5月12日の東京株式市場は、日経平均株価が62742.57円(前日比+0.52%)で取引を終え続伸した。TOPIXは3872.9(+0.83%)と日経平均を上回るペースで上昇し、大型・バリュー株主導の堅調な地合いとなった。一方、中小型グロース株が中心のグロース250指数は818.64(-2.85%)と下落し、大型株と小型グロース株の二極化が目立った。5月決算発表シーズンが最盛期を迎え、好業績・増配を発表した銘柄には集中的な買いが入った。原油価格の高止まりや米イラン情勢の不透明感が上値を抑える場面もあったが、半導体・AI関連需要の拡大期待が市場を下支えした。今晩に控える米4月CPI発表を意識し、後場は様子見ムードも広がった。
日経平均0.52%高、決算相場で個別株に大幅変動
5月12日の東京株式市場は日経平均が62742円で続伸。TOPIXは0.83%高と大型株が底堅く推移する一方、グロース250は2.85%安と二極化が鮮明となった。決算発表シーズン最盛期で、AI・半導体関連の好業績・増配銘柄に買いが集中。TOWAやJX金属など失望決算銘柄は大幅下落。今晩の米4月CPI発表を控え投資家心理はやや慎重。
市場概況
セクター動向
決算発表に連動した個別銘柄中心の動きが目立った。電子部品・半導体関連では、AI向け検査装置や産業機械での需要増を背景に大幅増益決算が相次ぎ、関連銘柄が急伸。電子部品商社セクターも大幅増配発表が材料となり物色された。医療・福祉・教育サービス分野では好決算を受けた急騰銘柄が出た。一方、半導体製造装置セクターではTOWA(6315)が期待を下回る決算でストップ安となり、セクター全体の重荷となった。非鉄金属・資源関連もJX金属(5016)が決算発表翌日に大幅下落した。全体的に大型株・高配当バリュー株に資金が集まり、中小型成長株からの資金移動が続いた模様。
注目銘柄
- FIG (4392): +70.92% — AI向け先端半導体検査工程の自動化装置開発が材料視された。半導体・AI関連への投資家期待が高まる中でストップ高となり、5月14日予定の決算発表への期待感も先買いを誘った。
- 日本トムソン (6480): +26.14% — 2026年3月期連結業績が売上高630.31億円(前期比+15.9%)、営業利益41.02億円(前期比+249.6%)と大幅増収増益を達成。半導体関連需要の増加と大口設備投資案件の寄与が評価され、急騰した。
- 丸文 (7537): +24.08% — 2026年3月期営業利益が従来計画70億円を上回る77.6億円(前期比15.2%減も計画超)で着地。同時に配当方針変更(配当性向40%→50%、DOE2.5%→3.5%へ引上げ)を発表し、2027年3月期配当を前期比27円増の77円に引き上げる計画を好感した買いが殺到、ストップ高買い気配となった。
- TOWA (6315): -20.74% — 2026年3月期連結決算で経常利益が前期比26.1%減となり、アナリストのコンセンサス予想を下回る失望決算。メモリ向け量産投資の後ろ倒しが響いた。2027年3月期は大幅増益予想(営業利益+48%)を示したものの、当期の利益急減を嫌気した売りが膨らみストップ安となった。
- JX金属 (5016): -16.75% — 5月11日に2026年3月期決算短信を発表し、翌12日に株価が大幅下落。直近四半期では大幅増益を達成したものの、通期業績見通しや銅市況の先行き不透明感、好材料の出尽くし感から大口の売りが膨らんだとみられる。
為替・金利動向
ドル円は前日に続きドル買い・円売りが優勢となり、1ドル157円台前半で推移した。米イラン和平協議の難航で原油先高観が根強く、リスク選好のドル買いが支えとなった。来日中のベッセント米財務長官が高市首相・片山財務相と会談し、為替に関する日米協議が市場から注目されたが、目立った発言は伝わっていない。ユーロ円も円安基調を維持した。日本10年国債利回りは米国金利動向を横目に推移。今晩の米4月CPI結果がFRB政策見通しを通じて円相場・国債利回り双方に大きな影響を与える可能性があり、結果待ちの模様見が続いた。
今晩の米国市場の注目点
日本時間5月12日夜(現地5月12日)に発表される米4月消費者物価指数(CPI)が最大の注目点。コアCPIは前月比0.9%→0.6%への鈍化が市場予想となっており、インフレ減速が確認されればFRBの利下げ期待が高まり、ドル安・株高の動きになる可能性がある。一方で予想を上回れば利下げ観測の後退からドル高・長期金利上昇リスクに注意が必要。前日5月11日の米S&P500は7412.84(+0.19%)と小幅続伸で終えており、イラン情勢の不透明感とハイテク株買いが綱引きを演じている。CPI発表後の動向が5月13日の東京市場の方向性を大きく左右する見込みで、特にドル円・日本株先物への影響が注目される。
