6月2日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比200円09銭(0.30%)安の6万6734円24銭。米国とイランの戦闘終結に向けた協議が停滞しているとの報道を受け、寄り付きから幅広い銘柄に売りが先行した。下げ幅は一時1400円近くまで拡大する場面もあったが、午後に入ると相場の底堅さを意識した海外投機筋の先物買いが優勢となり、大引けにかけて急速に下げ幅を縮小した。東証株価指数(TOPIX)は16.46ポイント安の3924.24で終了。グロース250は1.52%安と、中小型成長株にも売り圧力が及んだ。
日経平均3日ぶり反落、中東懸念で下げ幅最大1400円
6月2日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、前日比200円09銭安の6万6734円24銭で終了した。米イラン協議の停滞を嫌気した売りが先行し、下げ幅は一時1400円近くまで拡大。午後は海外勢の先物買いで急速に縮小した。TOPIXは0.42%安、グロース250は1.52%安。
市場概況
セクター動向
化学セクターでは堺化学工業(4078)が+13.12%、ハリマ化成グループ(4410)が+11.70%と急騰し、特殊化学品関連が逆行高となった。IT・テクノロジー分野ではフィックスターズ(3687)が量子コンピューター関連の材料を受けて+16.73%と大幅高となり、量子・AI関連テーマへの資金流入が目立った。半導体・メカトロニクス関連のワイエイシイホールディングス(6298)も好決算を背景に+14.86%と急伸した。一方、自動車部品の武蔵精密工業(7220)は弱い決算・見通しを受けて-11.49%と急落し、電子部品の日本ケミコン(6997)は需給悪化懸念から-14.86%下落した。AI・ドローン関連テーマ株のFIG(4392)は前日までの急騰の反動で-15.38%と値下がり率首位となり、短期急騰銘柄への利益確定売りが目立った。
注目銘柄
- フィックスターズ (3687): +16.73% — 米政府が量子コンピューター関連企業への投資を拡大するとの報道が材料視された。同社は量子コンピューティング最適化プラットフォーム「Fixstars Amplify」を展開しており、対応プロバイダー・アルゴリズムの拡充発表も重なり、量子コンピューター関連テーマへの資金流入が加速した。
- ワイエイシイホールディングス (6298): +14.86% — 2026年5月13日発表の2026年3月期決算が売上高前期比14.8%増・親会社株主帰属純利益137.1%増と大幅増収増益を達成した好業績が引き続き評価された。半導体・メカトロニクス関連事業と環境・社会インフラ関連事業の両面が好調で、次期も全セグメントで成長を見込む業績予想も支援材料となった。
- FIG (4392): -15.38% — 2月下旬の338円から5月21日時点で1,981円(+486%)まで急騰していた反動で利益確定売りが加速した。ドローン・ロボティクス・AI関連テーマ株として注目を集め、台湾企業との先端AIパッケージ検査装置の共同開発なども材料視されたが、短期間で約5倍に達した株価水準での値幅調整が続いた。
- 日本ケミコン (6997): -14.86% — 筆頭株主のジャパン・インダストリアル・ソリューションズが大量保有変更報告書を提出し、保有比率が31.08%から29.62%に低下したことが売り材料となった。また直前にB種種類株式の普通株式転換(約50万株)が開示されており、潜在的な株式供給増加が需給悪化懸念につながったとみられる。
- 武蔵精密工業 (7220): -11.49% — 5月12日発表の2026年3月期決算で、欧州での構造改革費用計上により親会社帰属純利益が前期比83.8%減と急減した。2027年3月期の業績予想も売上高3.5%減・営業利益9.9%減と弱い見通しを示し、年間配当も前期比10円減配(40円)となったことで決算後の売り圧力が続いた。
為替・金利動向
ドル円は159円70銭前後で推移した。前日に発表された米5月ISM製造業景況指数が54.0と市場予想(53.0)を上回り約4年ぶりの高水準を記録したことで米長期金利が上昇し、ドル買いが加速した流れを引き継いだ。東京時間では新たな手がかりを欠き、160円の大台手前での高値もみあいが続いた。日銀の追加利上げ観測が根強い中で日米金利差の緩やかな縮小傾向が意識されており、円売り一辺倒とはなっていない。なお、中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油先物が急騰しており、資源価格の上昇が輸入物価を通じた円安・物価上昇圧力につながる可能性も引き続き注視される。
今晩の米国市場の注目点
今週最大の注目イベントは6月5日(金)発表の米5月雇用統計(日本時間21時30分)で、今夜はその前哨戦として雇用関連の指標動向が意識される展開となりそうだ。6月16〜17日にはFOMC会合が予定されており、ウォーシュ新FRB議長就任後初の会合として注目度が高く、今週の経済指標が利下げ時期の見通しに与える影響が焦点となる。4月の米CPIが前年比+3.8%と加速していることを踏まえると、利下げに慎重な姿勢が維持される可能性が高い。また、米イラン協議の停滞を受けてWTI原油が約8%高の94ドル近辺まで急騰しており、中東リスクの再燃がエネルギー株の動向やリスク回避姿勢の強まりに波及するかが引き続き警戒される。
