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米国市場5/5 07:03 JST 時点のデータ

中東リスクとアマゾン物流参入が米株を直撃

5月4日の米国株式市場は、イランによるUAE攻撃で原油が急騰し地政学リスクへの懸念が急拡大。ダウ平均は557ドル安(-1.13%)と大幅安、S&P500も-0.41%で引けた。アマゾンが物流網を外部開放する新サービスを発表し、UPS・FedExが約10%急落。一方、ステーブルコイン法案の超党派妥協でCRCLが約20%急騰し明暗が分かれた。VIXは7.65%上昇し18.29と警戒水準が高まった。

S&P 500
7,200.75
-0.41%
NYダウ
48,941.90
-1.13%
NASDAQ
25,067.80
-0.19%
VIX
18.29
+7.65%

市場概況

5月4日の米国株式市場は、中東情勢の急激な悪化と企業固有の材料が重なり、広範な売りに見舞われた。イランがUAEに対してミサイル攻撃を実施し、UAEがこれを迎撃する事態に発展。ホルムズ海峡の安全性への懸念から国際指標ブレント原油は5.8%高の1バレル114.44ドル、WTI原油も4.39%高の106.42ドルへ急騰した。ダウ平均は557.37ポイント安(-1.13%)の48,941.90ドル、S&P500は0.41%安の7,200.75で引け、NASDAQ総合は0.19%安の25,067.80ドルと比較的底堅く推移した。恐怖指数VIXは7.65%上昇して18.29となり、投資家の警戒感の高まりを示した。アマゾンが物流ネットワークを外部企業向けに開放する「Amazon Supply Chain Services」を発表したことも市場に追加の下押し圧力をもたらし、特に資本財・物流セクターに打撃を与えた。

セクター動向

S&P500セクター別では、エネルギー(+0.95%)とテクノロジー(+0.02%)のみがプラスを維持した。中東情勢悪化による原油高がエネルギー株を支え、テクノロジーはステーブルコイン関連やAI銘柄の上昇に支えられほぼ横ばいを保った。一方、素材(-1.62%)と資本財(-1.02%)が最大の下落セクターとなった。資本財セクターではアマゾンが「Amazon Supply Chain Services」として80,000台のトレーラー・24,000個のインターモーダルコンテナ・100機の航空機を含む物流インフラを外部開放すると発表したことで、物流・運輸各社に売りが殺到した。C.H. Robinson(CHRW)やSaia(SAIA)など輸送株も8〜9%台の急落を記録し、同セクター全体を押し下げた。フィンテック・暗号資産関連はステーブルコイン法案進展を好感し、Coinbase(+6.41%)やRobinhood(+4.22%)もプラスで引けた。

注目銘柄

  • Circle Internet Group (CRCL): +19.89% — 上院議員TilisとAlsobrooksがデジタル資産市場明確化法(CLARITY Act)の超党派妥協案を公表したことが主要カタリスト。ステーブルコイン発行大手として規制環境の改善期待が急速に高まった。同日MetaがUSDCを用いたクリエイター報酬をSolana・Polygonネットワーク上に導入し、VisaもUSDCを利用するブロックチェーンネットワークを拡大。同法の2026年成立確率(Polymarket)は61%へ上昇した。
  • Nebius Group (NBIS): +14.18% — 5月1日発表の推論・モデル最適化専門企業Eigen AI(買収額6億4,300万ドル)の買収継続期待に加え、TD SYNNEXのAI Infrastructure-as-a-ServiceにNBISのAIネイティブクラウド基盤とNVIDIA HGX B300クラスターを提供するパートナーシップを発表。Q1 2026決算(5月13日予定)への期待も後押しした。
  • Venture Global (VG): +8.17% — イランによるカタール最大LNGプラントへの攻撃報道でプラント損傷の懸念が浮上。ホルムズ海峡の輸送障害で世界LNG供給の約20%に影響が及ぶ恐れがあるとされ、米国LNG輸出大手のVGはスポット価格高騰の恩恵を受けやすい未契約ボリュームが多く、LNG供給代替先として資金が集中した。
  • United Parcel Service (UPS): -10.47% — アマゾンが物流ネットワーク(トレーラー8万台・インターモーダルコンテナ2.4万個・航空機100機)を外部企業向けに開放する「Amazon Supply Chain Services」を発表。アマゾンはすでに2026年半ばまでにUPS経由荷物量を50%超削減する方針であり、その大口顧客が同時に直接競合として市場参入することで回復シナリオへの懐疑論が急拡大した。Q1 2026 EPS(1.02ドル)も前年同期比27%超の減益だった。
  • FedEx (FDX): -9.11% — UPSと同様に、アマゾンが航空輸送・陸上輸送・宅配を含む物流全セグメントで直接競合する新サービスを発表したことが直撃。FedExが競争優位を持っていた医療・製造・小売向け法人物流市場にもアマゾンが本格参入する構図となり、1年以上ぶりの大幅下落となった。

為替・金利動向

ドル円は中東情勢悪化を受けて乱高下し、157円近辺(157.06円付近)で落ち着いた。イランとUAEの緊張が安全資産の円への逃避需要を喚起する一方、原油高によるインフレ懸念がドル需要を支え、方向感が定まりにくい展開となった。米10年国債利回りは4.40%台前後で推移し、原油高に起因するインフレ再加速懸念と地政学リスクによる安全資産需要が拮抗した。日銀は4月28日の政策決定会合で政策金利を据え置きとしつつ、イラン情勢に伴うエネルギー価格上昇を受けてインフレ見通しを引き上げており、日米金利差は引き続き円安方向に作用している。原油ではBrent原油が5.8%高の114.44ドル、WTI原油が4.39%高の106.42ドルと急騰し、エネルギー価格全般のボラティリティが高まった。

今後の注目点

中東情勢の行方: ホルムズ海峡の通航安全と原油・LNG供給への影響が継続して市場センチメントを左右する。米国のイラン外交・軍事動向と産油国の対応が焦点。②主要企業決算: Venture Global(VG)が5月12日、Nebius Group(NBIS)が5月13日にそれぞれQ1 2026決算を公表予定。エネルギーとAIクラウドの両テーマにおける業績ガイダンスに注目が集まる。③米国4月CPI(5月中旬公表予定): 原油急騰が4月のエネルギー価格指標に反映される可能性があり、FedのインフレスタンスとFOMC(次回6月予定)の利下げ判断に影響しうる。④ステーブルコイン法案の審議動向: CLARITY Actの議会審議スケジュールと採決見通しが暗号資産・フィンテック関連株の動向を決める。⑤Amazon Supply Chain Servicesの影響範囲: 物流各社がアナリスト説明会等で業績への影響を開示するか注目される。