5月20日の東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価は前日比約744円(−1.23%)安の59,804円で取引を終え、心理的節目の6万円を割り込んだ。TOPIXは−1.53%の3,791ポイント、グロース250は−4.47%の786ポイントと新興市場の下落が特に目立った。日本の10年国債利回りが約2.7%と約10年ぶりの高水準圏で推移するなか、金利上昇を嫌気した売りがAI・半導体関連やグロース株を中心に広がった。ソフトバンクグループや東京エレクトロンなどの主力AI関連株が大幅下落し、日経平均を下押しした。前場には下げ幅が1,100円を超える場面もあったが、後場にかけてやや下げ渋り終値は59,804円となった。
日経平均が6万円割れ、金利高でAI・半導体株に売り
5月20日の東京株式市場は全面安となり、日経平均は前日比−1.23%の59,804円で終了し心理的節目の6万円を割り込んだ。日本10年国債利回りが約2.7%と約10年ぶりの高水準圏で推移し、AI・半導体株や成長株への売りが優勢。グロース250は−4.47%と大幅安。UBEは配当方針の大幅引き上げ発表で急騰し、フジクラは決算出尽くしで急落した。
市場概況
セクター動向
金利上昇の逆風を受けて情報通信・電機・AI関連セクターが軒並み下落し、グロース250に占める成長株全般に強い売りが向かった。不動産セクターも金利上昇に伴う資金調達コスト増への懸念から売られた。機械セクターはオークマなど工作機械大手の下落が目立った。電線・ケーブルセクターはフジクラが決算後の期待外れ感で急落し、重荷となった。一方、化学セクターではUBEが配当大幅引き上げ発表で急騰し同セクターを支えた。物流・倉庫セクターの一角でもニッコンHD・ヨコレイなどが決算評価買いを集め、値上がりランキング上位に入った。
注目銘柄
- UBE (4208): +20.92% — 5月20日早朝に「配当予想の修正に関するお知らせ」を適時開示し、配当方針の大幅引き上げを材料に一時ストップ高を付ける急騰となった。株主還元強化の姿勢が市場に強く評価された。
- FIG (4392): +16.25% — FY2026第1四半期決算(2026年5月14日発表)で売上高前期比+12.7%・営業利益+55.0%と大幅増益を達成。加えてグループ会社REALIZEが台湾企業と共同開発したAI先端半導体パッケージ検査装置が主要半導体メーカー向けに採用されたとの発表が強材料となり、連日の大幅高が続いた。
- アーレスティ (5852): −17.42% — アルミダイカスト大手(自動車向け主力)がストップ安水準まで急落。決算発表のタイミングと重なっており、自動車生産台数の減少傾向や原材料コスト増を反映した業績悪化懸念が一気に売りを呼んだと見られる。同社は2026年3月期修正で売上高1,622億円・純利益30億円を公表していたが、来期見通しへの警戒感が強まった。
- フジクラ (5803): −8.52% — 2026年3月期本決算は売上高1兆1,823億円(前年比+20.7%)・営業利益+39.2%・最終利益+72.5%と過去最高を更新し5期連続最高益更新見通しも示したが、AI関連需要拡大を先取りした市場の期待水準に届かなかった2027年3月期ガイダンスが失望を招き「決算出尽くし」の売りが集中。一時ストップ安水準まで下落した。
- オークマ (6103): −9.99% — 工作機械大手。2026年3月期決算は売上高約2,359億円(+14.1%)と増収増益だったものの、収益性改善のペースが市場期待に届かず。金利上昇局面における設備投資需要の先行き懸念も重なり、機械セクター全体への売り圧力が強まるなかで大幅安となった。
為替・金利動向
ドル円相場は5月20日に159円付近で推移し、7営業日続伸(円安基調)となった。米10年債利回りの上昇を背景とした日米金利差への意識が円安圧力を継続させている。日本の10年国債利回りは約2.7%まで上昇し、約10年ぶりの高水準圏に接近した。国内の生産者物価指数の上振れが日銀の追加利上げ観測を強め、長期金利を押し上げる一因となっている。長期金利の高止まりはAI・グロース株や不動産セクターへの逆風となっており、本日の東京市場全面安の主な背景の一つとなった。なお、株探が取得した本日のドル円終値データは確認できなかった。
今晩の米国市場の注目点
本日(米国時間5月20日)最大の注目イベントはエヌビディア(NVDA)の決算発表(市場引け後)。FY2027第1四半期(2〜4月期)の業績が明らかになる予定で、AI向けGPU需要の継続性と次世代製品Blackwellシリーズの供給状況・利益率動向が焦点となる。直近のFY2026通期売上高は前年比約1.6倍の2,159億ドル、純利益は1,200億ドルを突破する記録的な成長を達成しており、市場の期待水準は引き続き高い。ガイダンスを含めた内容次第では、翌21日の日本株市場の半導体・AI関連セクターにも直接的な影響を及ぼす可能性が高い。経済指標面では住宅関連指標等の発表も予定されており、消費動向と金利の方向感が引き続き注目される。
