8月10日の米国株式市場は主要3指数がそろって小幅に下落した。S&P500は7753.11(-0.06%)、ダウ工業株30種平均は53975.98(-0.11%)、ナスダック総合指数は26605.36(-0.32%)で取引を終えた。イラン情勢を巡る不透明感から原油価格が上昇(WTI原油先物は+0.83%の1バレル78.83ドル、ブレント原油先物は+1.04%の84.42ドル)し、インフレ再燃への警戒からリスク回避姿勢が強まった。加えて、NvidiaがApollo GlobalおよびBlackstoneと5000億ドル規模のAIインフラ向け資金調達パッケージ組成に向けて協議しているとの報道を受けて同社株が約3%下落し、AI関連企業の設備投資負担増への懸念がハイテク・半導体株全般の重荷となった。VIX(恐怖指数)は15.46(前日比+3.76%)に上昇し、投資家のリスク回避姿勢が強まったことを示した。
米株小幅安、原油高とAI設備投資懸念で反落
8月10日の米国株式市場は3指数そろって小幅安。中東情勢を巡る懸念から原油価格が上昇しインフレ懸念が再燃したほか、NvidiaがApollo・Blackstoneと5000億ドル規模のAIインフラ資金調達を協議していると報じられ、AI関連の設備投資負担への懸念からハイテク株が売られた。VIXは15.46(+3.76%)に上昇しリスク回避姿勢が強まった。
市場概況
セクター動向
セクター別では、原油価格の上昇を追い風にエネルギーセクターが全セクター中で最も高いパフォーマンスとなった一方、テクノロジーセクターと不動産セクターの下落が目立った。半導体関連はNvidiaの下落に加え、決算発表を控えたAI光学部品関連銘柄(コヒレント、ルミナムム・ホールディングス)で決算前のポジション調整に伴う利益確定売りが膨らみ、セクター全体の重荷となった。エネルギー株の中では、APAコーポレーションなど石油・ガス開発企業が原油高と好決算を材料に買われた。
注目銘柄
- Datadog, Inc. (DDOG): +11.48% — 第2四半期決算で売上高が前年比約36%増と市場予想を上回り、EPSも予想超過。営業・フリーキャッシュフローもAI関連ワークロードの伸びを背景に堅調だった。最大顧客とされるOpenAIの利用縮小を巡る懸念から前週急落していた反動もあり、Citi、Morgan Stanley、Baird、Needham、BMO、Cantor Fitzgeraldなど複数の証券会社が目標株価を280~327ドル程度に引き上げたことも支援材料となった。
- Figma, Inc. (FIG): +9.02% — 8月5日発表の第2四半期決算で売上高が前年比48%増の3.70億ドルとなり、AIクレジットの収益化と顧客基盤拡大が寄与。粗利益率は85%に改善、純収益維持率(NRR)も136%と高水準を維持した。決算後、CitiやRBCキャピタルなど複数のアナリストが目標株価を引き上げ、直近安値からの戻りを続けた。
- APA Corporation (APA): +9.01% — 第2四半期決算で調整後EPSが1.89ドルと市場予想を上回った(売上高は24.0億ドルとやや未達)。原油生産ガイダンスを引き上げたほか、コスト削減目標も拡大し、フリーキャッシュフローの60%以上を株主還元に充てる方針を表明。同日の原油価格上昇も追い風となった。
- Coherent Corp. (COHR): -14.24% — 前週にかけて週間+44.22%、年初来+105.41%と急騰していたAI光学関連株で、12日発表予定の第4四半期決算を控えた利益確定売りとポジション調整が主因。直接的な悪材料は確認されておらず、バリュエーションの高さを警戒した持ち高整理との見方が優勢。週末にソーシャルメディア上で「AI光学部品 対 メモリ」を巡る強気・弱気論争が活発化したことも短期的な変動要因とされた。
- Lumentum Holdings Inc. (LITE): -8.61% — 8月11日(翌日)に予定される第4四半期決算発表を控え、コヒレントと同様にAI光学関連株への利益確定売りが強まった。パラボリックな上昇を続けてきた反動としての持ち高調整が主因で、個別の悪材料は確認されていない。
為替・金利動向
米ドルは主要通貨に対して約2カ月ぶりの安値圏で推移した。米10年国債利回りは4.65%と前日から横ばいで推移し、直近1カ月では0.03ポイント上昇、前年同時期比では0.36ポイント高い水準にある。原油高によるインフレ再燃懸念が金利・為替市場にも意識される展開となった。
今後の注目点
AI光学関連ではルミナムム・ホールディングスが8月11日、コヒレントが8月12日にそれぞれ決算発表を控えており、AI関連設備投資の需要動向を占う材料として注目される。また、イラン情勢を巡る米国との協議の進展が原油価格や市場のインフレ懸念に引き続き影響を与える可能性がある。Nvidiaが関与するとされる大型AIインフラ資金調達計画の詳細判明も、AI関連株全般のセンチメントを左右する要因として注視される。
