5月15日の東京株式市場は売り優勢の展開となり、日経平均株価は前日比約1,245円安(-1.99%)の61,409.29円で引けた。前引けでは804円安の61,849円まで下落する場面があった。日本10年国債利回りが2.700%と1997年5月以来約29年ぶりの高水準を記録し、30年国債利回りも4%台へ上昇して過去最高水準を更新するなど、長期金利の急騰が株式市場全体の重石となった。金利上昇に敏感な成長株を中心に利益確定売りが出たほか、フジクラなど高PER銘柄の失速も指数を押し下げた。決算発表シーズンが佳境を迎え、業績を好感した銘柄と失望売りが出た銘柄に二極化する展開が続いた。TOPIXは前日比-0.39%の3,863.97ポイント、グロース250指数は-0.96%の795.84ポイントとともに続落した。
長期金利が29年ぶり高水準、日経平均は2%安
5月15日の東京株式市場では、日本10年国債利回りが2.700%と約29年ぶりの高水準を更新したことを嫌気した利益確定売りが優勢となり、日経平均株価は前日比1.99%安の61,409.29円で引けた。決算シーズン終盤の個別銘柄への物色は継続し、業績上方修正の浜松ホトニクスやデクセリアルズが急騰する一方、業績見通しがコンセンサスを下回ったTOPPANやテスHDは大幅安となった。
市場概況
セクター動向
10年国債利回りの2.700%への急上昇を背景に、バリュエーションが高い電機・精密機器・ソフトウェアなど成長株セクターへの売り圧力が強まった。一方、金利上昇が収益に追い風となる銀行・保険などの金融セクターは相対的に底堅い動きとなった。光学・精密機器セクターでは浜松ホトニクスが業績上方修正を受けてストップ高となるなど、個別決算材料による急騰銘柄が目立った。電子材料セクターでもデクセリアルズが中期経営計画の大幅引き上げを好感してストップ高を記録した。印刷・情報セクターではTOPPANが業績コンセンサス下振れを嫌気して大幅続落。再生可能エネルギーEPCや産業機械セクターの一角も決算反応によって急落する銘柄が見られた。全体としては、金利上昇の影響を受けやすいセクターとディフェンシブ・金融セクターの二極化が進んだ一日となった。
注目銘柄
- 浜松ホトニクス (6965): +23.18% — 前日(5/14)に2026年9月期業績の上方修正を発表し、ストップ高となった。光センサーや光半導体デバイスの需要拡大を受けた増益修正が評価され、終値は2,657円(前日比+500円)となった。
- デクセリアルズ (4980): +22.23% — 中期経営計画の目標値を大幅に引き上げたことがストップ高の材料となった。2029年3月期の事業利益目標を従来の500億円から630億円へ引き上げており、データセンター向け光トランシーバー用製品の新設備稼働による販売拡大が主な根拠となっている。
- エイチワン (5989): +20.24% — 5/14発表の2026年3月期決算で経常利益が前年比41%増と大幅増益。年間配当を前期の50円から64円に増額する増配も好感され、構造改革の収益改善効果が評価された。
- TOPPAN (7911): -16.60% — 前日発表の2026年3月期の営業利益671億円(前年比-21.1%)が市場コンセンサスを約30億円下回り、大幅続落。2027年3月期の業績見通し800億円(前年比+19.2%)も市場予想(約880億円水準)を下回り、特にエレクトロニクス事業の見通しが市場期待に届かなかったことが失望売りを招いた。
- テスHD (5074): -22.47% — 本日発表予定の2026年6月期第3四半期決算が市場予想を大幅に下回ったことが売り材料となったとみられる。同社は太陽光・再生可能エネルギーのEPC事業を主力とし、工事進捗や案件集中度によって四半期ごとの利益が大きくぶれる特性がある。上半期は経常利益が進捗率143.6%と超過達成していただけに、第3四半期の進捗鈍化への懸念が売り圧力につながった可能性がある。
為替・金利動向
ドル円はアジア時間に158.67円台前半で推移し、円安基調が継続した。日本政府による補正予算編成論議が続いており、財政拡大への警戒が円売り材料として意識されている。日本10年国債利回りは前日比0.070%上昇の2.700%と、1997年5月以来約29年ぶりの高水準を更新した。日本30年国債利回りも4%台へ上昇し、過去最高水準を更新している。国内長期金利の急上昇は、日銀の追加利上げ期待の高まりと米長期金利の上昇が複合的に影響しているとみられる。長期金利の急騰は株式市場のバリュエーション面での重石として機能し、特にグロース株への売り圧力となった。なお、ドル円(USD/JPY)の確定終値データは本レポート作成時点で未取得のため、指標欄は未反映となっている。
今晩の米国市場の注目点
前日(5/14)のNY市場では、米中首脳会談による貿易合意の報道を好感してNYダウが前日比370ドル高の50,063ドルと5万ドルの大台を回復し、S&P500は7,501ポイントと史上最高値を更新した。本日(5/15)の注目経済指標は、日本時間21:30発表の5月ニューヨーク連銀製造業景気指数と、22:15発表の4月鉱工業生産(前月比)の2本。また、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長の任期が本日満了を迎えており、後任人事の行方が金融市場の注目点となっている。米中貿易合意による楽観ムードが持続するか否かと、FRB議長人事の動向が今後の市場センチメントを左右する重要な焦点となる見込み。
