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米国市場6/3 07:04 JST 時点のデータ

AI半導体株急騰、MRVL・HPEが相場をけん引

2026年6月2日の米国株式市場は主要3指数がそろって小幅上昇。NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが台北コンピュータショーでマーベル・テクノロジーを「次のトリリオンダラー企業」と称賛したことを受け、半導体・AI関連株が全面高。HPEも好決算でAIサーバー需要急増を確認し急伸。S&P500は史上初めて7,600台に到達。一方、ゴールドマンのIntuit格下げやStrategyのBitcoin初売却が重しとなった。

S&P 500
7,609.78
+0.13%
NYダウ
51,307.79
+0.45%
NASDAQ
27,093.90
+0.03%
VIX
15.77
-1.74%

市場概況

6月2日の米国株式市場は、主要3指数がそろって小幅上昇で引けた。S&P500は史上初めて7,600ポイントを突破し7,609.78(+0.13%)、ダウ平均は51,307.79(+0.45%)、ナスダック総合は27,093.90(+0.03%)で終了。小型株指数のラッセル2000も約0.90%上昇と、幅広い銘柄に買いが入った。

相場を牽引したのはAI・半導体セクター。NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが台北国際コンピュータショー(COMPUTEX)でマーベル・テクノロジー(MRVL)を「次のトリリオンダラー企業」と称賛しNVIDIAとの20億ドルパートナーシップを発表したことが、半導体・光部品関連株全体に強烈な買いを誘引。ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)もAIサーバー需要急増を確認する好決算を発表し株価が急伸した。

一方、ゴールドマン・サックスによるIntuit(INTU)格下げ、Figma(FIG)への目標株価引き下げ、およびStrategy(MSTR)による2022年以来初となるビットコイン売却が相場の上値を抑え、指数全体の上昇幅は限定的にとどまった。恐怖指数VIXは15.77(-1.74%)と低水準を維持し、市場は全体として落ち着いた地合いを保った。

セクター動向

【AI・半導体・光部品セクター(強い)】NVIDIA CEO発言とHPEの好決算を契機に、AIデータセンター関連の半導体・光学部品株が全面高。MRVL(+32.57%)、HPE(+19.47%)、COHR(+17.63%)、STM(+15.20%)、LITE(+13.66%)がいずれも二桁の上昇を記録。銅線からオプティクス(光学部品)への移行が加速しており、AIワークロードの拡大に伴う高速光ネットワーク機器の需要増大が各社株価の再評価を促した。

【ソフトウェア・SaaSセクター(弱い)】ゴールドマン・サックスがIntuit(INTU)をNeutralからSell(売り推奨)に格下げし、目標株価を519ドルから276ドルへ大幅引き下げ。AI系税務申告プラットフォームの競争激化が長期成長の足かせになるとの理由。HubSpot(HUBS)も第1四半期決算後の大手アナリストによる目標株価引き下げ、AI関連の価格体系変更、および営業サイクル長期化への懸念が重なり8%超の下落。Figma(FIG)もゴールドマンによる目標株価引き下げとAI設計ツールとの競合懸念から売られた。

【暗号資産関連(弱い)】Strategy(MSTR)が2022年以来初めてビットコインを売却したことが判明し、「永遠に保持する」という同社の投資哲学への懐疑から9%超の下落。ビットコイン自体も約5.8%安と軟調で、関連株に売り圧力がかかった。

【金融取引所セクター(弱い)】CboeグローバルマーケッツはコインベースとKalshiが永久先物(Perpetual Futures)を新規立ち上げたことで、デリバティブ市場における競争激化が嫌気され8%超の下落。

