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米国市場5/2 07:04 JST 時点のデータ

5月相場好発進、NASDAQが最高値更新

2026年5月1日の米国株式市場は、アップルの好決算を追い風にNASDAQ総合が0.89%高の25114.44と最高値を更新、S&P500も0.29%高の7230.12で最高値を塗り替えた。アトラシアン・Twilio・Redditが揃って決算コンセンサスを大幅超過しソフトウェア株が急騰。一方ロブロックスとサミット・セラピューティクスは業績・臨床試験の失望から急落した。

S&P 500
7,230.12
+0.29%
NYダウ
49,499.27
-0.31%
NASDAQ
25,114.44
+0.89%
VIX
16.99
+0.59%

市場概況

2026年5月1日の米国株式市場は、強力な決算シーズンを背景にNASDAQ総合が0.89%高の25114.44と史上最高値を更新し、S&P500も0.29%高の7230.12で最高値を塗り替えた。一方、ダウ平均は0.31%安の49499.27と小幅に反落した。

最大の上昇要因はアップル(AAPL)の決算で、第2四半期の売上高・EPS双方が市場予想を上回り、株価が3%超上昇してナスダックを牽引した。加えてアトラシアン・Twilio・Redditがそれぞれ決算で大幅ビートを達成し、SaaS・プラットフォームセクター全体に強い買いが入った。中東情勢の緊張緩和への期待も地合いを支える一因となった。

VIXは16.99(+0.59%)とやや上昇したものの依然として低水準を維持し、市場のリスク選好姿勢は損なわれなかった。S&P500とNASDAQは2020年以来最強の月間パフォーマンスとなった4月の勢いをそのまま5月に引き継いだ格好となった。

セクター動向

【テクノロジー・ソフトウェア】アトラシアン(TEAM、+29.58%)、Twilio(TWLO、+23.83%)、Reddit(RDDT、+13.07%)が相次いで大幅ビート決算を発表し、SaaSセクター全体を強力に牽引した。アップルの好決算も加わり、AI需要の旺盛さが改めて確認された。

【AI・クラウドインフラ】ネビウス・グループ(NBIS)が+11.76%と大幅高。AI推論・クラウドインフラへの需要拡大期待が持続しており、テック決算ラッシュの追い風を受けて機関投資家の資金流入が続いた。

【消費財(ステープルズ)】クロロックス(CLX)が通期ガイダンスの大幅引き下げを嫌気され9.67%急落し52週安値を更新した。関税・サプライチェーンコスト上昇が消費財企業の収益を圧迫しており、セクター全体でアンダーパフォームとなった。

【ヘルスケア・バイオテック】サミット・セラピューティクス(SMMT)が主力候補薬の臨床試験中間解析をめぐる失望で24.91%急落した。バイオテックセクターは引き続き個別材料による荒い値動きが続いている。

【電気自動車(EV)】リビアン(RIVN、-8.41%)とNIO(NIO、-7.51%)がともに大幅下落した。リビアンはキャッシュバーン懸念、NIOは4月月次デリバリーの前月比減少が嫌気され、EV全体でマクロ不透明感と需要鈍化への警戒が根強い。

【ゲーム・エンターテインメント】ロブロックス(RBLX)が18.33%急落した。子どもの安全対策強化に起因するDAU減少と大幅なガイダンス引き下げが市場に大きな衝撃を与えた。

