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日本市場5/29 20:58 JST 時点のデータ

AI・量子テーマ全面高、日経平均66329円

5月29日の東京株式市場は、ノムラ証券によるSUMCOの目標株価大幅引き上げや量子コンピューティング関連テーマへの買いが相場を主導し、日経平均株価は前日比2.53%高の66329.5円で大幅続伸。非鉄金属・電気機器セクターが全面高となった。一方グロース250は1.64%安と対照的に下落し、三菱自動車は中長期ビジョン発表への失望売りで急落した。

日経225
66,329.50
+2.53%
TOPIX
3,957.17
+1.41%
グロース250
818.37
-1.64%

市場概況

5月29日の東京株式市場は、前日(5月28日)終値64693.12円から2.53%高の66329.5円で大幅続伸し、TOPIXも1.41%高の3957.17と堅調に上昇した。一方、新興株指数のグロース250は1.64%安の818.37と逆行安となり、大型株への資金集中が鮮明となった。

上昇の主役は半導体・電子材料関連株で、ノムラ証券がSUMCOの目標株価を2270円から4100円へ大幅引き上げたことをきっかけに、300mmシリコンウエハー関連を中心に強い買いが広がった。また、フィックスターズ(Fスターズ)が量子コンピューティングサービスの拡充を発表し、同日IBMが量子分野への大型投資を表明したことが重なり、量子関連テーマ株にも急速な物色が入った。

一方で、三菱自動車が新中長期ビジョン発表後に後場から急落し輸送用機器セクターに重石となった。ドル円は米・イランの停戦延長合意を受けた円高(159円台前半)が進んだが、半導体・AI関連の強い買いが円高の逆風を上回り、指数は大幅な上昇で取引を終えた。

セクター動向

【非鉄金属・金属製品】SUMCOが19.3%急騰し約18.5年ぶり高値を記録したことで、非鉄金属セクターが東証業種別騰落率でトップ圏に位置した。AI向けウエハー需要の回復期待が再燃し、シリコンサイクル転換に対する投資家の関心が一気に高まった。

【電気機器・電子部品】ICパッケージ基板世界最大手のイビデン(4062)が16.51%急騰し、フィックスターズ(3687)が21.97%高と、AI・量子コンピューティング関連の主力銘柄が広く買われた。AI向け高機能ICパッケージ基板の需要拡大期待が引き続き電気機器セクター全体を押し上げた。

【化学】電子材料メーカーの堺化学工業(4078)が16.51%急騰。積層セラミックコンデンサ(MLCC)向けチタン酸バリウム等の電子材料製品がAI・半導体サプライチェーン関連として物色された。

【輸送用機器】三菱自動車工業(7211)が中長期ビジョン発表後に8.54%急落し、自動車セクター全体に重石となった。

【小型成長株】グロース250は1.64%安と大型株とは対照的に軟調。高バリュエーション銘柄への警戒感から利益確定売りが優勢となり、FIG(4392)など急騰後の銘柄中心に売りが集まった。

注目銘柄

  • フィックスターズ (3687): +21.97% — 5月29日に同社の並列計算加速サービス「Fixstars Amplify」へドイツの量子スタートアップQUDORAの量子コンピューティング環境を追加すると発表。同日IBMが今後5年間で量子分野に100億ドル超を投資すると表明したことが重なり、量子コンピューティング関連テーマへの物色が急速に強まり値上がり率首位となった。
  • SUMCO (3436): +19.30% — ノムラ証券が目標株価を2270円から4100円へ大幅引き上げ。AIシフト(学習から推論へ)に伴うGPU・HBM向け半導体ウエハーの需要拡大と、2027年以降の300mmウエハー需要見通しの上方修正が評価された。一時4047円と約18.5年ぶり(2007年11月以来)の高値を記録した。
  • 武蔵精密工業 (7220): +18.84% — 5月27日にノムラ証券が2028年度業績の大幅増額を見込み目標株価を7700円へ大幅引き上げたことが継続的な買い材料となった。3月下旬の2893円から5月27日には7500円と約2.6倍に急騰する流れの中、7日続伸で年初来高値を更新した。
  • 三菱自動車工業 (7211): -8.54% — 5月29日に新中長期ビジョンを発表。ブランドを象徴する「パジェロ」の復活を柱とし、4年間で1兆円規模の成長投資計画を打ち出したが、市場は借入増加や増資リスクを警戒し後場から急落。2025年度(2026年3月期)通期では営業利益が前期比45.6%減、純利益が同75.6%減の100億円と大幅悪化していた背景も重なり、失望売りが広がった。
  • FIG (4392): -12.65% — 2026年2月24日の338円から5月21日の1981円まで約5.9倍に急騰した後の利益確定売りが継続した。当日の個別悪材料は確認されておらず、急騰後の需給面での調整圧力が主因とみられる。

為替・金利動向

ドル円は5月29日に159円台前半での推移となり、円高方向の動きが続いた。米国とイランが60日間の停戦延長に向けた覚書で合意したとの報道がドル売り・円買いを促し、前日5月28日のNY時間には159.11円前後まで反落していた流れを引き継いだ形となった。ただし、東京株式市場の大幅高によるリスクオン圧力もあり、急激な円高には至らなかった。なお、日本10年国債利回りの当日の具体的な水準は確認できなかったが、日銀の政策運営と債券需給が引き続き市場の注目点となっている。ユーロ円についても当日の詳細データは確認できなかった。

今晩の米国市場の注目点

5月29日(金)の米国市場では、5月シカゴPMIの発表が予定されており、製造業の景況感を示す指標として注目される。前日5月28日(木)のS&P500は前日比+0.58%の7563.63ポイントと過去最高値圏での推移が続いており、マグニフィセント7が全面高となった。米・イランの60日間停戦延長合意報道と、4月個人消費支出(PCE)が市場予想と一致したことが支援材料となった。一方、FRBのジェファーソン副議長がインフレ見通しは上振れ方向に傾いているとの認識を示しており、金融政策の先行きへの警戒は残る。週末入りとなる金曜日のため、ポジション調整の売り圧力と高値圏での達成感が出やすい局面であり、S&P500が最高値付近を維持できるかが焦点となる。