日経平均株価は前日比116.59円安(-0.18%)の66115.60円で取引を終えた。前夜の米国株式市場で半導体関連株が買われた流れ(ナスダック100+1.93%、S&P500+0.89%、TSMCの受託生産価格引き上げ観測を好感)を受け、寄り付きは買いが先行したものの、午後にかけて戻り待ちの売りが優勢となり、ドル円が163円台まで急伸したことに伴うインフレ懸念も重荷となってマイナス圏に沈んだ。一方でTOPIXは前日比+0.45%の4033.13と底堅く推移し、値がさ株中心の日経平均とは対照的な動きとなった。東証グロース250指数は-1.07%の696.54と、新興市場は軟調な地合いが続いた。
日経平均小反落、ドル円163円台に急伸
日経平均は米半導体株高を追い風に買われる場面もあったが、戻り待ちの売りに押され前日比116.59円安(-0.18%)の66115.60円で終了。TOPIXは主力株中心に堅調で+0.45%高。値上がり上位は多木化学やインソースなど材料株、値下がり上位は渋沢倉庫や松屋など反動・決算売りが目立った。ドル円は163円台まで急伸し約39年7か月ぶりの円安水準となった。
市場概況
セクター動向
値上がり上位には、生成AI向け半導体生産の回復を背景に研磨材・電子部品関連(富士紡ホールディングスなど)が買われたほか、決算・株主還元強化を材料にした人材研修のインソース、大量保有報告を材料視した多木化学など個別材料株が目立った。非鉄金属セクターでも三井金属が米国の鉱物関連株高を受けて反発する動きがみられた。一方、値下がり上位では百貨店・小売セクターの松屋やJフロントリテイリングが決算を受けた業績モメンタム鈍化への懸念から売られたほか、倉庫・物流の渋沢倉庫は前日までの急騰の反動から利益確定売りに押され急落するなど、決算後の材料出尽くしや戻り待ちの売りが全体の重荷となった。
注目銘柄
- 多木化学 (4025): +9.46% — 英系ファンドによる株式大量保有が思惑視され、東証プライム値上がり率トップに買いが集中した。肥料・食品添加物を手掛ける老舗化学メーカーで、材料の乏しさから短期資金が入りやすい銘柄とされる。
- インソース (6200): +9.35% — 7月21日引け後に発表した2026年9月期第3四半期決算で連結営業利益が前年比3.7%増の44億4800万円と好調。あわせて東証上場10周年の記念配5.5円を含め年間配当を29.5円から35円に増額修正し、上限20億円・300万株の自社株買いも発表。株主還元強化を好感した買いが集中した。
- 富士紡ホールディングス (3104): +9.22% — 生成AI向け半導体生産の回復を背景にCMP(化学的機械研磨)用パッドなど研磨材事業の需要が拡大。直近四半期は研磨材・化学工業品両事業がけん引し営業利益が前年同期比20.7%増の大幅増益となっており、半導体関連の業績成長期待が継続的な買いを呼んでいる(米系証券は4月24日付で目標株価を3600円から4900円に引き上げ済み)。
- 渋沢倉庫 (9304): -13.95% — 前日7月21日に10年来高値の2144円を付けるなど短期急騰していた反動で利益確定売りが優勢となり急反落。倉庫・物流を中心に不動産事業も展開する中堅企業だが、急落を説明する新規開示材料は確認されておらず、値幅取りの需給主導の動きとみられる。
- 松屋 (8237): -7.69% — 2026年2月期第4四半期決算(7月14日発表)で売上高が前年比1.3%減、営業利益が同18.0%減の7億9200万円と減益となったことが尾を引き、銀座・浅草の百貨店事業の業績モメンタム鈍化を懸念した売りが継続している。
為替・金利動向
ドル円は22日午後、1ドル=163円18銭前後まで上昇し、1986年12月以来およそ39年7か月ぶりの円安・ドル高水準を記録した。中東・イラン情勢の緊迫化に伴う原油先物価格の上昇を背景に「有事のドル買い」が優勢となったほか、トランプ米大統領の関連発言も相場を押し上げた。163円台への突入で日本当局による為替介入への警戒感も急拡大している。長期金利は原油高によるインフレ懸念を映して上昇基調にあり、新発10年国債利回りは直近2.7%台での推移が伝えられている。
今晩の米国市場の注目点
前日7月21日の米国株式市場では、TSMCが受託生産価格を引き上げる計画と報じられたことを材料に半導体株中心へ買いが広がり、ナスダック100は+1.93%の29155.18ポイント、S&P500は+0.89%の7509.20ポイントとそろって上昇した。サンディスク(+14.27%)、ウエスタン・デジタル(+12.51%)、マイクロン・テクノロジー(+12.17%)などメモリ関連が急伸している。今週からIT・ハイテク大手の決算発表が本格化しており、AIブームの持続性を見極める決算内容に加え、中東情勢の緊迫化を受けた原油価格・ドル円の動向、および日本当局による為替介入観測の行方が引き続き焦点となる。
