28日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比約617円安の59917円46銭(前日比-1.02%)と6万円の大台を割り込んで取引を終えた。前場は前日の米国株がまちまちとなったことを受けて小幅下落でスタートし、プラス圏に浮上する場面もあったが上値は重く、後場に入ってアドバンテスト<6857>とソフトバンクグループ<9984>が大きく売られ、下げ幅は600円超に拡大した。一方でTOPIXは前日比0.99%高の3772.19ポイント、グロース250指数も1.53%高の774.22ポイントとともに上昇した。前日引け後に強力な業績ガイダンスと大幅増配を発表したきんでんがストップ高となり、電気設備工事セクター全体に波及効果が広がった。プライム市場の値上がり銘柄684社に対して値下がりは838社と全体では下落優勢ながら、日経平均の下落がハイテク大型株に集中した形となった。日銀は本日の金融政策決定会合(2日目)で政策金利の据え置きを決定している。
日経平均6万円割れ、電設株急騰でTOPIXは反発
28日の東京株式市場で日経平均は前日比1.02%安の59917円と6万円の大台を割り込み反落。アドバンテストやソフトバンクグループなど半導体・テクノロジー大型株の売りが指数を押し下げた。一方、きんでんの大幅増配・好業績ガイダンスを受け電設セクターが急伸し、TOPIXは0.99%高、グロース250は1.53%高と逆行高。日銀は同日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。
市場概況
セクター動向
本日最大の物色テーマは電気設備工事(電設)株だった。前日27日引け後にきんでん<1944>が2026年3月期の営業利益48%増という好決算と、2027年3月期の年間配当240円予想(前期130円から大幅増配)、自社株公開買付を発表したことが材料視され、翌28日にきんでんがストップ高、関電工<1942>も急伸するなど関連銘柄が軒並み大幅高となった。電力インフラ関連では東光高岳<6617>も決算発表を控えた期待から急騰した。半導体・テクノロジーセクターは対照的に軟調で、米国上場のARM株の大幅安やSOX指数の反落を受けてアドバンテスト、ソフトバンクグループが日経平均の押し下げ役となった。グロース250の上昇が示すとおり中小型・グロース株には買いが継続し、大型テクノロジーとの二極化が鮮明な一日となった。
注目銘柄
- ブイキューブ (3681): +19.57% — 2025年12月期に6.55億円の債務超過に陥り上場廃止基準への抵触リスクを抱える中、スポンサー企業との提携による事業再生交渉が継続しており、再建進展への思惑から投機的な買いが集まったとみられる。同社は2026年の業績予想を未定としており、具体的な提携先の確定発表が材料化する展開となっている。
- ティラド (7236): +18.50% — 4月27日引け後に2026年3月期決算(営業利益53.8%増の112.49億円、純利益106.2%増と大幅増益)と2027年3月期の年間配当800円予想(前期560円から240円増配、4期連続増配)を発表。米国での収益性改善が主因で、高配当利回りおよそ9.8%が評価され夜間PTSでストップ高水準に達した。
- きんでん (1944): +14.43% — 4月27日引け後に2026年3月期の連結営業利益48.0%増(90.3億円)と2027年3月期の97億円(前期比7.5%増)のガイダンス、年間配当240円予想(前期130円から大幅増配)および自社株公開買付を発表。強力な株主還元策と好業績が重なり、28日はストップ高を記録した。
- PCA (9629): -13.02% — 2026年3月期第3四半期累計(4〜12月)の連結経常利益が前年同期比10.4%減の19.2億円と大幅減益となったことが嫌気された。売上高は過去最高を連続更新しているものの、利益進捗率は通期計画の76%にとどまりコスト増加が収益を圧迫。業績の伸び悩みが確認されたことで失望売りが膨らんだ。
- SBG (9984): -9.86% — グループ傘下のARM株(米国上場)が約8%急落したことが直接の打撃となり、連動する形で大幅安。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が19日続伸の後に反落に転じたことも半導体関連全体の地合いを悪化させ、前週4月20〜24日に約25%上昇していた分の利益確定売りが加速した。
為替・金利動向
本日の東京市場でドル円は159円台半ばから後半で推移し、前場は159.57円付近まで円安・ドル高が進んだ。中東情勢(米国とイランの停戦協議)の進展観測を受けた有事のドル買いの巻き戻しがドル高圧力をやや和らげる場面もあったが、全体的に円安基調が続いた。日銀は4月27〜28日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した(政策委員3名が反対)。植田和男総裁は記者会見で、基調的な物価上昇率について「全体として上振れリスクの方が大きい」と指摘しつつ、中東情勢による原油高が企業収益・家計実質所得への下押し要因となりうるとして状況を注視する姿勢を示した。利上げ路線は堅持する考えを明確にしており、次回以降の会合での利上げ判断が引き続き市場の焦点となっている。
今晩の米国市場の注目点
本日28日(米国現地時間)の主要経済指標として、コンファレンス・ボード発表の4月消費者信頼感指数、2月ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)、4月リッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されている。消費者信頼感指数は米家計の景況感・雇用見通しを測る指標として、FRBの金融政策や米ドル相場への影響が大きく注目度が高い。また4月28〜29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されており、政策金利の決定は29日(現地時間)に公表される予定。今週はアルファベット(GOOGL)やマイクロソフト(MSFT)など主要テクノロジー企業の決算発表も控えており、AI向け設備投資の動向や業績見通しが市場の関心を集めている。
