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米国市場5/28 07:03 JST 時点のデータ

ダウ最高値更新、半導体AIラリー継続—ZS過去最大の急落

2026年5月27日の米国株式市場は、ダウ平均が50,644.28ドルと過去最高値を更新したが、S&P500とNASDAQはほぼ横ばい。イランのホルムズ海峡正常化報道で原油が急落しエネルギー株が売られた。半導体・AIインフラ株が市場を下支えした一方、ZscalerとBoston Scientificはガイダンス引き下げで急落。Dycom Industriesは記録的な決算で25%超急騰した。

S&P 500
7,520.36
+0.02%
NYダウ
50,644.28
+0.36%
NASDAQ
26,674.73
+0.07%
VIX
16.29
-4.23%

市場概況

5月27日の米国株式市場は、ダウ平均が182.60ポイント(+0.36%)上昇し50,644.28ドルと過去最高値を更新した。S&P500は7,520.36(+0.02%)、NASDAQ総合は26,674.73(+0.07%)といずれも過去最高値圏で推移したが、上昇幅は極めて小幅にとどまった。イラン国営メディアが「ホルムズ海峡の商業輸送を1カ月以内に戦前水準へ戻す」と報じたことを受け、WTI原油先物が5.55%下落し1バレル88.68ドルで引けた。エネルギー株への売りが広がった一方、AI・半導体関連株が市場を支えた。Micron Technologyはアナリストの目標株価引き上げを受けて19.3%急騰し、時価総額が初めて1兆ドルを突破したことも話題となった。VIX恐怖指数は16.29と4.23%低下し、相場の安定が示された。S&P500の11セクター中、テクノロジー・資本財・素材の3セクターが上昇をけん引した一方、エネルギー・生活必需品・ヘルスケアが下落した。

セクター動向

テクノロジーセクターはAI・半導体関連株の強い上昇によって最も好調なセクターとなった。MicronがUBSの目標株価引き上げを受けて19.3%急騰したほか、AppLovinやIREN Limitedなどのアドテック・AIインフラ株も大幅高となった。資本財セクターではDycom Industriesが記録的な決算を発表し大幅に上昇、データセンター向けファイバーインフラ需要の拡大が業績を牽引していることが示された。エネルギーセクターはホルムズ海峡の正常化報道による原油急落を受けて急落。ヘルスケアセクターはBoston ScientificがWATCHMANデバイスの需要鈍化を理由にガイダンスを引き下げ、セクター全体の重しとなった。サイバーセキュリティ株はZscalerの過去最大の急落が波及し、Palo Alto NetworksやCrowdStrikeも連れ安となった。中国関連株はPDD Holdings(テムー親会社)の決算ミスを受けてリスク回避の動きが広がった。

注目銘柄

  • Dycom Industries (DY): +25.84% — 2027年度第1四半期決算で売上高が19.6億ドルとアナリスト予想16.7億ドルを前年同期比56.1%増の記録的水準で大幅超過。EPS4.42ドルも予想2.72ドルを上回り、通期売上高ガイダンスを73.8〜76.5億ドル(従来69〜71.5億ドル)に引き上げた。National Technology Integratorsの買収も発表。データセンター向けファイバーインフラ需要の爆発的拡大が主因。
  • IREN Limited (IREN): +13.52% — Dell Technologiesとの16億ドル規模のハードウェア購入契約締結が好感された。Nvidiaとの34億ドルのAIインフラ提携やMicrosoftへの300MW液冷データセンター展開プロジェクトも進行中であり、AI関連インフラ株としての資金流入が継続した。
  • AppLovin (APP): +10.45% — 2026年第1四半期の売上高18.4億ドルが予想17.8億ドルを上回ったほか、6月に予定するAXONセルフサーブ広告プラットフォームの一般公開への期待が高まった。UBS・ドイツ銀行・Wedbushなどが目標株価を引き上げ、Metaがモバイル広告の特定トラフィックを競争対象としないとの報道も追い風。
  • Zscaler (ZS): -31.52% — Q3 FY2026決算後に2027年度の年間経常収益(ARR)成長率ガイダンスが16〜17%と市場予想を下回り、同社史上最大の下落幅を記録。2人の営業幹部の離職が判明したほか、フリーキャッシュフローマージン見通しを約370bp引き下げた。Evercore ISIがアウトパフォームから中立へ格下げし、サイバーセキュリティセクター全体に売りが波及した。
  • Boston Scientific (BSX): -12.46% — バーンスタイン年次カンファレンスで経営陣が2026年通期のオーガニック成長率ガイダンスを6.5〜8%(Q2は5〜7%)に引き下げた。WATCHMAN心臓デバイスの成長鈍化、競合製品投入による電気生理学部門への圧力、泌尿器科部門の軟調が主因。過去1年間で約46%下落している同株にとって、さらなる失望材料となった。

為替・金利動向

ドル円は159.19円近辺で推移し、円は対ドルで約1カ月ぶりの安値水準が続いた。日銀の植田総裁の発言がハト派的と受け止められたことや、米金利の高止まりが円安を促進した。米10年国債利回りは4.50%前後で推移し、短期金利(2年債)は4.1%超とFRBの政策金利誘導目標上限(3.75%)を大幅に上回っており、引き続き利下げ観測の後退を示している。原油価格はイランのホルムズ海峡正常化報道を受けWTI先物が1バレル88.68ドルへ5.55%急落し、エネルギーコストの低下によるインフレ緩和への期待が高まった。

今後の注目点

5月28日(木)には4月のPCE(個人消費支出)物価指数、GDP第2次速報値、耐久財受注、新規失業保険申請件数など複数の重要経済指標が発表される予定で、FRBの利下げ時期を見極める上で市場の注目を集めている。コア PCEは特にインフレ鈍化の進捗確認に重要視されている。6月上旬には雇用統計の発表も控えており、労働市場の底堅さが金融政策に与える影響が焦点となる。半導体・AIインフラ関連銘柄については、Micronの急騰を受けてAI向け半導体需要の拡大をめぐる投資家の関心が一段と高まっており、大手テクノロジー企業の設備投資計画の動向も引き続き注目される。サイバーセキュリティセクターでは、Zscalerの急落がPalo Alto NetworksやCrowdStrikeなど競合他社の株価にも波及しており、セクター全体の投資家心理の回復がいつ見込めるか注目される。