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米国市場7/23 07:02 JST 時点のデータ

原油高とハイテク決算警戒でNY株小幅安

22日のNY株式市場はS&P500が0.14%安、ナスダックが0.57%安と続落。中東の軍事緊張を背景に原油価格が急伸し、この日夕方に決算発表を控えたアルファベットとテスラへの警戒感も重荷となった。個別ではSMCIやARWRが好材料で急騰する一方、GEVは市場予想を下回る決算で急落した。

S&P 500
7,498.96
-0.14%
NYダウ
52,218.58
-0.01%
NASDAQ
25,690.90
-0.57%
VIX
16.64
-2.40%

市場概況

2026年7月22日の米国株式市場は主要3指数が軟調に推移した。S&P500は前日比0.14%安の7498.96、ダウ工業株30種平均は0.01%安の52218.58とほぼ横ばい、ナスダック総合指数は0.57%安の25690.90で取引を終えた。中東情勢の緊張を背景に原油価格が急伸し、ブレント原油は一時1バレル=94ドル台、WTIは87ドル台まで上昇したことが株式市場の重荷となった。さらにこの日の取引終了後にアルファベットとテスラが「マグニフィセント・セブン」の中で最初に第2四半期決算を発表する予定となっており、投資家はAI関連投資の膨張と設備投資負担を見極めようと様子見姿勢を強めた。ゴールドマン・サックスがAI関連の起債が年初来で約4890億ドルに達したと指摘するなど、AIブーム関連債務への懸念も市場心理を圧迫した。一方でVIX指数は16.64(前日比2.4%低下)と落ち着いた水準にとどまり、指数全体の下げ幅は限定的だった。

セクター動向

この日は決算発表を材料にした個別銘柄の値動きが目立った。鉄道関連機器のウェスティングハウス・エア・ブレーキ・テクノロジーズ(ワブテック)は第2四半期決算で市場予想を上回るEPSと売上高を計上し、通期売上高・EPS見通しを引き上げたことで買われた。一方、電力インフラ大手のGEベルノバは売上高こそ市場予想を上回ったものの、EPSが市場予想を大きく下回り急落するなど、決算内容によって明暗が分かれた。エネルギー・資源セクターは中東情勢の緊張を受けた原油急騰の影響を受けやすく、投資家のリスク回避姿勢がハイテク・グロース株に重石となった一方、バイオテク・ヘルスケアセクターではアローヘッド・ファーマシューティカルズの臨床試験成功を受けた急騰が目立ち、個別材料次第でセクター内でも明暗が分かれる展開となった。

注目銘柄

  • Super Micro Computer, Inc. (SMCI): +19.84% — AIサーバー事業で四半期受注高600億ドル超を計上し、粗利益率見通しを15〜17%に引き上げたことが好感された。SpaceXなど大型顧客向け需要の拡大が受注残高を押し上げ、収益性改善への期待から急伸した。
  • Arrowhead Pharmaceuticals, Inc. (ARWR): +19.03% — 中性脂肪低下薬プロザシランの第3相試験(SHASTA-3、SHASTA-4)で主要評価項目・副次評価項目を達成したと発表。12カ月時点で中性脂肪値をそれぞれ79%、81%低下させる結果が示され、重症高トリグリセリド血症治療薬としての実用化期待から52週高値を更新した。
  • WEG S.A. (WEGZY): +10.78% — 第2四半期決算で純利益・EBITDAともに市場予想を上回り、海外事業の回復と想定を上回る収益性が好感された。ROICが33.6%まで上昇するなど資本効率の高さも評価され、ブラジル本国上場のWEGE3も急伸した。
  • Westinghouse Air Brake Technologies Corporation (WAB): +10.04% — 第2四半期決算でEPS2.76ドル(予想2.63ドル)、売上高31.8億ドル(予想31.1億ドル)といずれも市場予想を上回る好決算を発表。通期売上高見通しを123億〜126億ドル、調整後EPS見通しを10.60〜10.90ドルへ引き上げたことが好感された。
  • Penske Automotive Group, Inc. (PAG): +9.93% — 創業家のペンスキー・コーポレーションと三井物産が主導する投資家グループが、未保有の普通株式に対し1株210ドルの非拘束的キャッシュ買収提案を行ったと報じられ、非公開化期待から52週高値を更新する急騰となった。
  • Innio N.V. (INIO): -9.66% — 決算発表(7月28日予定)を前にした持ち高調整の売りが優勢となり、52週安値圏まで下落した。市場では次週に控える決算内容や需要動向への警戒感が上値を抑えたとみられる。
  • GE Vernova Inc. (GEV): -8.69% — 第2四半期決算で売上高111億400万ドル(前年比22%増)と市場予想を上回ったものの、EPSは2.47ドルと市場予想の3.23ドルを大きく下回った。年初来62%上昇していた反動もあり、オプション市場で想定されていた11.5%規模の値動きの通り急落した。
  • Reddit, Inc. (RDDT): -8.32% — ウォール・ストリート・ジャーナルが、レディットがグーグルに対するコンテンツ提供の制限を検討していると報道。グーグルの「AIオーバービュー」がレディットのサイトへの誘導トラフィックを奪っているとの懸念が背景で、年間6000万ドル規模とされるグーグルとのライセンス契約の先行き不透明感から売りが広がった。
  • Samsara Inc. (IOT): -7.60% — 直近6営業日で約29%急騰した反動から利益確定売りが優勢となった。インサイダー売却の動きに加え、バリュエーションの割高感を指摘するアナリストコメントも重なり、ファンダメンタルズ悪化というより短期的な調整とみられている。

為替・金利動向

外国為替市場ではドル高・円安が進行し、ドル円相場は夕刻にかけて円売りが強まり163円台前半まで上昇、約39年ぶりの円安水準となった。夜間には米長期金利の上昇もドル買いを支援した。米10年国債利回りは4.64%前後で推移し、中東情勢の緊張を受けた原油高によるインフレ再燃懸念が長期金利の押し上げ要因となった。

今後の注目点

22日の取引終了後にはアルファベットとテスラが「マグニフィセント・セブン」の先陣を切って第2四半期決算を発表する予定で、AI投資の収益化ペースや設備投資負担への市場の反応が注目される。来週にかけては7月29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策金利発表、7月30日には米GDP速報値(第2四半期)と6月分PCE(個人消費支出)価格指数の発表が控えており、金融政策と物価動向を巡る材料が相次ぐ見通し。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の動向も、インフレ見通しや企業コストへの影響から引き続き市場の関心を集めそうだ。