7月31日(金)の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇し、7月最終営業日を好調な地合いで終えた。S&P500は前日比0.7%高の7489.72、ダウ工業株30種平均は276.97ドル(0.53%)高の52485.03、ナスダック総合指数は1.0%高の25373.85で取引を終えた。市場を牽引したのはアマゾン・ドット・コムで、前日発表した第2四半期決算でAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高が前年比37%増と四半期売上高で200億ドルを超えるクラウド事業の急成長を示したことを好感し、株価は一時前日比15%超上昇する場面もあった。半面、長期金利の上昇が重荷となり、寄り付き後は伸び悩む場面も見られた。VIX指数(恐怖指数)は15.99(前日比-6.44%)まで低下し、投資家のリスク選好姿勢が強まったことを示した。決算発表が相次ぐ中、好決算銘柄と失望決算銘柄で株価が大きく明暗を分ける「決算相場」の様相を呈した一日となった。
アマゾン決算に沸く米国株、AI関連が牽引
7月31日の米国株式市場はアマゾンの好決算とAWS急成長を材料にナスダックが1.0%高。S&P500は7489.72(+0.7%)、ダウは52485.03(+0.53%)。一方でロブロックス、レディット、マステックなど決算失望銘柄は急落し、明暗が分かれた一日となった。
市場概況
セクター動向
アマゾンの好決算を受けて情報技術・一般消費財セクターが相場を牽引し、アルファベットが6%高、マイクロソフトやメタ・プラットフォームズも3%近く上昇するなど、AI関連・大手ハイテク(メガキャップ)株全般に買いが波及した。半導体関連もAI投資拡大への期待から堅調に推移した。一方、アップルは中国事業とサービス部門の決算内容が投資家の期待を下回ったことから軟調に推移し、ハイテク内でも銘柄選別が進んだ。通信サービスセクターはレディットの急落が重荷となり軟調だった。建設・インフラ関連ではマステックが決算失望で急落し、資本財セクターの重荷となった一方、電気工事のIESホールディングスはデータセンター向け需要の拡大を背景に急伸するなど、インフラ・データセンター関連銘柄内でも明暗が分かれた。
注目銘柄
- アマゾン・ドット・コム (AMZN): +15.26% — 第2四半期決算でAWS売上高が前年比37%増の422.3億ドルと4年ぶりの高い伸びとなり、受注残高が4960億ドルに達したことが好感された。純利益は投資先アンソロピック関連の一時的な評価益もあり62.6億ドルに急増。通期設備投資計画を2200億ドルに引き上げ、AI・自社チップ投資拡大への期待も株価を押し上げた。
- デックスコム (DXCM): +11.95% — 第2四半期決算で売上高が前年比13.1%増の13.1億ドルとなり、調整後EPSも市場予想を15%以上上回った。営業利益率は前年同期の18.4%から24.3%に改善。通期売上高ガイダンスを52.2億ドル(中央値)に上方修正したほか、FDAの「TEMPO」デジタルヘルス実証事業に第1号として選定されたこともAI活用型血糖管理プログラムの普及期待につながった。
- アイイーエス・ホールディングス (IESC): +30.27% — 2026年度第3四半期決算でEPSが6.70ドルとコンセンサス予想(4.83ドル)を約39%上回る大幅な増益となり、データセンター向け電気工事需要の急拡大を背景に受注残高が45億ドルに拡大した。前日には普通株式の1対2の株式分割も発表しており、好材料が重なった。
- ロブロックス (RBLX): -26.87% — 第2四半期決算で売上高が14.7億ドルとコンセンサス予想(15.9億ドル)を下回ったほか、1日当たりアクティブユーザー数が3四半期連続で減少しピーク時の1億5200万人から1億2300万人に落ち込んだことが嫌気された。第3四半期の予約高見通しも前年比14~18%減という弱い水準となり、通期ガイダンスの提示も見送ったことで複数のアナリストが投資判断を引き下げた。
- マステック (MTZ): -18.91% — 第2四半期決算で売上高は市場予想を上回ったものの、調整後EPSが2.22ドルと市場予想(2.23ドル)にわずかに届かず、通期EPSガイダンス(中央値9.30ドル)がアナリスト予想を下回ったことが失望売りを誘った。16.5億ドルで買収した電気工事会社スーペリア・グループに伴うレバレッジ上昇や株式発行の影響も投資家に意識された。
為替・金利動向
米長期金利は上昇基調が続き、10年国債利回りは日中に4.737%まで上昇し2025年1月以来の高水準を付けた。30年国債利回りも5.22%近辺と2007年以来の水準で推移しており、長期金利の上昇が株式市場の重荷となる場面も見られた。為替市場ではドル円が159.41円と前日比0.07%の小幅なドル安・円高となった。前日に日本の通貨当局が円買い介入を実施したとみられており、31日の日銀金融政策決定会合を控えて市場は追加介入への警戒感を残したまま円は159円台後半で推移した。なお米連邦準備制度理事会(FRB)は前週の会合で政策金利を3.50~3.75%のレンジで据え置いており、新議長の物価抑制姿勢を巡る不透明感もドルの重荷となっている。
今後の注目点
8月に入り、引き続き主要企業の決算発表が相次ぐ見通しで、市場は個別企業の業績とガイダンスに注目が集まる。金融政策面では日銀が7月31日に金融政策決定会合の結果を公表する予定で、為替介入観測が続く中での政策判断が円相場に影響を与える可能性がある。また長期金利の上昇基調が続いていることから、今後発表される米雇用統計や物価関連指標を通じてFRBの金融政策運営スタンスを見極める動きが続くとみられる。決算を受けて急落したロブロックスやレディットなど個別銘柄については、ユーザー動向や広告収益への影響を巡る続報にも注意が必要となる。
