通期純利益予想を大幅上方修正したことで急騰し、関連の資源・素材株にも物色が波及した。医薬品セクターではロート製薬が通期経常益の上方修正を発表して急伸するなど、個別の決算・業績修正を材料にした物色が目立った。半面、決算発表を受けたメイコーやエムスリー、富士フイルムホールディングス、KLabなどは市場の期待に届かず、あるいは第1四半期の減益を嫌気されて急落しており、決算発表が本格化する中で個別材料による明暗が分かれる展開となった。
注目銘柄
- ロート製薬 (4527): +21.16% — 前日6日の取引終了後に27年3月期通期の連結業績予想を上方修正。営業利益を438億円から450億円(前期比9.4%増)、売上高を3695億円から3723億円(同8.3%増)に引き上げた。想定為替レートを1ドル155円から158円に見直したことに加え、日本・アジア・欧州事業が好調に推移。豪州子会社がウェルネックス・ライフ・リミテッドから外用鎮痛剤ブランド「ペインアウェイ」の事業を譲り受けると発表したことも好感され、年初来高値を更新した。
- 三菱マテリアル (5711): +15.71% — 6日発表の1Q(4-6月期)決算で通期の経常利益予想を730億円から1800億円(2.5倍、19期ぶり最高益)、純利益予想を490億円から1400億円(2.9倍)に大幅上方修正。タングステンや銅など金属価格の上昇と円安進行が主因で、思惑買いを誘いストップ高比例配分となる場面もあった。
- メイコー (6787): -21.02% — 6日発表の25年3月期決算は売上高2405.74億円(前期比16.3%増)、営業利益245.72億円(同28.8%増)と過去最高益だったが、車載・情報通信向け基板の好調がすでに株価に織り込まれていたとみられ、決算発表後に材料出尽くし感から急落した。
- エムスリー (2413): -16.89% — 6日発表の25年3月期決算は売上収益3513.63億円(前期比23.3%増)、営業利益735.47億円(同16.8%増)と大幅増収増益で27年3月期も増収増益見通しだったが、市場の高い期待水準に届かなかったとの見方から決算発表直後に急落した。
- 富士フイルムホールディングス (4901): -16.55% — 6日発表の27年3月期第1四半期(4-6月)は連結税引き前利益が前年同期比27.6%減の521億円となり、売上高営業利益率も10.0%から6.2%に低下。通期計画は増収増益を据え置いたものの、第1四半期の急激な収益悪化が嫌気され急落した。
為替・金利動向
外国為替市場でドル円は円安が進行し、東京時間午前には1ドル=158円53銭前後まで上昇する場面があった。ホルムズ海峡の管理を巡る問題で中東情勢への警戒感が再燃したことがドル高・円安要因となった。その後は158円20銭台までやや軟化し、日本時間21時30分発表予定の米7月雇用統計を控えて積極的な売買は手控えられた。
今晩の米国市場の注目点
日本時間8月7日21時30分に米7月分の雇用統計が発表される。市場予想は非農業部門雇用者数が前月比+8.0万人、失業率4.2%、平均時給が前月比+0.3%となっており、米労働市場の減速度合いが今後の金融政策見通しを左右するとして注目度が高い。前日6日にはソフトバンクグループの決算が市場の期待に届かず米国のAI・半導体関連株にも波及したため、雇用統計の結果次第でAI関連銘柄を中心に米国株の値動きが大きくなる可能性がある。
