5月28日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比0.47%安の64,693.12円で取引を終え続落。TOPIXも0.41%安の3,902.01と連れ安となった。前日(2026年5月27日)の日経平均は64,999.41円(前日比+0.01%)で、取引時間中には一時66,000円台を超えた後に失速していた経緯があり、本日は利益確定売りが優勢な展開となった。一方、グロース250指数は0.63%高の832.01と中小型成長株が相対的に底堅く推移した。市場全体では大型株が上値の重い展開となった半面、電子部品関連が決算発表や製品値上げ報道を材料に賑わいを見せた。個別材料を抱えた銘柄では、好材料に急騰するものと悪材料で急落するものが混在し、銘柄間格差の大きい一日となった。
電子部品株が急騰、日経は続落64,693円
5月28日の東京株式市場は、日経平均が前日比0.47%安の64,693.12円で続落。TOPIXも0.41%安となった一方、グロース250は0.63%高と小型株が逆行高。電子部品セクターでは太陽誘電・日ケミコン・TORENXなどが決算好業績や製品値上げを材料に急騰した。配当落ちのタマホームと業績悪化のブイキューブは大幅安。
市場概況
セクター動向
電子部品・受動部品セクターが本日の主役となった。積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの製品価格改定報道や好決算を手がかりに、太陽誘電(6976)が+17.00%のほか、トレックス・セミコンダクター(6616)、日本ケミコン(6997)、日本電波工業(6779)がいずれも13%前後の大幅高を記録した。非鉄金属・素材セクターでも大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)が+12.90%と航空・産業向け需要回復期待を背景に買われた。半面、ITサービスセクターではブイキューブ(3681)が業績悪化・上場廃止懸念を嫌気して急落。住宅建設セクターではタマホーム(1419)が期末配当落ちと配当下方修正が重なり大幅安となった。グロース250の上昇が示すように、中小型・成長株が大型株をアウトパフォームする構図となった。
注目銘柄
- 太陽誘電 (6976): +17.00% — 台湾メディアが積層セラミックコンデンサ(MLCC)・インダクタ・アルミ電解コンデンサ等を5月から値上げすると報道したことが主要材料。加えて2026年3月期連結決算で売上高3,553億円(前期比+4.1%)・営業利益200億円(同+91.2%)と大幅増益を達成し、コンデンサ事業が売上高2,518億円(同+8.5%)と牽引。5月21日開催のアナリスト向けスモールミーティング内容も引き続き好感されており、好業績と価格改定の両面が材料となった。
- TOREX (6616): +14.16% — 5月14日発表の2026年3月期連結決算で売上高250億7,300万円(前期比+4.7%増)・営業利益10億8,500万円と大幅な業績回復を達成した。産業機器向けパワーマネジメントICの販売増が全セグメントの増収増益に寄与し、自己資本比率も52.4%へ改善。半導体市場全体の回復基調も追い風となり、次期も増収増益見通しを示したことが評価され、決算発表後から買いが続いた。
- 日ケミコン (6997): +13.32% — 2026年3月期連結業績は売上高1,368億円(前期比+11.5%増)と増収を確保。2027年3月期の業績見通しとして売上高1,600億円・営業利益80億円(前期実績33億円からの大幅改善)を提示したことが株価を押し上げた。2026年度を初年度とする第11次中期経営計画でアルミ電解コンデンサ事業の収益力抜本改善を掲げたことも評価材料となり、直近1ヶ月で50%超の上昇が続いている。
- ブイキューブ (3681): -15.15% — 2025年12月期連結決算は売上高98.6億円(前期比-5.8%)・営業損失20.6億円と大幅な業績悪化。6億5,500万円の債務超過に陥り、東京証券取引所の上場廃止基準への抵触リスクが継続的に意識されている。スポンサー企業との提携による経営再建を模索しているものの、具体的な回復策が見えない状況が続いており、本日も年初来安値圏での売りが拡大した。
- タマホーム (1419): -9.18% — 本日5月28日が5月決算企業の期末配当の権利落ち日にあたり、配当利回りが高い同社では権利確定後の売りが集中した。加えて期末配当予想を下方修正(期末配当予想を125円に減額修正)していたことで、配当落ちと減配修正という二重の悪材料が重なり大幅安を招いた。
為替・金利動向
本日の為替市場では、ドル円が159円台半ばで推移し、先週のレンジ相場の上限を明確に上抜ける円安方向の動きが確認された。米国の財政拡大と日米金利差を背景にドルが全般に底堅く、円は軟調な展開が続いた。株探の本日の確定データではドル円終値が取得できなかった(indicatorsのusdjpyはnull)。ユーロ円も円安方向で推移したもようである。日本国債市場については、日銀の追加利上げ観測と財政懸念が金利に対して上昇圧力をかける構図が続いており、長期金利の動向が引き続き株式市場の上値を抑制する要因として意識されている。
今晩の米国市場の注目点
本日夜(米国時間5月28日)の米国株式市場では複数の重要イベントが集中している。決算発表は取引開始前にベストバイ(Q1)・ダラー・ツリー(Q1)・ホーメル・フーズ(Q2)が予定されており、取引終了後にはオートデスク(Q1)・コストコ・ホールセール(Q3)・デル・テクノロジーズ(Q1)・ネットアップ(Q4)が控える。特に小売大手コストコと技術大手デル・テクノロジーズの決算は市場の関心が高い。経済指標については、FRBが金融政策判断で重視する4月の個人消費支出(PCEデフレーター)、2026年1-3月期GDP改定値、4月の新築住宅販売件数の発表が予定されており、特にPCEデフレーターの結果は今後の利下げ時期観測に直接影響するとして注目されている。
