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米国市場5/19 07:04 JST 時点のデータ

ダウ上昇、ナスダックは金利・地政学リスクで軟調

2026年5月18日の米国株式市場はまちまちの展開。ダウが0.32%高の一方、ナスダックは0.51%安、S&P500は0.07%安で引けた。米国とイランをめぐる地政学的緊張で原油が108ドルへ急騰し、米10年国債利回りが15カ月ぶり高水準を記録。ドミニオン・エナジーはNextEraとの合併発表で急騰。レジェネロンは第3相試験失敗で急落した。

S&P 500
7,403.05
-0.07%
NYダウ
49,686.12
+0.32%
NASDAQ
26,090.73
-0.51%
VIX
17.82
-3.31%

市場概況

5月18日の米国株式市場は主要3指数がまちまちの展開となった。ダウ平均は159.95ポイント(0.32%)高の49,686.12ドルで取引を終えた一方、ナスダック総合は134.41ポイント(0.51%)安の26,090.73、S&P500は5.45ポイント(0.07%)安の7,403.05と小幅安で引けた。投資家心理は楽観論と地政学的不確実性が交錯する展開となった。トランプ大統領がイランおよびホルムズ海峡に関する発言を行ったことで世界的なエネルギー供給途絶への懸念が高まり、原油価格(WTI)は108ドルへと急騰した。インフレ懸念と財政赤字問題を背景に米長期金利が上昇し、バリュエーションの高いテクノロジー株の重しとなった。恐怖指数VIXは3.31%低下の17.82と落ち着いており、市場全体のパニック的な売りは限定的だった。

セクター動向

セクター別では明暗が分かれた。テクノロジーセクターは1.5〜1.6%の下落となり、米10年国債利回りの急上昇を受けてハイバリュエーションのグロース株に売りが集中した。AI関連光学部品を手がけるルーメンタムやアプライド・オプトエレクトロニクスなど光ファイバー・フォトニクス関連株も利益確定売りに押された。エネルギーセクターは原油急騰の恩恵を受けて約1.3%上昇し、YPFなどエネルギー企業株が上昇した。ユーティリティセクターはドミニオン・エナジーとネクストエラ・エナジーの合併発表が大きな話題となった。ヘルスケアセクターはレジェネロン・ファーマシューティカルズの臨床試験失敗報告を受け下押し圧力がかかった。中国EV関連銘柄は製品発表への失望から軒並み軟調な動きとなった。

注目銘柄

  • ドミニオン・エナジー (D): +10.40% — ネクストエラ・エナジー(NEE)との大型合併契約を発表。ドミニオン株主はNEE株0.8138株と交換される条件で、株式価値は約4,000億ドル、企業価値は約4,190億ドルに達し、世界最大の規制電力ユーティリティ企業誕生が見込まれる。Q1 2026決算も営業EPS 0.95ドルとコンセンサス予想(0.91ドル)を上回り、2026年通期ガイダンス(EPS 3.45〜3.69ドル)を据え置いた。バークレイズとウェルズ・ファーゴは目標株価70ドルのオーバーウェイトを維持した。
  • ロブロックス (RBLX): +9.84% — ユーザーエンゲージメントと売上成長への前向きな見通しが投資家の楽観論を後押しし株価が急伸。同社はAIツールの拡充やRoblox Realityの展開でUnityやEpic Gamesとの競争力強化を進めており、ARK Investを含む機関投資家の継続的な買いが観測された。4月下旬以降、年齢確認システム導入に関連したガイダンス下方修正で株価が調整していた反動もあった。
  • サムソン・ロイター (TRI): +7.18% — Q1 2026決算でEPS 1.23ドル(予想1.20ドル)、売上高20.87億ドル(予想20.46億ドル)をいずれも上回り、2026年通期売上高成長率見通しを最大8.0%に据え置いた。アンソロピックとのAI統合深化による法律・税務向けAIワークフロー「CoCounsel Legal」が強みとして評価され、リーガルプロフェッショナル部門が前年比8%の有機成長を達成したことが買い材料となった。
  • レジェネロン・ファーマシューティカルズ (REGN): -10.33% — 転移性黒色腫を対象とした第3相試験でfianlimabとcemiplimabの併用療法が主要評価項目(無増悪生存期間)の統計的有意差を達成できなかったと発表。シティグループはBuyからNeutralへ格下げし目標株価を900ドルから700ドルへ引き下げ、RBCキャピタルも目標株価を707ドルに削減した。itepekimab試験失敗やEylea HDのラベル問題など一連の打撃が重なり、投資家心理が大きく悪化した。
  • リ・オート (LI): -9.62% — 旗艦SUV「L9」の改良版2モデル(Livis:509,800元、Ultra:459,800元)を前週末に発表したが、市場の高い期待を下回る内容と受け止められ売りが広がった。シティグループは新L9を「ゲームチェンジャーではない」と評価し、同様の仕様を持つ競合中国モデルと比べて競争力不足と指摘。中国EV市場での競争激化と販売回復への懸念が改めて意識された。

為替・金利動向

米10年国債利回りは約10bp上昇し4.60%台と15カ月ぶりの高水準を記録した。インフレ懸念と米国の財政赤字拡大への懸念を背景に米国債への売り圧力が継続しており、日本の30年国債利回りも1997年以来の最高水準へ上昇するなど、グローバルな債券安の局面が続いた。ドル円は前日比0.11%上昇の158.90円と円安方向に推移し、日本円は6営業日連続で対ドル安となった。連邦準備制度理事会(FRB)が今年中に利上げを余儀なくされるとの観測がドル買いを促す構図となっている。原油価格(WTI)は米国とイランをめぐる地政学的緊張およびホルムズ海峡の供給途絶懸念を背景に108ドルへと急騰した。

今後の注目点

今週は米国の主要経済指標が相次いで発表される。住宅着工件数・建設許可件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、新規失業保険申請件数などが予定されており、インフレ動向と景気の強弱を見極める材料として注目される。FOMC議事録の公開も予定されており、FRBの政策スタンスや利上げ再開の可能性について手がかりを求めて投資家の関心が集まる。ドミニオン・エナジーとネクストエラ・エナジーの合併審査における規制当局(FERCなど)の動向も焦点となる。米国とイランをめぐる外交情勢の進展および原油価格動向が引き続きエネルギー株・市場全体のセンチメントを左右する見通し。レジェネロンをはじめとするヘルスケアセクターでは追加的な臨床試験結果の発表が個別株の急変動要因となる可能性がある。