注目銘柄

  • アトラシアン (TEAM): +29.58% — 2026年度Q3(1月〜3月期)決算が市場予想を大幅に上回り急騰。調整後EPSは1.75ドル(予想1.32ドル)、売上高17.9億ドル(予想16.9億ドル、前年比+32%)。クラウド収益が29%増、データセンター収益が44%増と高成長を継続し、AI製品「Rovo」の月次アクティブユーザーが前月比20%超増加。通期売上成長見通しを22%から約24%へ引き上げたことも好感された。
  • Twilio (TWLO): +23.83% — Q1 2026決算が予想を大幅超過し、AI音声インフラ企業としての再評価買いが殺到。調整後EPSは1.50ドル(予想1.27ドル)、売上高14.1億ドル(予想13.4億ドル)と同社3年来最高の成長率を記録。AI対応製品による音声収益が20%増。2026年通期売上成長率ガイダンスを14〜15%に引き上げ、Bank of Americaが目標株価を110ドルから190ドルへ大幅引き上げ「買い」に格上げした。
  • サミット・セラピューティクス (SMMT): -24.91% — 主力候補薬ivonescimabのHARMONi-3試験中間解析で「問題なし・試験継続」判定が出たものの、市場が期待していた早期のポジティブ有効性シグナルが得られなかったとして失望売りが殺到。同時発表のQ1決算では非GAAP純損失が前年同期比で倍増(1.166億ドル)し、臨床試験拡大に伴う費用急増も嫌気された。HARMONi-3試験の最終結果は2026年下半期の発表予定。
  • ロブロックス (RBLX): -18.33% — Q1デイリーアクティブユーザーが1.32億人と市場予想(1.438億人)を大きく下回り、通期ブッキングガイダンスを73.3〜76億ドルへ大幅引き下げ(従来予想82.8〜85.5億ドル)。2026年1月に導入した年齢確認義務化が未成年ユーザーの流入を抑制しており、経営陣自身がこの安全対策が新規ユーザー成長を鈍化させると認めた。複数のアナリストが格下げを実施した。
  • リビアン (RIVN): -8.41% — Q1決算自体は予想超過だったものの、投資家はキャッシュバーンと需要鈍化に焦点を当て売りが優勢となった。DOEローンを65.7億ドルから45億ドルに減額し、ジョージア工場の生産能力を40万台から30万台へ縮小してR2モデルの需要鈍化を事実上認めた形となった。ゴールドマン・サックスが目標株価を19ドルから17ドルへ引き下げ、竜巻被害による中部イリノイ工場への影響も追い打ちをかけた。

為替・金利動向

米10年国債利回りはFOMCで政策金利が据え置かれた翌営業日の5月1日も4.42%近辺で高止まりした。FOMCでは3名の理事が声明文に反対票を投じ、タカ派的なシグナルとして受け止められた。市場では2027年4月までに利上げに転じる確率を約3分の1と織り込む動きも出ており、「利下げ再開」から「据え置き継続」へと期待が後退した。

ドル円(USD/JPY)は157円25銭近辺で推移。日本銀行が政策金利を0.75%に据え置いたことでドル高・円安の圧力が続いたが、4月下旬に当局が160円台からの急落を抑止する円買い介入を実施した影響が残り、円は2カ月超ぶりの急反発後の水準を維持した。アップル好決算を背景にリスク選好ムードが強まり、ドルは対主要通貨で底堅く推移した。

原油価格は中東情勢の緊張緩和期待から下落し、エネルギーセクターへの利益確定売りを誘った。ドルインデックス(DXY)は小幅高で底堅く推移した。

今後の注目点

米雇用統計(4月分):5月8日発表予定。非農業部門雇用者数と失業率がFRBの追加利上げ・据え置き判断に直結するため、最重要指標として注目される。タカ派的なFOMC声明を受け、市場は雇用の強弱に対してより敏感に反応する可能性がある。

消費者物価指数(CPI):5月中旬発表予定。FOMCが利下げ再開を封印する中、インフレ再加速の有無を確認するうえで重要。コアCPIの動向が利上げ確率の再評価につながりうる。

決算シーズンの継続:エヌビディア・マイクロソフトなど主要テック・AI銘柄の決算が引き続き控えており、AI投資の実態やガイダンスが市場の方向性を左右する。

中東情勢:停戦協議の進展状況が地政学的リスクプレミアムと原油価格を通じて広範な市場に影響する。緊張の再燃はリスクオフ要因となりうる。

米中貿易・関税動向:追加関税交渉の行方が消費財・EV・サプライチェーン関連セクターへのコスト圧力に直結する。クロロックスなど消費財メーカーはすでに通期見通しへの影響を認識しており、交渉の動向が今後の業績修正の方向性を左右する。