27日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比ほぼ横ばいの6万4999円41銭(+0.01%)で取引を終えた。前日(5月26日)は4営業日ぶりに反落し6万4996円09銭(-0.25%)だったが、本日は65000円水準を回復する形となった。一方、東証株価指数(TOPIX)は3918.01(-0.52%)、東証グロース市場250指数は826.84(-1.85%)と下落し、日経平均と小型・成長株の間に顕著な格差が生じた。決算発表シーズンを通過した後も、個別銘柄の業績や材料を手がかりにした物色が続く展開となった。グロース市場では信用規制や急騰反動売りに伴う大幅安銘柄が複数出て指数の重荷となった。日経平均は引き続き65000円近辺で底堅さを示している。
日経平均65000円台維持、グロース株は大幅安
27日の東京株式市場で日経平均株価は前日比ほぼ横ばいの6万4999円41銭(+0.01%)で終え、65000円台を辛うじて維持した。一方TOPIXは-0.52%、グロース250は-1.85%と小型・成長株に広く売りが出た。AI関連テーマへの選好は続くものの、信用規制や業績悪化を受けた急落銘柄が相次ぎ、個別格差が鮮明な一日となった。
市場概況
セクター動向
半導体製造装置セクターでは、KOKUSAI ELECTRIC(6525)が+8.50%と大幅高となり、AI向け半導体需要の旺盛さが改めて意識された。同社は2027年3月期の業績拡大見通しとアナリストの目標株価引き上げが材料視されており、AI半導体投資のサイクル加速期待が引き続き株価を支えている。AI関連のハイブリッドスーパーキャパシター(HSC)事業を展開する武蔵精密工業(7220)も急伸し、AI・データセンター関連テーマへの資金流入が継続していることが確認された。化学・樹脂セクターでは、積水化成品工業(4228)が業績上方修正と増配を手がかりに急騰。食品・飲料セクターでは、ダイドーグループHD(2590)が第1四半期の黒字転換決算を好感されて上昇した。一方、情報通信・ソフトウェアセクターでは、アステリア(3853)が東証による信用取引規制措置を受けて急落。FIG(4392)も直近の急騰に対する利益確定売りが集中し大幅安となった。グロース市場は-1.85%と、成長株全般に利益確定の動きが広がった。
注目銘柄
- 武蔵精密工業 (7220): +9.97% — エヌビディア決算通過後もAIデータセンター向け事業への関心が継続する中、同社が展開するハイブリッドスーパーキャパシター(HSC)の成長性が改めて評価された。AI・データセンター関連株全般への買い直しの流れが波及し、売り方の買い戻しも重なって出来高を伴う急伸となった。
- 積水化成品工業 (4228): +9.11% — 2026年3月期本決算で最終損益の上方修正と増配を発表したことが好感された。通期の営業利益は前期比298.0%増の25.52億円と大幅増益、最終利益も21.47億円の黒字転換を達成しており、業績の急回復が評価されて買いが集中した。
- ダイドーグループHD (2590): +8.37% — 前日に発表した2027年1月期第1四半期決算で、営業利益が前年同期比14.5億円の赤字から15.6億円の黒字へと大幅に黒字転換したことが材料視された。海外飲料事業(トルコ・ポーランド)の好調に加え、前期に計上した減損損失に伴う減価償却費の低減が国内事業の採算改善に寄与した。通期利益10.5億円(前期比約2.5倍)の見通しを維持しており、業績回復の確度が高まったとの評価が買いを呼んだ。
- FIG (4392): -12.64% — 同社株は2026年2月24日時点の338円から5月21日の1981円まで約3カ月で486%超の急騰を演じていた。本日は過熱感に対する利益確定売りが集中し大幅安となった。AI・DX関連テーマ株として短期資金が大量流入していた反動であり、需給悪化による下落圧力が一気に顕在化した形となった。
- アステリア (3853): -12.04% — 東京証券取引所が同社株式に対して信用取引に関する臨時の規制措置を実施したことが直接的な要因。信用買い残の積み上がりに対応した措置とみられ、規制発動により新規信用買いが制限されて強制決済等の需給悪化を招いた。同社の2026年3月期決算は売上収益33.89億円(前期比+6.9%)、営業利益10.25億円(同+31.2%)と好業績だったが、信用規制という需給面の悪材料が業績面の好材料を完全に上回った。
為替・金利動向
本日のドル円相場については確定データが取得できていない。直近の市場環境として、日本銀行は金融政策正常化路線を継続しており、国内長期金利(10年国債利回り)は高水準での推移が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期をめぐる不確実性が残る中、日米金利差の動向が引き続き円相場に影響を与えている。TOPIXが-0.52%と日経平均を下回る推移となっており、外需・グローバル株が相対的に弱含んだ可能性がある。為替動向については本日の確定値が得られ次第の確認が必要となる。
今晩の米国市場の注目点
米国では5月25日(月)がメモリアルデーの祝日で市場が休場となったため、5月26日(火)に取引が再開し、本日27日(水)は休日明け2日目の取引となる。エヌビディアの決算発表はすでに通過しており、AI半導体需要に対する市場の評価と次の物色テーマへの移行が焦点となる。エヌビディア決算後のAI関連株全体の方向性は、翌日の東京市場でも半導体・AI関連銘柄の値動きに直結するため注視が必要。また、米国の関税政策や財政赤字問題をめぐる議会動向、FRB高官の発言内容も引き続き注目材料となる。米国長期金利(10年国債利回り)の動向は日米株式市場の双方に影響するため、米国債市場の値動きも重要な確認ポイントとなる。
