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米国市場5/20 07:03 JST 時点のデータ

米国株3日続落、長期金利が52週高値を更新

5月19日の米国株式市場は主要3指数がそろって下落し、S&P500は3営業日連続の下落。米10年国債利回りが4.657%と52週高値を更新するなど長期金利全般が急騰し、グロース株に売り圧力がかかった。米・イラン紛争をめぐる地政学リスクも重石となった。一方、AI関連ではAstera LabsとCredo Technologyが大幅高で逆行高となった。

S&P 500
7,353.61
-0.67%
NYダウ
49,363.88
-0.65%
NASDAQ
25,870.71
-0.84%
VIX
18.06
+1.35%

市場概況

5月19日の米国株式市場は、S&P500が-0.67%、ダウ平均が-0.65%、NASDAQ総合が-0.84%とそろって下落し、S&P500は3日続落となった。最大の売り材料は長期国債利回りの急騰で、10年物が4.657%、20年物が5.189%、30年物が5.171%といずれも52週高値を更新。金利上昇はグロース株・ハイテク株への割引率を高め、幅広い銘柄への売り圧力となった。また米・イラン紛争をめぐる地政学的緊張が継続しており、投資家のリスク回避姿勢を強める一因となった。VIXは18.06と前日比+1.35%上昇し、市場の警戒感の高まりを示した。ダウ平均の構成銘柄ではシスコ(-3.04%)、ボーイング(-2.62%)、3M(-2.08%)が下落を主導した一方、ベライゾン(+2.18%)、アムジェン(+1.97%)、メルク(+1.52%)が上昇し下落幅を一部相殺した。

セクター動向

AI・半導体インフラセクターは市場全体の下落に逆行して堅調を維持した。Astera Labs(ALAB)やCredo Technology(CRDO)など、AI向けデータセンターネットワーキング関連銘柄がアナリストの強気評価や好調な業績を背景に大幅高となった。一方、CDN(コンテンツデリバリー)・エッジコンピューティングのAkamaiは大規模転換社債発行の発表を受けて大きく売られた。自律走行車セクターでは、Aurora Innovationが直近の急騰からの利益確定売りに加え、商業化遅延への懸念から下落した。AIデータセンター運営のApplied Digitalも、急騰後のバリュエーション警戒感と長期金利上昇の逆風を受けて下落した。中国不動産テックのKE Holdings(BEKE)は第1四半期決算の大幅上振れを受けて上昇した。ヘルスケアセクターはアムジェン・メルクが上昇し、ディフェンシブ色が強まる地合いを反映した。

注目銘柄

  • Astera Labs (ALAB): +13.30% — JPモルガン主催グローバルTMCカンファレンスでCEOのJitendra Mohan氏が最新AIデータセンターネットワーキング製品を披露したことが好感された。Evercore ISIが目標株価を215ドルから297ドル(ウォール街最高値)に大幅引き上げたことも上昇を後押し。第1四半期売上高は前年同期比93%増の3億840万ドルと急拡大しており、AI向けScorpio X-Seriesスイッチの需要急増が業績を牽引している。
  • Credo Technology (CRDO): +8.14% — ロスチャイルドのRedburn部門が新規カバレッジを開始し、Buy評価・目標株価206ドルを提示。加えてJefferiesが高確信度銘柄リスト「Franchise Picks」に追加し、生成AI向けインフラ投資拡大の主要受益企業として機関投資家の評価が高まった。AI高速接続ソリューションへの旺盛な需要拡大と3年間約78%の売上成長率が評価されている。
  • KE Holdings (BEKE): +5.17% — 当日発表した第1四半期2026年決算で調整後EPSが1.42人民元と市場予想の0.91人民元を大幅に上回った。純収益は前年同期比19.0%減の189億人民元にとどまったが、非GAAP営業利益は前年同期比45.1%増・前四半期比416.2%増の16.7億人民元と急増し、過去7四半期で最高の非GAAPネット利益率を達成。約1億9500万ドルの自社株買いも実施した。
  • Aurora Innovation (AUR): -6.47% — 今月初めに約4.90ドルから8.40ドル超まで急騰した後の利益確定売りが主因。自律走行トラックの商業化タイムライン遅延懸念や規制上の課題への警戒感が売り圧力となった。高ボラティリティ銘柄として短期的な急騰・急落の繰り返しが続いている。
  • Akamai Technologies (AKAM): -6.25% — 前営業日(18日)引け後に総額26億ドルの転換社債発行(2030年満期13億ドル・2032年満期13億ドルの2トランチ、利率ゼロ)を発表したことが嫌気された。ヘッジファンドが転換社債購入時に株式の空売りを行う機械的な売り圧力に加え、直近のアナリスト格下げとCDN・エッジセクター全体の需要鈍化懸念が重なった。調達資金はCloud Infrastructure Services(CIS)の拡張に充てられる予定。

為替・金利動向

米長期金利は全年限にわたって52週高値を更新した。10年国債利回りは4.657%、20年物は5.189%、30年物は5.171%と20年・30年はいずれも5%を超えており、財政懸念と米・イラン紛争に伴うインフレ長期化懸念が上昇要因となった。日本の10年国債利回りも約2.8%と29年ぶりの高水準へ上昇し、BOJ(日本銀行)ボード・メンバーが早期追加利上げを呼びかけるなど引き締め観測が強まった。ドル円は158円近辺で推移した。エネルギー市場では、米・イラン紛争に連動する形でWTI原油先物が1バレル108.59ドル付近で取引され、直近5営業日で約6.4%上昇しており、インフレ圧力の長期化懸念として金融市場全般に影響を与えている。

今後の注目点

米長期金利の高止まりが引き続き株式市場の重石となる可能性があり、20年・30年国債利回りが5%超を維持する場合の財政懸念とリスクアセット評価への影響が焦点となる。地政学面では米・イラン紛争の動向が原油価格とインフレ見通しを左右する鍵となる。FRB当局者の発言や今後発表される経済指標(インフレ統計・雇用統計等)は利下げ時期の再評価につながる可能性がある。AI関連銘柄については、Astera LabsやCredo Technologyが示したAIインフラ投資拡大サイクルの持続性と、その他AI関連銘柄への波及効果が注目される。またAkamai Technologiesの転換社債発行完了後の株価動向と、Applied Digitalのバリュエーション修正の行方も監視が必要だ。