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米国市場8/13 07:02 JST 時点のデータ

CPI鈍化とAI決算好感、米国株は総じて上昇

2026年8月12日の米国市場は、7月CPIが市場予想並みで鈍化を確認したことに加え、AIインフラ関連企業の好決算が相次ぎナスダック総合が上昇。S&P500も小幅高となった一方、ダウ平均はほぼ横ばい。VIXは14.55まで大きく低下し市場の落ち着きを示した。個別ではAI・量子コンピューティング関連株が急伸する一方、原油安を受けたエネルギー株や決算後の反落銘柄が下落した。

S&P 500
7,748.50
+0.26%
NYダウ
53,770.27
-0.04%
NASDAQ
26,588.49
+0.54%
VIX
14.55
-4.78%

市場概況

2026年8月12日の米国株式市場はまちまちの中でもハイテク主導の上昇となった。S&P500は7748.5(前日比+0.26%)、ナスダック総合は26588.49(同+0.54%)と続伸した一方、ダウ工業株30種は53770.27(同-0.04%)とほぼ横ばいで終えた。この日は7月消費者物価指数(CPI)の発表が注目材料となり、インフレの鈍化が確認されたことで9月のFOMCでの利下げ観測が維持され、投資家心理を下支えした。加えてCoreWeave、Super Micro Computer、Lumentum Holdingsなど主要AIインフラ関連企業の決算が軒並み市場予想を上回り、ナスダックの上昇を牽引した。VIX(恐怖指数)は14.55(前日比-4.78%)と大きく低下し、市場全体のボラティリティは落ち着いた状態にあった。

セクター動向

AIインフラ関連セクターが市場をけん引した一日となった。クラウドコンピューティング・データセンター関連ではNebius GroupやCoreWeave、Super Micro Computerが好決算とAI需要拡大を背景に急伸し、光通信部品のLumentum Holdingsも旺盛なAI向け光学部品需要を追い風に大幅高となった。量子コンピューティング分野でもQuantinuumがOracleとの提携発表と決算好感で急騰し、新興テーマ株への資金流入が目立った。一方でエネルギーセクターは軟調で、原油価格の下落を受けてパーミアン盆地に権益を持つTexas Pacific Landが下落した。ヘルスケア流通のCencoraは決算自体は増収増益だったものの利益確定売りに押され、太陽光発電のFirst Solarも直近の急伸からの反動安となった。中南米EC最大手のMercadoLibreは決算後の採算悪化懸念が尾を引き続落した。

注目銘柄

  • Nebius Group N.V. (NBIS): +34.14% — Q2決算で売上高が前年比454%増と急拡大、通期の契約電力目標を5GWに引き上げたほか、Reflection AIとの10億ドル超の複数年AIコンピューティング契約を発表し、AIクラウド需要の強さを好感した買いが集中した。
  • Quantinuum Inc. (QNT): +27.97% — Q2売上高が前年比279%増と予想を上回り、通期売上ガイダンスも市場予想を上回る水準に引き上げ。前日にはOracle Cloud Infrastructureとの量子コンピューティング分野での複数年戦略提携を発表しており、アナリストの強気評価が相次いだ。
  • CoreWeave, Inc. (CRWV): +19.78% — Q2決算で売上高25.8億ドル(予想25.6億ドル)、調整後EPSの損失幅も予想より縮小。契約残高(バックログ)が約1040億ドルに拡大したことがAI需要の底堅さを示すとして好感された。
  • Super Micro Computer, Inc. (SMCI): +19.02% — 2027会計年度の通期売上高ガイダンスを650億~720億ドルとアナリスト予想(約525億ドル)から大幅に引き上げ、粗利益率も市場予想の2倍近くに達したことが評価された。
  • Lumentum Holdings Inc. (LITE): +13.63% — 第4四半期決算で売上高が前年比109%増の約10.1億ドル、調整後EPSも市場予想を上回った。AIインフラ向け光学部品需要の拡大を背景とした強い通期ガイダンスが買いを誘った。
  • Bending Spoons S.p.A. (BSP): -8.35% — 翌8月13日に予定されるQ2決算発表を控え、ポジション調整と警戒感から売りが優勢となった。
  • Texas Pacific Land Corporation (TPL): -6.08% — 原油価格の下落を背景にエネルギー関連株全般に売りが波及。同社はパーミアン盆地に広大な土地・鉱業権を保有し原油・ガス価格に連動したロイヤルティ収入に依存するため、原油安が直接的な逆風となった。
  • Cencora, Inc. (COR): -5.90% — Q3決算は売上高5%増の848億ドル、調整後EPSも12%増の4.48ドルと市場予想を上回り通期ガイダンスも据え置いたが、医薬品卸売事業における数量シフトなどへの懸念が意識され利益確定売りが優勢となった。
  • First Solar, Inc. (FSLR): -5.87% — ポリシリコンへの15%関税決定を受け直近1週間で+18%超上昇していた反動に加え、同社を巡る証券訴訟の報道が重しとなり利益確定売りが出た。
  • MercadoLibre, Inc. (MELI): -5.76% — 8月5日発表のQ2決算では増収増益・過去最高収益を記録したものの、営業利益率が前年比5.5ポイント低下し純利益が11%減少したことへの懸念が続落を招いた。無料配送策やクレジット事業拡大への先行投資による採算悪化が投資家に嫌気された。

為替・金利動向

外国為替市場ではドル円が159.34円(前日比+0.03%)とほぼ横ばいで推移した。円は直近1カ月では対ドルで1.90%上昇しているものの、過去1年では8.31%下落しており、なお円安基調が続いている。米10年国債利回りは4.68%前後とおおむね横ばいで推移し、前日に一時4.71%超まで上昇していた水準からは低下した。この日発表された7月CPIが市場予想に沿う内容(市場予想は前月比+0.1%、前年比+3.4%、コア指数は前月比+0.2%、前年比+2.5%)となったことで、インフレの過度な加速懸念が後退し、9月FOMCでの利下げ観測が維持されたことが金利の落ち着きにつながった。

今後の注目点

8月13日には7月生産者物価指数(PPI)が発表されるほか、多数の企業決算(同日は約289件の決算発表が予定)が控えている。Bending Spoonsも同日にQ2決算を発表予定で、株価動向が注目される。週後半の8月14日にはミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が公表されるほか、直近では7月小売売上高の発表も予定されており、インフレ動向とあわせて9月FOMCでの金融政策判断を占う材料として市場の関心を集めそうだ。AIインフラ関連企業の決算ラッシュも続いており、関連銘柄のボラティリティに引き続き注意が必要となる。