5月26日(火)のニューヨーク株式市場は、メモリアルデー(5月25日)明けの取引でまちまちの展開となった。S&P500は前日比0.61%高の7519.12と過去最高値を更新し、NASDAQも1.19%高の26656.18と史上最高値を記録した。一方、ダウ平均工業株価指数は0.23%安の50461.68と小幅反落。トランプ大統領がTruth Socialに「米・イラン停戦交渉は順調に進んでいる」と投稿したことが相場の下支えとなったが、交渉が決裂した場合は軍事的選択肢もあり得ると示唆したことで上値は限られた。市場の主役は半導体・AI関連株で、マイクロン・テクノロジーが19%超急騰し相場全体を牽引した。VIX(恐怖指数)は前日比2.53%上昇の17.01と、記録更新局面でもわずかながら警戒感が高まった。
S&P500・NASDAQ最高値更新、半導体株が牽引
5月26日の米株式市場はメモリアルデー明けの取引でS&P500が0.61%高の7519.12と過去最高値を更新、NASDAQも1.19%高の26656.18で史上最高値を記録。マイクロン・テクノロジーがUBS目標株価大幅引き上げで19%超急騰し時価総額1兆ドルを初めて突破した。ダウ平均は0.23%安と小幅反落。テクノロジー・工業・素材が上昇を主導し、エネルギーが最大の下落セクターとなった。
市場概況
セクター動向
テクノロジーセクターが最大の上昇セクターとなった。マイクロン・テクノロジーが19%超急騰したほか、ブロードコムが3%上昇、アルファベットが1%上昇とAI関連の選別物色が活発だった。一方、エヌビディアは0.5%下落、マイクロソフトとアマゾンがそれぞれ0.8%・0.7%安と大型テック株でも明暗が分かれた。工業・素材セクターも堅調に推移し、指数の上昇を下支えした。エネルギーセクターは最大の下落となった。米・イラン和平交渉の進展期待を背景に原油価格が軟調で、エクソンモービルが1.9%安、Venture Globalが6.8%安と大幅安となった。暗号資産・フィンテック関連株でも一部銘柄に利益確定売りや規制懸念が波及した。
注目銘柄
- Vicor Corporation (VICR): +24.24% — Q2 2026売上高ガイダンスを1億2600万ドルから1億4200万ドルへと大幅に上方修正。特許技術(Factorized Power・Vertical Power Delivery)の新規OEMライセンシーからのロイヤルティ収入増加と、AI向けデータセンターの電力効率ソリューション需要拡大が背景。株価は過去最高値を更新した。
- Futu Holdings (FUTU): +19.99% — 前週に中国証券当局による調査・制裁提案ニュースで急落した反動リバウンド。同社の中国本土口座比率が全体の13%にとどまると再確認され業績影響が限定的と判断された。2026年5月23日時点で約1億6000万ドル規模のADS自社株買いを実施済みと開示されており、需給面での下支えも意識された。
- Micron Technology (MU): +19.28% — UBSが目標株価を535ドルから1625ドルへと約3倍に大幅引き上げ。直近のQ2 FY2026決算(売上高239億ドル・EPS12.20ドル)が好調で、HBMおよびDRAMの顧客需要が供給能力の150〜200%に達する構造的需給逼迫を指摘。NVIDIA向けHBM4の量産出荷と初の5年間戦略顧客契約締結も材料となり、時価総額が1兆ドルを初めて突破した。
- AutoZone (AZO): -8.99% — 第3四半期(FY2026)決算で売上高が48.4億ドルと市場予想の48.7億ドルをわずかに下回った。EPS(38.07ドル)はコンセンサス(36.17ドル)を上回ったが、メキシコ・ブラジルなど海外市場の不振が嫌気され、売上ミスを重視した売りが膨らんだ。国内既存店売上高は5.5%増と前年から加速したものの株価反応を和らげるには至らなかった。
- Circle Internet Group (CRCL): -7.91% — 暗号資産市場全体の軟調がステーブルコイン関連株に波及。加えてインサイダーによるRule 144に基づく売却予告(Form 144)の提出が需給上のオーバーハング懸念として意識され、売り圧力が強まった。暗号資産規制動向への不確実性も引き続き投資家心理に影響している。
為替・金利動向
ドル円は159.37円前後で推移し、前日比約0.29%のドル高・円安となった。米10年国債利回りは4.51%で推移した。米・イラン交渉進展期待から安全資産への逃避需要がやや後退したものの、米財政赤字への根強い懸念が長期金利の高止まり要因となった。株式市場がリスクオンの動きを示すなかでも、金利水準は依然として高く、高バリュエーション株への評価を制約する場面もみられた。
今後の注目点
①米・イラン核協議の行方:トランプ大統領が「交渉は順調」と述べる一方、失敗時の軍事選択肢も示唆。進展・頓挫いずれも原油価格やエネルギー株に直接影響する。②FRB高官発言と金融政策見通し:インフレ指標と雇用データを踏まえた利下げ時期に市場の関心が集まっており、PCEデフレーターや雇用統計などの主要経済指標発表が相場の方向性を左右する。③半導体セクターの持続性:マイクロン・ビコーなど急騰銘柄の利益確定圧力と、AI設備投資継続を示す需要指標・企業ガイダンスに注目。④暗号資産規制動向:CRCL・FUTUなど規制リスクが顕在化した銘柄については米中双方の当局の動向を引き続き注視する。⑤ウクライナ・中東の地政学リスク:イラン情勢に加えウクライナ停戦交渉の動向も市場センチメントに影響するため、週内の外交ニュースに注意が必要。
