11日の東京株式市場は大幅反落し、日経平均株価は前日比1259.61円安の64011.34円で取引を終えた。下げ幅は一時2000円を超える場面もあり、終値ベースで約1カ月ぶりの安値水準となった。TOPIXは前日比0.65%安の4028.3、東証グロース市場250指数も1.83%安の767.93と、主要3指数がそろって下落した。背景には、原油価格の上昇と米長期金利の上昇を受けた世界的なインフレ再燃・金融引き締め継続への懸念があり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。値下がり銘柄は950を超え、東証プライム市場全体の6割超を占める弱い地合いとなった。
日経平均1259円安、原油高・米金利上昇が重荷
11日の東京株式市場は大幅反落。原油高と米長期金利の上昇を嫌気したリスク回避の動きが強まり、日経平均は1259.61円安の64011.34円と約1カ月ぶり安値。TOPIX、グロース250も下落し、半導体・AI関連株が売られた一方、保険や海運、鉱業など資源関連は堅調だった。
市場概況
セクター動向
東証33業種では保険、海運、輸送用機器、鉱業など11業種が上昇した一方、非鉄金属、電気機器、石油石炭製品、サービスなど22業種が下落し、値下がり業種が大勢を占めた。とりわけ電気機器セクターの下落が目立ち、キオクシアホールディングスやアドバンテスト、東京エレクトロンといった半導体・AI関連の主力株が軒並み売られ、指数の重荷となった。一方、原油高を受けて資源・鉱業関連には物色が向かい、値上がり業種の上位に入った。
注目銘柄
- エアトリ (6191): +16.25% — 前日10日に2026年9月期の最終利益予想の上方修正と1株あたり150円の増配を発表したことが好感され、ストップ高買い気配となる急騰が継続。IT開発事業の新規連結寄与により第3四半期累計は増収増益を確保しており、業績改善期待が資金流入を後押しした。
- ファーマF (2929): +11.25% — 本日9月11日が2026年7月期本決算の発表日にあたり、決算内容を材料に買いが先行したとみられる。同社は3月に経常利益予想を33%上方修正しており、第3四半期までは厳しい進捗ながら通期では増収・大幅増益(純利益は前期比307.6%増見込み)を見込んでおり、この決算への期待感が株価を押し上げた。
- 福井銀 (8362): +4.92% — 米長期金利の上昇を受けた国内長期金利の連動上昇を背景に、利ざや改善期待から地方銀行株に資金が向かった。個別材料は確認できないが、金利高進を追い風とする金融セクター全般の物色の流れに沿った動きとみられる。
- gumi (3903): -19.10% — 同社が推進する「推し活」トークン「オシトークン(OSHI)」が9月4日に約90%の暴落を記録し、この余波が株価にも波及。本日は10年来安値となる210円を記録するなど、暗号資産関連事業への信認低下が売りを加速させた。
- クミアイ化 (4996): -12.65% — 本日後場に2026年10月期第3四半期決算を発表し、通期利益予想を109億円から85億円へ22.0%下方修正。農薬事業の棚卸資産評価損や化成品事業の減損・構造改革費用が響き、営業利益26.7%減・最終利益36.7%減の大幅減益見通しとなったことが嫌気された。
為替・金利動向
ドル円は米長期金利上昇を支えに底堅く推移し、8月米PPIが市場予想を上回る前年比+5.4%となったことを受けてドル買いが強まり、一時154円台後半(154.67円前後)まで上昇する場面があった。もっとも国内では長期金利の上昇や日経平均の大幅下落を受けた円買い圧力も観測され、方向感が定まりにくい展開。米10年国債利回りは財務省の長期債買い入れが上限に届かなかったことなどを背景に4.96%まで上昇し、約3年ぶりの高水準となった。原油(WTI)は中東情勢の緊迫化とサウジの減産報道を受け1バレル=100ドルを突破し、インフレ再燃観測を強めている。
今晩の米国市場の注目点
日本時間21:30に発表される8月米消費者物価指数(CPI)が最大の焦点で、市場予想は前年比3.4%(前回3.4%)。インフレ加速が確認されれば、来週のFOMCでの利上げ観測が一段と強まり、ドル買い・長期金利上昇が進む可能性がある。このほか23:00には9月ミシガン大学消費者信頼感指数(予想51.0、前回51.7)、8月の米財政収支(前回-3448億ドル)も発表予定。原油高・金利高を背景にディフェンシブ銘柄への資金シフトが続くか、CPI結果を受けた米国株市場の反応が注目される。
