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米国市場5/29 07:03 JST 時点のデータ

S&P500最高値更新、SNOW急騰でAI株全面高

5月28日の米国株式市場は主要3指数が上昇。S&P500は0.58%高の7563.63と最高値を更新、NASDAQは0.91%高。Snowflakeが決算大幅超過でAI株全体を牽引、Dollar TreeやAgilentも好決算で急騰した。4月PCEが3.8%と約3年ぶり高水準となったが、イラン・米停戦延長報道も支えとなりリスクオンの展開となった。

S&P 500
7,563.63
+0.58%
NYダウ
50,668.97
+0.05%
NASDAQ
26,917.47
+0.91%
VIX
15.74
-3.38%

市場概況

5月28日の米国株式市場では、S&P500が0.58%高の7563.63と過去最高値を更新し、NASDAQも0.91%高の26917.47と堅調に推移した。ダウ平均は0.05%高の50668.97と小幅高にとどまった。VIXは3.38%低下の15.74と低水準を維持し、投資家心理は改善した。

相場の最大のテーマはAIソフトウェア株の急騰で、Snowflakeの決算好調を受けてMicrosoft、Oracle、Palantirなどが3〜4%上昇した。一方、4月のPCE(個人消費支出)価格指数が前年比3.8%上昇と約3年ぶりの高水準を記録し、FRBの利下げ観測に冷や水を浴びせる形となった。ただし、ワシントンとテヘランが60日間の停戦延長と段階的なエネルギー輸出再開で合意したとの報道がリスクオン地合いを下支えした。金融セクターはVisaとBlackRockがそれぞれ約2%下落するなど軟調で、SalesforceはEPS超過にもかかわらず決算後に約2%下落した。

セクター動向

【テクノロジー・AI】Snowflakeの大幅増収決算を機に、AIインフラ・クラウド関連銘柄が全面高となった。Microsoft、Oracle、Palantirが3〜4%上昇し、NASDAQを牽引した。ただしSalesforceは決算後に売られた。

【半導体・EDA】Synopsysは決算自体はコンソーサス超過だったものの、設計IPセグメントの前年比減収やAnsys買収統合リスクへの懸念から8.61%下落した。AIチップスタートアップのCerebras Systemsは上場後の調整が続き9.11%安となった。

【一般消費財・小売】Dollar Tree(+17.87%)、Best Buy(+15.80%)が決算好調を受けて大幅高。米消費者の底堅さが再確認される展開となった一方、Burlington Stores(-7.88%)は業績超過にもかかわらず関税リスクへの警戒から売られた。

【ライフサイエンス・計測器】Agilent Technologiesが2026年度第2四半期決算で広範な業績超過と通期ガイダンス引き上げを発表し16.87%急騰した。

【金融】VisaやBlackRockなど大手金融株がそれぞれ約2%下落し、セクター全体の上値を抑えた。

注目銘柄

  • Snowflake (SNOW): +36.51% — Q1 FY2027決算で製品売上高が前年比34%増の13.3億ドル、非GAAP EPSが0.39ドル(予想0.32ドルを超過)と大幅上振れ。Q2製品売上高ガイダンスを約30%成長の14.15〜14.20億ドルに引き上げ、年間目標も58.4億ドルに増額。同社史上最大規模となるAWSとの6年間・60億ドルの戦略的提携も発表し、AI基盤整備への期待が急騰を後押しした。上場来最大の上昇幅を記録した。
  • Dollar Tree (DLTR): +17.87% — 2026年第1四半期決算で調整後EPSが1.74ドルと市場予想1.53ドルを大幅超過(前年同期比+38%)、通期EPS見通しを中間値6.90ドル(予想6.67ドル超)に引き上げた。コンプセールスは7四半期連続で市場予想を上回り、DoorDashとの全米店舗オンデマンド配送提携も発表した。悲観的なアナリスト評価が集積していた中での好決算が上昇幅を増幅させた。
  • Agilent Technologies (A): +16.87% — 2026年度第2四半期売上高が18.3億ドル(前年比+10%)、非GAAP EPSが1.49ドルと予想1.41ドルを超過し、コアグロースはガイダンス上限を上回る6.3%成長を達成した。通期の収益・EPS見通しを引き上げ、BofAセキュリティーズが中立からバイにアップグレード(目標株価145ドル)、RBCも目標株価を153ドルから155ドルに引き上げるなど複数のアナリストが同日に好評価を表明した。
  • Everpure (P): -14.81% — Q1 FY2027の売上高は前年比35%増の10.53億ドルと市場予想を上回ったが、Q2売上高ガイダンスの中間値が11億ドルと市場期待を下回り、粗利益率がメモリチップコスト高止まりを背景に横ばいで拡大しなかったことが嫌気された。成長率に見合った利益率改善が示せなかったことへの失望売りが先行した。GuggenheimやWedbushは急落を過剰反応とみてバイ継続・目標株価引き上げで対応した。
  • Synopsys (SNPS): -8.61% — Q2 FY2026の非GAAP EPSが3.35ドル(予想超過)、売上高22.8億ドルと業績面は上振れし通期ガイダンスも引き上げたが、設計IPセグメントが前年同期比で減収となったことへの失望感とAnsys買収後の統合リスクへの懸念が重なった。PER75倍超という高い評価倍率が利益確定売りを誘いやすい構造となっており、「決算売り」の典型的な展開となった。

為替・金利動向

ドル円は1ドル=159.57円前後で推移し、円安基調が継続。160円の節目接近が意識される展開となっている。インプライドボラティリティは約4年半ぶりの低水準で推移しており、急激な動きは限定的となっている。

米10年国債利回りは4.531%と高水準を維持した。4月PCE価格指数が前年比3.8%と約3年ぶりの高水準を記録したことが金利低下を阻む要因となり、FRBの利下げ開始時期を後退させる方向で市場は織り込みを調整している。

ドルインデックスは99.465(+0.32%)と小幅上昇した。対円での円安が進む一方、ドル全面高の展開にはなっておらず、100を下回る水準でのもみ合いが続いた。

今後の注目点

【インフレ・金融政策】4月PCEが3.8%と約3年ぶりの高水準となりFRBの利下げ判断が一段と難しくなっている。次の重要指標である5月雇用統計(6月第1週予定)や5月CPI発表が焦点となる。FRB高官の発言動向や6月FOMCに向けた市場の利下げ織り込みの変化に注目が集まる。

【AI・テクノロジー決算サイクル】Snowflakeの好決算でAI関連株への期待が再燃した。今後発表されるクラウドインフラ・AIソフトウェア系企業の決算がAI相場の継続性を左右する。

【地政学リスク】イラン・米国の停戦延長報道が相場を支えたが、合意の正式確認や原油輸出再開の進捗が今後の市場心理に影響する可能性がある。原油価格の動向は引き続き注目材料となる。

【関税・貿易政策】Burlington Storesの決算で浮き彫りになったように、リテール・消費財セクターは依然として関税リスクへの警戒感が根強い。米中通商交渉の動向や関税措置に関する新たな発表がセクター全体の方向性を決める重要材料となる。