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個別銘柄の決算分析はnoteで公開中

米国市場8/8 07:54 JST 時点のデータ

雇用統計悪化で利下げ期待、S&P500最高値更新

7月雇用統計の予想外の悪化を受け利下げ観測が強まり、米長期金利が低下。S&P500は最高値を更新し、決算好調なグロース株中心にナスダックが大幅高となった一方、決算失望銘柄は急落し明暗が分かれた。

S&P 500
7,757.64
+0.62%
NYダウ
54,036.93
+0.28%
NASDAQ
26,690.62
+1.30%
VIX
14.90
-1.65%

市場概況

2026年8月7日の米国株式市場は3指数がそろって上昇した。米労働省が発表した7月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比2.3万人減少と市場予想に反してマイナスとなり(政府部門で5.3万人減の一方、民間部門は3万人増)、失業率は4.1%に低下したものの労働参加率の低下が背景であった点や、平均時給の伸びが前年比3.2%と2021年5月以来の低水準にとどまった点が、労働市場の減速を印象づけた。この結果を受けて9月FOMCでの利下げ観測が強まり、米10年国債利回りは7bp低下の4.6%となった。株式市場は金利低下を好感し、S&P500は前日比+0.62%の7757.64で最高値を更新、ダウ平均は+0.28%の54036.93、ナスダック総合は好決算銘柄の急伸を追い風に+1.3%の26690.62まで上昇した。VIXは14.90(前日比-1.65%)まで低下し、市場心理は総じて落ち着いていた。

セクター動向

この日は決算発表が相次ぎ、好決算・上方修正を発表した銘柄と失望決算を発表した銘柄の明暗がくっきり分かれた展開となった。ソフトウェア・クラウド関連ではAtlassian、Twilioが大幅高となり、ヘルスケア・バイオではNatera、Halozymeが急伸、旅行関連ではAirbnbが上方修正を好感されて上昇するなど、グロース株全般が雇用統計を受けた金利低下を追い風に買われた。一方、建材のAmrize、動物用医薬品のElanco、半導体商社のArrow Electronics、中南米通信のMillicom、フィンテックのChimeなどは決算内容やガイダンスへの失望から売られ、指数の上昇とは対照的に大幅安となった。全体として、金利低下がグロース株への資金流入を後押しする一方、個別の決算内容によって銘柄間のばらつきが大きい相場展開だった。

注目銘柄

  • Atlassian Corporation (TEAM): +35.31% — 第4四半期決算で売上高が前年比28%増の17.66億ドルとなり市場予想を上回った。クラウド売上高は前年比31%増と加速し、非GAAP EPSは1.87ドルで予想を上回った。非GAAP営業利益率は前年の24%から36%に拡大。AI機能「Rovo」の月間アクティブユーザーが100万人を突破したことも好感され、Mike Cannon-Brookes CEOが最大2.5億ドルの自社株買いを表明したことも株価を押し上げた。
  • Twilio Inc. (TWLO): +24.89% — 第2四半期決算で調整後EPSが1.47ドル(予想1.32ドル)、売上高が15億ドル(予想14.3億ドル)と上振れ、オーガニック売上高は前年比17%増加した。会社は2026年通期の売上高成長率見通しを従来の14〜15%から18〜18.5%に大幅上方修正し、第3四半期売上高ガイダンスも市場予想を上回ったことで、クラウド通信需要の加速期待から急騰した。
  • Airbnb, Inc. (ABNB): +17.43% — 第2四半期決算でEPSが1.37ドル(予想1.25ドル)、売上高が36.1億ドル(予想35.8億ドル、前年比17%増)と好調。総予約額(GBV)は前年比16%増の272億ドル、宿泊・体験予約数は同10%増と第1四半期から加速した。会社は通期売上高成長率見通しを従来の「低〜中一桁台後半」から「中一桁台半ば以上」に引き上げ、調整後EBITDAマージン見通しも35.5%以上に上方修正したことが好感された。
  • Amrize Ltd (AMRZ): -8.94% — 第2四半期決算でEPSが0.88ドルとなり市場予想の0.96ドルに届かず、売上高は35億ドルと予想(33.5億ドル)を上回ったものの、原油価格上昇に伴うコストインフレを理由に通期調整後EBITDA見通しを従来の31.5億〜33.4億ドルから31億〜32億ドルに下方修正した。通期売上高見通しは上方修正したが、採算悪化への懸念が優先され売られた。
  • Arrow Electronics, Inc. (ARW): -8.45% — 前日8月6日発表の決算・ガイダンスで、第3四半期売上高見通しは96億〜102億ドル、EPS見通しは4.83〜5.03ドル(前年比約28%増)と半導体部材需要の回復を示す内容だった一方、AI・航空宇宙・産業向け需要が牽引したGlobal Components部門が74億ドルを計上したのに対し、ECS(エンタープライズ・コンピューティング)部門はパートナー再編費用が利益率を圧迫。増収基調にもかかわらず採算面への懸念から、直近の株価上昇分を吐き出す形の利益確定売りが優勢となった。

為替・金利動向

外国為替市場ではドル円が前日比0.55%安の157.55円まで下落し、円高ドル安が進行した。弱い雇用統計を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まったことがドル売りの主因となった。米10年国債利回りは前日から7bp低下し4.6%となった。FRBは前週のFOMCで政策金利を3.50〜3.75%のレンジで据え置くことを9対3の賛成多数で決定しており、インフレ動向次第では9月会合での利上げを主張する当局者もいる一方、今回の弱い雇用データにより利下げ観測が台頭するなど、当局内でも金融政策の方向性を巡る見方が分かれている状況が続いている。

今後の注目点

市場の関心は、今回の弱い雇用統計を受けてFRBが9月のFOMCでどのような判断を下すかに移っている。労働市場の減速シグナルが強まる一方、一部当局者はインフレ動向次第で利上げを主張しており、今後発表される消費者物価指数(CPI)などのインフレ関連指標が政策判断を左右する重要な材料となる。また決算シーズンが引き続き佳境にあり、今回のような好決算・失望決算による個別銘柄の値動きの大きさが続く可能性があるため、主要企業の決算発表内容や通期ガイダンスの修正動向にも引き続き注目が集まる。