日経平均株価は前日比126円55銭安の65142円78銭で終え、2日続落となった。前日の米国株安や原油高への警戒感を受けて軟調に始まり、心理的節目の65000円近辺まで下落する場面があったが、その後は下げ渋った水準からの押し目買いが入り、半導体・AI関連株が買われて日中高値65794円03銭まで持ち直した。しかし後場に入ると新規の材料難から次第に買いが手控えられる展開となり、上げ幅を縮小して安値引けとなった。TOPIXは4046.64(前日比-0.09%)、グロース250は783.76(同-0.42%)とそろって小幅安。日経平均の押し下げ寄与度が大きかったのはアドバンテストやファーストリテイリング、東京エレクトロンなどで、押し上げ寄与ではソフトバンクグループ、フジクラ、イビデンなどが目立った。翌10日には米8月生産者物価指数(PPI)、11日には米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、さらに来週には米FOMCと日銀金融政策決定会合も予定されており、目先はイベント通過待ちで様子見ムードが強い地合いとなっている。
日経平均2日続落、電線株急伸 アルビスTOBでS高
9日の東京株式市場で日経平均は2日続落し65142.78円(前日比-0.19%)で引けた。米国株安や原油高を受け軟調に始まったが、半導体・AI関連の押し目買いで一時65794円まで戻す場面もあった。電線株が軒並み急伸した一方、アルビスはTOB発表でストップ高、協和キリンは治験失敗で続落した。
市場概況
セクター動向
電線関連株が全面高となり、古河電気工業、フジクラ、住友電気工業のいわゆる「電線御三家」がそろって急伸した。データセンター向けAI関連需要の拡大を背景に、電線各社は2024年以降続く株高基調を維持しており、古河電工は連日で年初来高値を更新する動きとなった。半導体材料関連では、住友ベークライトがAIデータセンター向け半導体関連材料の需要拡大を材料に買われ、2027年3月期第1四半期の増収増益(売上収益+22.6%)を裏付けとした最高値圏での推移が続いている。工業用材料では東海カーボンが、8月末から9月上旬にかけて複数の証券会社が目標株価を相次いで引き上げたことを手掛かりに上値を伸ばした。電子部品では日本電波工業がAIデータセンター向け水晶デバイス需要の拡大期待を背景に上昇した。一方、値がさのグロース株には利益確定売りが優勢となり、Appier Group、モノタロウ、クオンツ総研ホールディングスなどの高PER銘柄が下落した。翌週以降の米PPI・CPI発表を控え、インフレ指標の上振れによる米金利上昇への警戒から、直近で上昇が目立っていた高PER銘柄が調整を強いられた形。医薬品セクターでは協和キリンが個別材料をこなせず続落した。
注目銘柄
- アルビス (7475): +20.00% — ライフコーポレーションが1株3780円(想定買収額約263億円)でTOBを実施すると9月8日に発表、アルビスも賛同を表明したことを受けてストップ高買い気配となり、東証プライムの値上がり率トップとなった。
- 古河電 (5801): +12.63% — フジクラ、住友電気工業とともに「電線御三家」がそろって急伸。AIデータセンター向け需要の拡大を背景に電線株全般が買われ、古河電工は連日で年初来高値を更新した。
- 東海カーボン (5301): +9.27% — 8月末から9月上旬にかけて複数証券会社が目標株価を相次ぎ引き上げたことが手掛かりとなり上昇。増収増益が続く業績動向も支援材料となった。
- 協和キリン (4151): -5.88% — 9月8日、開発中の点眼剤「KHK4951」(新生血管型加齢黄斑変性対象)の第2相国際臨床試験で主要評価項目を達成できなかったと発表したことを受け、失望売りが継続し4日続落となった。
- Appier (4180): -5.43% — 8月末から9月上旬にかけて目標株価引き上げなどを手掛かりに急伸していた反動から利益確定売りが優勢となった。翌週の米PPI・CPI発表を控え、高PER・グロース株全般に売りが出やすい地合いも重荷となった。
為替・金利動向
9日の東京外国為替市場でドル円は軟調に推移し、早朝に付けた153円98銭から午後には153円11銭まで下落した。日銀による金融引き締め加速の思惑から円買いが優勢となる展開が続いた。長期金利(新発10年国債利回り)は日銀の政策正常化観測を背景に上昇基調にあり、9月1日実施の10年国債入札では平均落札利回りが2.995%、最低落札価格に対応する利回りが3%を上回るなど、数年ぶりの高水準で推移している。
今晩の米国市場の注目点
9月10日(現地時間)には米8月生産者物価指数(PPI)が発表されるほか、オラクルとアドビが決算を発表する。アドビは取引終了後に2026年度第3四半期決算を発表予定で、市場予想は売上高約66.9億ドル、Non-GAAP EPS約6.09ドル。翌11日には米8月消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、インフレ指標の結果次第でFRBの利上げ観測や長期金利の動向が左右され、AI・半導体関連を中心とした米ハイテク株や高PERのグロース株の値動きに影響を与える可能性がある。
