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米国市場5/15 07:03 JST 時点のデータ

主要3指数が最高値更新、CiscoのAI受注急増が追い風

5月14日の米株式市場はS&P500が7,501(+0.77%)と最高値を更新。Cisco Systemsが第3四半期決算でAI受注残90億ドルを達成し13%超急騰、AIチップメーカーCerebras SystemsのNASDAQ上場初日が68%高と好発進。米中会合を背景にリスクオンの地合いが続き、3月下旬以来の上昇局面を維持した。

S&P 500
7,501.24
+0.77%
NYダウ
50,063.46
+0.75%
NASDAQ
26,635.22
+0.88%
VIX
17.26
-3.41%

市場概況

5月14日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇し、S&P500と主要指数が最高値を更新した。S&P500は0.77%高の7,501.24、ダウ平均は0.75%高の50,063.46と心理的節目の5万ドルを回復し、NASDAQ総合は0.88%高の26,635.22と堅調に推移した。恐怖指数(VIX)は3.41%低下の17.26と落ち着いた水準を維持した。

最大の押し上げ要因はCisco Systemsの好決算で、2026年度第3四半期のAIインフラ向けハイパースケーラー受注残が50億ドルから90億ドルへと急拡大したことが材料視された。また、米中首脳・閣僚レベルの会合を受けた地政学的緊張の緩和がリスクオン地合いを醸成した。AIチップメーカーCerebras Systemsは185ドルのIPO価格に対してNASDAQに上場初日68%高で取引を終え、55億5,000万ドルを調達する2026年最大のIPOとなった。市場は3月下旬以来、約13%の急上昇局面を継続しており、これは2020年4月以来の最大の上昇ペースとなっている。

セクター動向

テクノロジーセクターはCiscoの決算サプライズを受けて力強く上昇し、6社のアナリストが同社の目標株価を一斉に引き上げた。AI関連インフラ銘柄全体に買いが波及し、セクター全体で1.4%超の上昇となった。

宇宙・衛星通信セクターも堅調で、AST SpaceMobileがFCCの商用サービス認可とAT&T・T-Mobile・Verizonとの合弁構想を材料に急騰した。運輸・物流セクターでは、配当発表と貨物市況の底打ち期待からKnight-Swiftが急伸し、トラック運送業界の景気回復サイクル入りへの期待を高めた。

一方、半導体セクターは二極化の様相を呈した。Ciscoが牽引する形でAI向け半導体は物色されたが、スマートフォン向けのQualcommは見通し下方修正と相次ぐアナリスト格下げを受けて下落した。暗号資産関連では、米上院委員会が暗号資産市場構造法案「クリアリティ法」を可決したことを受け、Coinbaseが9%上昇した。ヘルスケアセクターではBiogenがアルツハイマー病の第2相試験で主要評価項目を達成できず売られた。

注目銘柄

  • Knight-Swift Transportation (KNX): +13.82% — 四半期配当0.20ドル/株の新規宣言が発表されたことが直接の材料となった。加えて、貨物市況の底打ちと回復サイクル入りへの期待が高まる中、トラック運送業界全体の業況改善見通しが投資家心理を好転させ、幅広い買いが集まった。
  • Cisco Systems (CSCO): +13.42% — 2026年度第3四半期決算でEPS1.06ドル(予想1.04ドル超過)、売上高158.4億ドル(前年比+12%)を達成。AIハイパースケーラー向け受注残が年間90億ドルへと前年比倍増し、2027年度には少なくとも60億ドルのAI関連売上高を目指す方針を示した。第4四半期ガイダンスも市場予想を上回り、決算発表翌日にJPモルガンを含む6社のアナリストが目標株価を引き上げた。
  • AST SpaceMobile (ASTS): +10.88% — Roth CapitalがBuy格付けで目標株価を82.50ドルから108ドルへ大幅に引き上げた。AT&T・T-Mobile・Verizonの大手3社との合弁構想が浮上し、FCC認可を受けた直接通信型衛星サービス(最大248基)の商用展開加速への期待が高まった。BlueBird衛星8〜10号機の6月中旬打ち上げと11〜33号機の量産体制も材料視された。
  • Biogen (BIIB): -6.43% — アルツハイマー病治療薬候補「ジラネルセン(BIIB080)」の第2相試験が主要評価項目(76週時点のCDR-SBの変化量における用量反応)を達成できなかったことを発表。タウタンパク質の低減やPETスキャンでの病理改善といった事前規定のサブ解析では肯定的なデータが得られたものの、市場は主要評価項目未達を嫌気して売りが優勢となった。同日、アペラリス製薬の買収完了も発表された。
  • QUALCOMM (QCOM): -6.21% — 第3四半期ガイダンスとしてEPS2.10〜2.30ドル(市場予想2.43ドル)、売上高92〜100億ドル(予想101.8億ドル)を提示したことへの失望売りが継続。スマートフォン出荷台数が2026年に低二桁台の減少となる見通しも重なった。JPモルガンがOverweightからNeutralへ格下げ(目標株価185→140ドル)、BNPパリバも同様にNeutralへ格下げしたことで売り圧力が増した。

為替・金利動向

5月14日のドル円相場は1ドル=157.91円付近で推移し、前日比ほぼ横ばい(+0.03%)となった。米10年国債利回りは4.45%(前日比-0.02%ポイント)と小幅に低下し、株式市場の上昇を側面から支えた。一方、日本の10年国債利回りは2.64%(前日比+0.04%ポイント)まで上昇し、1997年以来の高水準圏を推移している。日銀の追加利上げ観測が根強いことを反映した動きとなっている。日米の金利差は約1.81%ポイントまで縮小傾向にあり、中期的なドル安・円高方向への下押し圧力となっている。米中会合を背景にドルインデックスは小幅な動きにとどまり、全体的にリスクオン地合いの中でも為替市場は比較的落ち着いた値動きとなった。

今後の注目点

1. 米連邦準備制度(Fed)の政策動向:インフレ指標が高止まる中でいつ利下げに転じるかが最大の焦点。今後発表される消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI)・個人消費支出(PCE)デフレーターが市場の利下げ観測を左右する。

2. 米中貿易協議の行方:5月14日の会合を受けた両国の協議継続状況と関税緩和の進展が、輸出関連・製造業セクターに引き続き影響を与える見込み。

3. AIセクターのIPO市場:CerebrasのNASDAQ上場が68%高の好スタートを切ったことで、2026年後半のAI・テック企業のIPOパイプラインへの期待が高まっている。市場の吸収能力と過熱感に注意が必要。

4. 日銀の金融政策:日本10年国債利回りの高止まりを受け、次回金融政策決定会合での追加利上げのタイミングが為替市場・日本株に影響を与える可能性がある。

5. 貨物・物流セクターの回復サイクル:Knight-Swiftの急騰をきっかけにトラック運送業界全体の業況改善の持続性が注目される。貨物輸送量指数や燃料コストの動向が今後の参考指標となる。