5月11日の東京市場は日経平均が前日比約295円安の62,417円で終了し、続落となった。前週5月7日に終値ベースの過去最高値62,833円を更新した後の調整局面で、前場から半導体・電子部品関連を中心に利益確定売りが先行。午前終値は226円安の62,486円まで売られ、後場にさらに下げ幅を広げた。一方でTOPIXは+0.30%と小幅反発し、日経平均との対照的な動きが目立った。グロース250指数は+1.73%と大幅高で、大型半導体株を避けた資金が中小型グロース株へ向かう構図となった。3月期本決算発表が相次ぎ、業績内容を材料にした個別物色が活況を呈した。
日経平均続落、半導体利食い重く グロース250は堅調
5月11日の東京株式市場は、前週5月7日に62,833円と史上最高値を更新した日経平均が続落し、62,417円(前日比約-0.47%、約295円安)で引けた。半導体関連に利益確定売りが膨らみ日経平均を圧迫した一方、TOPIXは小幅高、グロース250は1.73%高と中小型・グロース株への資金シフトが鮮明。3月期本決算が本格化し、好業績銘柄への個別物色が一段と活発化した。
市場概況
セクター動向
半導体・電子部品セクターは、前週のSOX指数連日最高値更新の恩恵を受けた後だけに利益確定売りが集中し、アドバンテストなど主力銘柄が下げをけん引した。精密機器・機械セクターでは日本トムソンが決算サプライズで急騰し、リニアモーション関連の物色が目立った。情報・通信セクターはクレスコやFIGなどIT系企業が3月期決算を好感した買いを集め上昇。電機・機械は決算ごとに明暗が分かれた。医療データ・ヘルスケアセクターはJMDCの急落が業種全体の重しとなった。空気圧縮機・発電機(AIRMAN)は減益決算を嫌気した売りで大幅安。グロース市場全体ではAI・DX関連を中心に幅広く買い戻しが続いた。
注目銘柄
- 日本トムソン (6480): +24.39% — 2026年3月期連結決算で売上高630億円(前期比+15.9%)、営業利益41億円(前期比+249.6%)と大幅増収増益。半導体・電子機器向けリニアモーションガイドへの需要回復と大口設備投資案件が寄与した。同時に上限142万4,900株・16億円の自社株買いを発表し、業績サプライズに加え需給面の好材料も重なり急騰した。
- サンワテクノス (8137): +21.51% — 電子部品商社として2026年3月期決算で売上高1,050億円(前期比+2.6%)、営業利益23.4億円(同+6.7%)と増収増益。特に国内セグメントが8.4%増収と半導体・電子機器向け需要を着実に取り込み、通期予想も上方修正されていた好業績が改めて評価された。
- クレスコ (4674): +18.57% — 5月8日発表の2026年3月期決算で売上高646億円(前期比+10.1%)、営業利益66億円(同+10.4%)の増収増益。デジタルソリューション事業が全体を主導し、自己資本比率69.9%の財務安定性も評価材料となった。連休明け最初の本格取引日に好決算を確認した買いが集まった。
- JMDC (4483): -20.80% — 5月8日発表のQ3累計業績は売上高+23.2%・営業利益+37.1%と高成長を継続したものの、通期業績見通しが市場期待を下回ったとみられ、出尽くし売りが殺到しストップ安(S安)となった。医療健康ビッグデータ・遠隔診療分野の急成長期待で株価は高値圏に位置しており、わずかなガイダンスの失望が大きな下落率に直結した。
- AIRMAN (6364): -18.35% — 2026年3月期本決算で売上高は前期比+5.6%と増収を確保したが、純利益は前期比-5.6%の減益。ROEも低下傾向にあり株主資本効率の悪化が嫌気された。空気圧縮機・発電機メーカーとして建設・インフラ向け需要は堅調だが、コスト増が収益を圧迫しているとの懸念が売りを加速させた。
為替・金利動向
ドル円は156円台半ばで推移した。先週末に発表された米4月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったものの平均時給は弱含みと強弱まちまちの内容で、ドル円は一時156.80円近辺まで上昇後、米長期金利低下に伴うドル売りで156.43円台まで押し戻された。方向感を欠く展開が続いている。日本10年国債利回りは節目の2.5%を再び上回った。原油価格の上昇が国内物価の押し上げ要因となり、日銀による追加利上げ観測が高まったことが長期金利の上昇圧力につながっている。ユーロ円も高値圏での推移が続いた。
今晩の米国市場の注目点
先週末の米国市場ではインテル(INTC)とアップルの半導体製造に関する暫定合意報道を受けてナスダック100が約+2.43%上昇し、主要3指数が揃って最高値圏で引けた。本日の米国市場では4月中古住宅販売件数(米東部時間午後)が注目経済指標となる。また米財務長官が5月12日(火)に訪日し日本の首相・財務相と日米経済協力・為替動向について会談を予定しており、ドル円相場および日本株への影響が意識される。5月14日(木)に予定される米中首脳会談(北京)に向けた米中関係・貿易協議の行方も、引き続きリスクオンの鍵として注目される。
