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個別銘柄の決算分析はnoteで公開中

米国市場4/29 07:04 JST 時点のデータ

OpenAI懸念でナスダック0.9%安、決算で銘柄二極化

4月28日の米株式市場はOpenAIの収益・ユーザー成長が自社目標を下回ったとの報道を受けAI関連株に売りが広がり、ナスダックが0.90%安、S&P500が0.49%安で引けた。一方、サンミナとセンティーンはそれぞれ好決算で10%超急騰。ラムバスは決算ミスとアナリスト格下げが重なり21%超の急落となった。

S&P 500
7,138.80
-0.49%
NYダウ
49,141.93
-0.05%
NASDAQ
24,663.80
-0.90%
VIX
17.83
-1.05%

市場概況

4月28日の米国株式市場は主要3指数がそろって下落した。S&P500は前日比0.49%安の7138.80、ダウ工業株30種は0.05%安の49141.93、ナスダック総合は0.90%安の24663.80で引けた。中小型株指数のラッセル2000は1.2%下落した。

下落の主因はOpenAIを巡る懸念だった。ウォール・ストリート・ジャーナルがOpenAIの新規ユーザーと収益が同社の自社目標を下回っていると報じ、大規模なAI設備投資を支える収益基盤への疑問符が台頭した。これを受けてオラクルが5%超急落し、エヌビディアが1%超、AMDが3%超下落するなどAIインフラ関連株全般に売りが波及した。

個別株では決算を材料にした強い動きが見られた。GMは第1四半期の調整後EPS3.70ドルがアナリスト予想2.62ドルを大幅に上回り、2026年通期見通しを引き上げて5%超上昇。コカ・コーラも予想を上回る四半期決算を発表し2%高となった。VIX(恐怖指数)は17.83と1.05%低下し、市場全体として大規模なパニック売りには至らなかった。

セクター動向

テクノロジー・AIインフラセクターはOpenAIの収益懸念から半導体・クラウド関連株に幅広く売りが出た。オラクル、エヌビディア、AMDが顕著に下落したほか、電子機器受託製造(EMS)では明暗が分かれ、サンミナ(SANM)が好決算で急騰する一方、セレスティカ(CLS)は決算・ガイダンス超過でも「材料出尽くし」で急落した。

ヘルスケアセクターは内部で二極化が目立った。マネージドケア(保険)分野はセンティーン(CNC)の好決算・ガイダンス引き上げが牽引し、ヘルスケアプラン指数は3.33%上昇した。CMS(米国医療保険センター)が2027年メディケア・アドバンテージの最終支払い率を前年比+2.48%と決定したことも追い風となった。一方、医療機器分野はジンマー・バイオメット(ZBH)のCFO退任発表を受けて医療機器セクター指数が1.73%下落した。

メディア・ストリーミングセクターではスポティファイ(SPOT)が第2四半期の低調なガイダンスで12.43%急落し、同分野への投資家センチメントを冷やした。エネルギー関連では原油価格上昇が見られたが、市場全体への影響は限定的だった。

注目銘柄

  • サンミナ (SANM): +14.56% — 2026会計年度第2四半期決算が大幅超過達成。売上高40.1億ドル(予想32.7億ドル)、調整後EPS3.16ドル(予想2.40ドル)と前年同期比で売上高・利益がほぼ倍増。ZTシステムズ経由のAIコンピュートラック受注拡大と7.3%のコア成長が牽引。通期売上高ガイダンスを137〜143億ドル(Street予想上回る)に引き上げ、6億ドルの自社株買いも発表した。
  • センティーン (CNC): +13.95% — 第1四半期売上高499.4億ドル(予想475.5億ドル)、調整後EPS3.37ドルが予想を上回る好決算。通期調整後EPSガイダンスを3.00ドル超から3.40ドル超に引き上げ。医療費比率は87.3%と予想89.1%を大幅に下回りコスト管理を評価された。CMSが2027年メディケア・アドバンテージの最終支払い率を+2.48%に設定したことも追い風となった。
  • ラムバス (RMBS): -21.17% — 第1四半期売上高1.802億ドルがコンセンサス予想1.897億ドルを下回り、第2四半期製品売上高ガイダンスも失望を招いた。ベアード証券がアウトパフォームからニュートラルに格下げし、2026〜27年後半にDRAM供給不足が深刻化した場合もラムバスは単価上昇の恩恵が受けにくいと指摘した。株価は3月末安値79.73ドルから4月24日高値158.40ドルへ約98%急騰しており、バリュエーション面での修正売りも重なった。
  • セレスティカ (CLS): -14.37% — 調整後EPS2.16ドル(予想2.07ドル)、売上高40.4億ドル(予想39.5億ドル)と決算は予想超過。通期売上高ガイダンスも190億ドル(旧ガイダンス170億ドル)へ引き上げたにもかかわらず急落した。AI・クラウドインフラ分野への高い投資家期待が先行していたため「材料出尽くし」の売りが優勢となった。過去3か月でインサイダーが約9,770万ドル相当の株式を売却していたことも投資家心理に影響したとみられる。
  • スポティファイ (SPOT): -12.43% — 第1四半期はMAU7.61億人(前年比12%増)、EPS3.45ドル(予想2.95ドル)と好決算だったが、第2四半期ガイダンスが失望を招いた。第2四半期営業利益ガイダンスは6.30億ユーロで市場予想6.84億ユーロを大幅に下回り、プレミアム加入者数も2.99億人と予想3.003億人に届かない見通しを示した。マーケティングやクラウド・AI投資拡大で営業費用が前年比17%増となったことも懸念材料となった。

為替・金利動向

米10年国債利回りは約4.35%と1か月ぶりの高水準に上昇した。4月28〜29日のFOMC会合開催を前にポジション調整の売りが出た。現行のフェデラルファンド金利誘導目標は3月17〜18日会合での据え置き決定を受けて3.50〜3.75%となっており、市場は29日の政策決定発表とパウエル議長の記者会見でのフォワードガイダンスを注視している。

為替市場ではドル円が159.68円(前日比+0.16%)で推移した。日本銀行が政策金利を据え置き、植田総裁が今後の利上げ時期について明確なガイダンスを示さなかったことを受けて円に売り圧力がかかった。片山さつき財務相は必要に応じて為替介入を辞さない姿勢を改めて表明した。ドルインデックス(DXY)は約98.5で前日比ほぼ横ばいとなった。米国とイランの外交的解決に向けた動きがドルの安全資産需要を若干抑制した一方、原油価格の上昇がエネルギー輸入国通貨に影響した。

今後の注目点

FOMC政策決定(4月29日): 4月28〜29日のFOMC会合の結果発表が29日に予定。市場参加者は現行金利の据え置きを大勢で予想しているが、パウエル議長の記者会見での利下げ時期や経済見通しに関するコメントが焦点となる。

GDP速報値・PCEデータ: 2026年1〜3月期のGDP速報値および3月のPCEデフレーター(個人消費支出物価指数)の発表が近く予定されており、景気の強さとインフレ動向の確認材料として注目される。

大型テクノロジー企業の決算: アップル、アマゾン、メタなど大型テクノロジー企業の決算発表が今週末から来週にかけて続く。AI設備投資計画と業績へのOpenAI競争激化の影響がポイントとなる。

OpenAI関連の動向: 今回の下落の主因となったOpenAIの収益・ユーザー成長懸念に関し、追加報道や公式見解の有無によってはAI関連株全体への波及が続く可能性がある。

貿易・関税動向: 米国の関税政策をめぐる交渉の進展が引き続き市場センチメントに影響を与えており、新たな合意または追加関税に関するニュースには注意が必要。