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日本市場6/8 17:53 JST 時点のデータ

日経平均2563円安、今年2番目の下落幅 AI・半導体が急落

6月8日の東京株式市場は全面安。日経平均株価は前週末比2563円52銭(3.85%)安の6万4024円60銭で引け、今年2番目の下落幅を記録した。前週末発表の5月米雇用統計が予想を上回り米利上げ観測が台頭。AI・半導体関連銘柄への売りが主導し、海外投機筋による先物売りも重なった。TOPIXも2.45%安、グロース250は2.27%安と全面安の展開となった。

日経225
64,024.60
-3.85%
TOPIX
3,852.38
-2.45%
グロース250
748.04
-2.27%

市場概況

6月8日の東京株式市場は大幅安となり、日経平均株価は前週末比2563円52銭(3.85%)安の6万4024円60銭で引けた。下落幅は今年2番目の大きさで史上5番目の規模に達し、終値での6万5000円割れは5月28日以来となった。

下落の主因は、前週末6月5日に発表された5月の米雇用統計が市場予想を上回る強い内容だったこと。米利上げ観測が台頭し、金利上昇局面で相対的に割高感が生じるAI・半導体関連銘柄に売りが集中した。海外投機筋による株価指数先物への断続的な売りが日経平均を下押しし、信用買いを入れていた個人投資家の持ち高解消売りも重なった。日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時42台まで急騰し、前週末終値(28.37)から5割近く上昇する場面があった。TOPIXは2.45%安の3852.38、グロース250は2.27%安の748.04で引けた。

セクター動向

半導体・電子部品セクターが下落を主導した。前週末の米市場で半導体株が急落した流れを引き継ぎ、シリコンウエハーのSUMCO(-12.84%)、リチウムイオン電池セパレーターのWSCOPE(-12.75%)などが軒並み大幅安となった。半導体製造装置・材料関連3銘柄だけで日経平均を850円あまり下押ししたとの試算もある。米金利上昇に伴う設備投資計画の見直し懸念が業種全体に重しとなった。

自動車・部品セクターでも武蔵精密工業(-14.29%)が大幅安。円高警戒や世界的な景気後退懸念が輸出関連全般を圧迫した。IT・クラウド関連のフィックスターズ(-19.26%)やテラスカイ(-15.82%)など高PER成長株も金利上昇を嫌気して大きく売られた。

一方、内需・ディフェンシブ株の一角は相対的に底堅かった。食品セクターでは好決算を手がかりに不二製油(+7.45%)が上昇し、エンターテインメントの東宝(+6.80%)も料金改定期待を背景に買いが続いた。AI半導体検査装置開発の材料を持つFIG(+17.35%)は材料株として買いが持続した。

注目銘柄

  • FIG (4392): +17.35% — AI半導体検査装置の開発材料が引き続き買いを集めた。5月に台湾企業と共同で先端AIパッケージ向け検査装置を開発と発表しており、相手先はTSMCとの思惑が広がっている。2026年3月期第1四半期は営業利益が前年同期比55%増と大幅増益を達成しており、AI半導体製造インフラ関連銘柄として個人投資家の注目度が高い状況が続いている。
  • 不二製油 (2607): +7.45% — 好調な業績が評価された。2026年3月期第3四半期は売上高5827億円(前年同期比18.5%増)、事業利益288億円(同700.7%増)と大幅な増収増益。植物性油脂事業の好調とBlommer社の収益改善が寄与した。市場全体が急落するなか、業績裏付けのあるディフェンシブな食品株に資金が流入する動きも加わった。
  • 東宝 (9602): +6.80% — 6月初旬に報じられた映画館の料金改定が引き続き好感されたほか、2026年2月期決算が営業収入3606億円(前年度比15.2%増)・営業利益678億円(同5.0%増)と好業績であったことが評価された。相場急落局面で金利感応度が低いエンターテインメント銘柄として資金逃避先に選ばれる形となった。
  • Fスターズ (3687): -19.26% — 高度並列計算・FPGA最適化を手がけるITソフト企業で、高PER成長株の典型として米雇用統計後の利上げ観測台頭が直撃した。中間期は売上高前年同期比13.8%増・営業利益8.8%増と業績自体は堅調だったが、金利上昇局面でのバリュエーション修正圧力が強まり、ストップ安水準まで売り込まれた。
  • SUMCO (3436): -12.84% — シリコンウエハー大手が半導体セクター全体の下落に連動して急落した。2025年度は売上高が3.3%増にとどまる一方、営業利益は96.4%減と業績が大幅に低迷しており、「AIがウエハー不足を招く」という市場の期待が崩れた結果、割高感の修正が続いている。前週末の米半導体株急落も重なりセクター内での売りが加速した。

為替・金利動向

前週末6月5日発表の5月米雇用統計が市場予想を上回る強い結果となり、ドル買いが優勢となった。ドル円は160円30銭台まで上昇しており、強い雇用統計がFRBの高金利維持姿勢を正当化する内容として受け止められた。米10年債利回りも上昇し、日米金利差の拡大を意識した円売りが進んだ。

一方で160円台での円安局面では政府・日本銀行による円買い介入への警戒感も根強く、過度な円安進行を抑制する意識が市場に広がった。クロス円の大幅な下落が円安の進行速度をある程度抑制した。

次の大きなイベントとして6月16〜17日の米FOMCが控える。ケビン・ウォーシュ新議長就任後初の会合となるだけに、声明・経済見通し(SEP)・議長記者会見への注目度が高く、会合前後は金融政策を巡る思惑が為替・金利市場に大きな影響を与えうる局面が続く見通し。

今晩の米国市場の注目点

前週末の5月米雇用統計が強い内容だったことを受け、今週の米国市場では改めてFRBの利下げ先送り観測が意識される週となる。6月8日(米国時間)は主要な経済指標発表の予定は確認されていないが、株式市場では前週末の雇用統計の余韻が続き、AI・テクノロジー株の調整が続くかどうかが最大の焦点となる。

最大の注目イベントは6月16〜17日のFOMC。ウォーシュ新議長体制での初回会合として声明・SEP・記者会見に高い関心が集まっており、今晩の米国市場はFOMCに向けた思惑形成の地ならし局面と位置づけられる。前週末に急落した米国の半導体・AI関連株の自律反発があるかどうかも、8日の東京市場下落の翌日以降を見据えるうえで重要な注目点となる。