2026年9月11日の米国株式市場は、S&P500が前日比0.86%高の7656.98、ダウ工業株30種平均が0.98%高の52573.29、ナスダック総合指数が0.96%高の26333.04でそれぞれ取引を終えた。4営業日続落していた主要3指数は、原油価格の急落を材料に反発した。一方でこの日発表された消費者物価指数(CPI)はやや強めの内容となり、市場では利上げ観測が浮上する場面もあったが、株式相場はこれを織り込みつつも上昇して終えた。なお週間ベースでは、ダウが1.6%安、S&P500が0.8%安となっており、この日の上昇は週間の下落分を一部取り戻す動きとなった。恐怖指数(VIX)は15.84(前日比-11.21%)まで低下し、市場心理の改善を示した。
米国株4日ぶり反発、HPE・DELL急伸でハイテク主導
9月11日の米国株式市場は4営業日ぶりに反発。原油価格の急落を好感し主要3指数がそろって上昇した一方、CPI発表を受け利上げ観測も浮上した。HPEやDELLがAIサーバー需要を追い風に決算・増額ガイダンスで急騰し、VIXは大幅低下した。
市場概況
セクター動向
この日はハイテク・半導体セクターが相場全体を牽引した。企業向けサーバー・ストレージ関連では、AIインフラ投資拡大を背景にHPEが決算で市場最高の四半期売上高を記録し12%超急伸したほか、DELLもAIサーバー向け受注が過去最高を記録して10%超上昇するなど、AIインフラ関連銘柄への資金流入が目立った。ストレージ大手のNetAppも決算内容が市場予想を大幅に上回り上昇した。半導体のON Semiconductorも自動車・データセンター向け需要の回復期待から買われた。一方でクラウドインフラ関連のDigitalOceanは好決算にもかかわらず売られるなど、AI関連の中でも銘柄選別の動きが見られた。
注目銘柄
- Hewlett Packard Enterprise (HPE): +12.44% — 会計年度第3四半期決算で売上高122億ドル(前年同期比34%増)と過去最高を記録し、非GAAP EPSも初めて1ドルを突破。AIサーバー・ネットワーク事業の需要拡大を背景に通期フリーキャッシュフロー見通しを引き上げ、複数のアナリストが目標株価を引き上げたことも追い風となった。
- Dell Technologies (DELL): +11.98% — 2027会計年度第2四半期決算で売上高470億ドル(前年比58%増)、EPSは前年比273%増の6.34ドルとなり市場予想を大幅に上回った。AIサーバー受注は四半期で609億ドルに達し、バックログは過去最高の950億ドルに拡大。通期ガイダンスの大幅引き上げも好感された。
- Hut 8 (HUT): +8.83% — ビットコインマイニングからAIデータセンター事業への転換が評価され上昇。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたNVIDIAとAnthropicの大型クラウド契約に絡み、同社がテキサス州で開発中のデータセンターが関連インフラを担うとの観測が材料視されたほか、フリーダム・キャピタルが「買い」で新規カバレッジを開始したことも支援材料となった。
- NetApp (NTAP): +8.54% — 2027会計年度第1四半期決算で売上高20.3億ドル(前年比約30%増)、非GAAP EPS2.58ドルと市場予想を大幅に上回る好決算を発表。AI需要を背景に受注(ビリング)は36%増となり、通期売上高・EPS見通しも上方修正したことが好感された。
- DigitalOcean (DOCN): -6.18% — 四半期決算はEPS0.45ドル(予想0.26ドル)、売上高2.812億ドル(予想2.790億ドル)といずれも市場予想を上回ったにもかかわらず下落。株式の16.97%に達する高水準の空売り比率や、直近の株価上昇に対する利益確定売り、バリュエーションへの警戒感が重石となったとみられる。
為替・金利動向
米10年国債利回りは4.96%で終了し、原油高を背景としたインフレ・利上げ観測の高まりを受けて上昇した。為替市場では日本円が対ドルで約7カ月ぶりの高値圏まで上昇する場面があり、キャリートレードの巻き戻しや資金の本国回帰観測、日本の金融政策引き締めを求める米国からの政治的圧力などが円買い材料として指摘された。日本の10年国債利回りも2.99%(前日比+0.07%pt)まで上昇している。
今後の注目点
次回のFOMC(連邦公開市場委員会)は2026年9月15〜16日に開催され、16日午後2時(東部時間)に政策金利発表とSEP(経済見通し)が公表される予定。現行の政策金利誘導目標は3.50〜3.75%で据え置かれているが、直近のCPI上振れを受けて市場では利上げの可能性も一部で意識されており、パウエル議長の記者会見での発言内容が注目される。また、ON Semiconductorは9月16日にアナリストデーを予定しており、AIデータセンターおよび自動車向け需要見通しに関する追加情報が市場の材料となる可能性がある。
