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米国市場7/14 07:02 JST 時点のデータ

米中東緊張で株安、AI半導体売り加速

米国とイランの軍事衝突再燃とホルムズ海峡封鎖宣言を受け原油高・株安が進行。ハイテク株が急落しNASDAQは1.55%安。半導体・AI関連銘柄が大幅安となる一方、ソフトウェア株の一角は個別材料で急伸した。

S&P 500
7,515.34
-0.79%
NYダウ
52,498.64
-0.26%
NASDAQ
25,873.18
-1.55%
VIX
17.16
+14.17%

市場概況

2026年7月13日の米国株式市場は3指数そろって下落した。S&P500は前日比0.79%安の7515.34、ダウ工業株30種平均は0.26%安の52498.64、NASDAQ総合指数は1.55%安の25873.18で取引を終えた。トランプ大統領がイラン産原油輸送に対する「封鎖」再開を表明し、週末にかけて米国とイランの間でミサイル・ドローンによる激しい応酬が発生、イラン側はホルムズ海峡の再封鎖を主張した。これを受けて原油価格が急伸し、地政学リスクの高まりからリスク回避ムードが強まった。半導体最大手SKハイニックスが韓国市場で約20年ぶりの下げ幅を記録したことも投資家心理を悪化させ、米国市場でも半導体株が軒並み売られた。恐怖指数VIXは17.16と前日比14.17%の大幅上昇となり、市場のリスク回避姿勢を裏付けた。ダウ平均はエネルギー株の上昇に下支えされ相対的に下げ幅を抑えた。

セクター動向

原油価格の急伸(ブレント原油は一時前日比3%高の1バレル=78.50ドル前後)を背景にエネルギーセクターが上昇し、ダウ平均の下支え役となった。一方でハイテク・半導体セクターは大幅安となり、NASDAQの下落を主導した。SKハイニックスの急落を受けメモリー半導体関連が特に売られ、AI関連の高PER銘柄にも利益確定売りが波及した。ソフトウェア・SaaSセクターでは、個別材料を背景に急伸する銘柄も見られ、セクター内でのばらつきが目立った。全体として、地政学リスクの高まりによる質への逃避(Flight to quality)姿勢が強まり、ハイベータ・グロース株からディフェンシブ・エネルギー株への資金シフトが観察された。

注目銘柄

  • Figma, Inc. (FIG): +12.03% — 前日終値からの反発で急伸。株式の約42%が空売りされていたとされ、ショートスクイズが主因とみられる。Citizens Financial Groupが16万株超の新規ポジションを開示したことや、バンク・オブ・アメリカ、シティグループがAI成長期待を根拠に買い推奨・目標株価を提示したことも支援材料となった。
  • Atlassian Corporation (TEAM): +8.22% — Gartnerが「開発者生産性インサイトプラットフォーム」分野の初のマジック・クアドラントでリーダーに選出したことがDX・AI戦略への評価を後押し。傘下のAtlassian VenturesによるAI企業Rocketlaneへの戦略的出資も好感された。一部証券会社が目標株価を引き下げる中でも「アウトパフォーム」「オーバーウェイト」評価は維持されており、クラウド・AI関連の成長期待が株価を支えた。
  • Sandisk Corporation (SNDK): -12.67% — メモリー半導体大手SKハイニックスが韓国市場で約20年ぶりの急落を演じたことを受け、メモリー業界全体に売りが波及。韓国証券会社が同社の第2四半期営業利益が市場予想を約8%下回るとの見方を示したことも重石となった。米・イラン情勢の緊迫化による原油高がハイベータなハイテク株全般の重荷となったことも背景。ゴールドマン・サックスやエバコアISIが目標株価を引き上げる場面もあったが、需給悪化を打ち消せなかった。
  • AppLovin Corporation (APP): -12.65% — 明確な個別材料は確認されず、AI・半導体セクター全体のリスクオフ局面に巻き込まれた形。同日はエヌビディアが3%安、ブロードコムも3%超安となるなど高PERのAI関連グロース株が広く売られた。加えて、6月の広告ピクセル追加数が前月比で鈍化したとのバンク・オブ・アメリカの分析や、独自AI広告エンジン「AXON」のセルフサーブ・グローバル展開に伴う実行リスクへの懸念も上値を抑える材料として意識された。
  • Astera Labs, Inc. (ALAB): -12.33% — 利益確定売りに加え、会長マニュエル・アルバ氏が7月1日付でルール10b5-1に基づき約6050万ドル相当の自社株を売却していたことが判明し、インサイダー売却への懸念が重荷となった。韓国市場でのサムスン電子・SKハイニックス急落を受けたファブレス半導体株全般への売り圧力や、米・イラン情勢緊迫化による原油高もセンチメント悪化に拍車をかけた。なお年初来では依然として113%超の上昇を維持している。

為替・金利動向

ドル円相場は米・イラン情勢の緊迫化を受けたリスク回避の中でドルが買われ、前営業日比0.44%高の162.41円まで上昇し、円は対ドルで約162円台まで下落した。日本は原油の中東依存度が高く、原油高が直接的に円売り材料となった。米10年国債利回りは週初にかけて4.5%台後半で推移しており、地政学リスクの高まりが利回りの下支え要因となった。原油価格の上昇はインフレ再燃観測にもつながり、利下げ期待の後退が金利の高止まりを助長する形となった。

今後の注目点

7月14日には6月分の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、前月比-0.1%程度への鈍化が見込まれている。新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏が就任後初となる議会証言を7月14日に下院金融サービス委員会、7月15日に上院銀行委員会で行う予定であり、金融政策の方向性を見極める重要な機会として注目されている。また同日7月14日にはJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループの大手5行が寄り付き前に2026年第2四半期決算を発表する予定で、投資銀行部門の収益動向や純金利マージン(NIM)が焦点となる。翌7月15日にはブラックロックとモルガン・スタンレーも決算を控えている。加えて、米・イラン間の軍事的緊張とホルムズ海峡を巡る情勢の推移が、原油価格ひいては株式市場全体のリスクセンチメントを左右する最大の変動要因として引き続き警戒される。