注目銘柄

  • マーベル・テクノロジー (MRVL): +32.57% — NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが台北国際コンピュータショー(COMPUTEX)でMRVLを「次のトリリオンダラー企業」と称賛し、NVIDIAとMRVLの20億ドルのパートナーシップを発表したことが主要因。同社も業界初の102.4Tbps対応AIスイッチチップ「Teralynx T100」を発表しており、AIデータセンターの大規模化に対応する製品ポートフォリオが高く評価された。TipRanksによると同社株はアナリスト26名がBuy、4名がHoldを推奨している。
  • ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE): +19.47% — 第2四半期(2026年5月期)決算でEPS 0.79ドル(予想0.54ドルを0.25ドル上回る)、売上高約107億ドル(予想98.9億ドルを超過)を発表。AIサーバー需要急増により売上が前年比40%増、ネットワーキング部門は148%増、クラウド・AI部門も23%増。通期EPSガイダンスを1ドル引き上げ、自社の長期財務計画より2年前倒しで進捗していると説明した。
  • STマイクロエレクトロニクス (STM): +15.20% — 2026年のデータセンター向け売上目標を約10億ドルに引き上げ(従来の「5億ドルを大幅超える水準」からほぼ倍増)、2027年にはさらに倍増が可能との見通しを表明。売上の約3分の2はシリコンフォトニクスや光学モジュール向けBiCMOS ICなど光学部品関連、残りは電力チップ関連。AWSとの大型パートナーシップも評価を後押しし、ミズホは目標株価を56ドルから68ドルに引き上げた。
  • フィグマ (FIG): -10.44% — ゴールドマン・サックスが目標株価を35ドルから30ドルに引き下げ。アンソロピックの「Claude Design」など生成AIを活用した設計自動化ツールとの競争激化により収益性低下リスクが高まるとの指摘に加え、AIインフラコスト上昇に伴う利益率圧迫も懸念材料。株価が主要テクニカルサポートを割り込んだことで機械的な売りも加速した。
  • ストラテジー (MSTR): -9.07% — 2022年以来初めてビットコイン32枚(約250万ドル)を売却したことをSECへの届け出で開示。売却の目的は優先株の配当支払いとされているが、マイケル・セイラー会長が築いてきた「ビットコインを絶対に売らない」というブランドイメージを根底から覆す出来事として市場に強烈なネガティブサプライズを与えた。ビットコイン価格が同日約5.8%下落(約67,288ドル水準)したことも株価下落に拍車をかけた。

為替・金利動向

ドル円は159.69円付近で推移し、前日比ほぼ横ばい(+0.02%)。米連邦準備制度の政策金利目標レンジが3.50〜3.75%に対し、日銀の政策金利が低水準にとどまる日米の大幅な金利差がドル高・円安地合いを継続的に支えている。

米10年国債利回りは約4.46%付近で推移。週後半に控える米雇用統計(5月分)の結果を見極めるムードから、この日は大きな動きは見られなかった。利下げ観測を巡る不透明感が続く中、AI関連への設備投資拡大期待がリスク資産を下支えする一方、景気減速懸念が債券利回りの急上昇を抑制している。

米ドル指数(DXY)は約99.20付近と100の節目を下回る水準で安定推移。日本の10年国債利回りは約2.66%と2週間ぶり低水準付近で推移し、日米金利差は依然として大きく、円安圧力が続く構図となっている。

今後の注目点

【雇用統計(6月6日予定)】今週最大の焦点は5月分の米雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)。労働市場の底堅さが確認されれば年内利下げ観測が後退し長期金利が上昇するリスクがある一方、想定以上の弱さが出れば株式・債券ともに大きく動く可能性がある。

【AI投資動向の継続】NVIDIAのジェンスン・ファンCEOによるCOMPUTEXでの発言が半導体・光部品株全体の再評価を引き起こした。今後のAI関連各社の追加発表や設備投資計画の修正が引き続き市場の注目を集める。特にMRVLのTeralynx T100の受注状況やSTMのデータセンター向け製品の立ち上がりが焦点となる。

【Strategy(MSTR)の動向】2022年以来初のBitcoin売却を受け、同社が追加売却を行うかどうかが暗号資産関連株全体の行方を左右する。ビットコイン価格の水準(直近約67,000ドル台、高値から約46%下落)と同社の財務状況に対する市場の監視が続く。

【ソフトウェア株再評価リスク】ゴールドマン・サックスによるIntuit・Figmaへの評価引き下げを受け、AIによって代替リスクにさらされているソフトウェア企業全般への再評価圧力が高まる可能性がある。次回の大手ソフトウェア企業の決算発表が試金石となる。