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米国市場5/21 07:04 JST 時点のデータ

米国株全面高、NVIDIA決算控えAI関連が牽引

5月20日の米国株式市場は全面高。トランプ大統領のイラン核合意発言でエネルギー価格が低下しインフレ懸念が後退。S&P500は1.08%高の7432.97、ナスダックは1.54%高の26270.36で堅調。引け後のNVIDIA決算への期待からAI半導体関連が上昇を主導し、AステララボやARM、ガーダントヘルスが急騰。ハズブロはサイバー攻撃の業績影響開示で急落した。

S&P 500
7,432.97
+1.08%
NYダウ
50,009.35
+1.31%
NASDAQ
26,270.36
+1.54%
VIX
17.44
-3.43%

市場概況

5月20日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇した。S&P500は前日比1.08%高の7432.97、ダウ平均は1.31%高の50009.35、ナスダック総合は1.54%高の26270.36で引けた。VIXは3.43%低下の17.44と投資家心理の改善を示した。

上昇の主因は2点。第1に、トランプ大統領がイランとの核合意が近いと発言し、ホルムズ海峡からスーパータンカー3隻が満載で出港したとの報道が重なりエネルギー価格が低下、インフレ懸念が後退した。第2に、同日引け後に決算発表を控えるNVIDIAへの期待感が高まり、AI関連半導体株を中心に買いが集まった。NVIDIAは引けにかけて約1.5%上昇した。引け後に発表されたNVIDIAのQ1決算は売上高816億ドル(市場予想792億ドル超過)・EPS1.87ドル(予想1.78ドル超過)と大幅上振れとなり、AI投資継続への期待を裏付けた。

セクター動向

【情報技術・AI半導体】最も強いパフォーマンスを示した。AI接続チップのアステララボ(ALAB)が17.71%急騰、ARM Holdings(ARM)が15.05%高と指数を大きくアウトパフォーム。アナリストの相次ぐ目標株価引き上げとAI需要拡大の確認が追い風となった。一方、クラウドソフトウェアのヌータニックス(NTNX)はAMD向け株式発行による希薄化懸念から6.71%安と逆行した。

【ヘルスケア・バイオテク】ガーダントヘルス(GH)が第1四半期の大幅増収・ガイダンス引き上げとFDA承認を好感して17.09%急騰。ロイバントサイエンシズ(ROIV)も14.89%高と好調だった。

【一般消費財】ハズブロ(HAS)がサイバー攻撃の業績影響開示を嫌気して8.83%急落し、セクターの重荷となった。

【エネルギー】イランとの合意期待による原油価格低下を背景にエクイノール(EQNR)が4.49%安となるなどエネルギー株は軟調。ベンチャーグローバル(VG)も5.07%安。

【通信サービス】レディット(RDDT)がCEOのインサイダー売却と広告収入成長への懸念から5.27%下落した。

注目銘柄

  • Astera Labs (ALAB): +17.71% — RBCがAmazonとAnthropicの拡大契約を材料に目標株価を225ドルから250ドルに引き上げ、Evercore ISIもウォール街最高水準となる297ドルへ大幅引き上げ。Q1売上高は3億840万ドル(前年比+93%、前四半期比+14%)、GAAP粗利益率76.3%と高水準。Scorpio XスイッチのAWS Trainium3ラックへの出荷がQ3に本格化する見通しで、AIデータセンター向け接続チップ需要の継続拡大が評価された。CEO Jitendra Mohan氏がJPモルガンのグローバルTMCカンファレンスで新製品を披露したことも追い風。
  • Arm Holdings (ARM): +15.05% — 第4四半期決算がEPS・売上高ともに市場予想を上振れ、Q1ガイダンスもコンセンサス超え。RBCが目標株価を175→260ドル、Jefferiesが290ドル、TD Cowenが265ドルへ相次いで引き上げた。新世代AGI・エージェントAI向けCPUの需要がすでに20億ドル超に達し、データセンター向けロイヤリティが前年比2倍に拡大する見通しが投資家の買いを呼んだ。
  • Guardant Health (GH): +17.09% — Q1売上高が前年比48%増の約3億200万ドルと大幅増収で市場予想を超過。Shield大腸癌スクリーニングの売上高が570万ドルから4160万ドルへ約630%増と爆発的成長。FY26通期売上高ガイダンスを13億〜13億2000万ドルへ引き上げた(前回比+33%成長見通し)。液体生検癌検査「Guardant360 Liquid CDx」のFDA承認取得も好材料として重なった。
  • Hasbro (HAS): -8.83% — Q1調整後EPSは1.47ドル(予想1.20ドル)と上振れしたが、サイバー攻撃(不正ネットワークアクセス)の影響として追加費用約2000万ドルの発生と消費者製品売上4000〜6000万ドルがQ2からH2へずれ込む見通しを開示。通期ガイダンスは売上高3〜5%成長・調整後EBITDA14〜14.5億ドルで据え置き(引き上げなし)にとどまり、サイバーリスクを抱えながらも上振れしない見通しへの失望売りが集まった。
  • Nutanix (NTNX): -6.71% — AMDへの私募株式発行の完了を受けて株式希薄化への懸念が顕在化し、市場全体の上昇に逆行した。直近の業績開示方法を巡る調査報道の余韻も重なり、ファンダメンタルズよりも需給面の売り圧力が主因とみられる。

為替・金利動向

米10年国債利回りは4.65〜4.67%近辺で推移し、16カ月ぶりの高水準圏を維持した。前日セッションでは4.70%に達する場面もあったが、エネルギー価格の落ち着きとともにやや低下した。エネルギー起因のインフレ再燃懸念がFRBの利下げ転換を遠ざけるとの見方が根強く、長期金利の高止まりが続いている。

日本の10年国債利回りは約2.79%と1996年9月以来の高水準を記録。日本の経済指標の改善と世界的なインフレ懸念が日銀の追加利上げ期待を高めている。

ドル円(USD/JPY)は159.01円近辺で推移し、前日比ほぼ横ばい。4月下旬から5月上旬にかけて当局が介入とされる水準(約160円)に迫るなか、円安圧力は継続している。リスクオン地合いと高い米長期金利が複合的にドルを支える形となった。

今後の注目点

【NVIDIAのガイダンスと市場反応】引け後に発表された決算は上振れとなったが、Q2以降の見通しにおけるデータセンター需要の持続性、対中輸出規制の影響、MetaやMicrosoftのカスタムチップ台頭によるシェア侵食リスクへの経営陣コメントが市場全体の方向感を左右する。

【イラン核合意交渉の進展】トランプ大統領が「合意間近」と発言しており、具体的な合意が成立すればエネルギー価格の大幅低下→インフレ期待の再低下→FRBの利下げ期待復活という連鎖が予想され、相場の大きな追い風になりうる。

【米長期金利の動向】10年国債利回りが16カ月ぶり高水準圏で推移しており、今後のPCEデフレーター・消費者信頼感指数等の経済指標次第では株式バリュエーションへの圧迫リスクがある。

【ハイパースケーラーのAI設備投資】2026年暦年のMicrosoft・Alphabet・AmazonのAI設備投資合計は約5700億ドルと試算されており、AI半導体需要の持続性を確認する上で各社の決算コメントが引き続き重要な注目点となる。