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米国市場9/1 07:01 JST 時点のデータ

米国株反落、イラン情勢緊迫と加州公益株急落

米軍とイラン軍の衝突で原油が急伸し地政学リスクが再燃、S&P500は反落した。カリフォルニア州の山火事責任軽減法案が不成立となりエジソン・インターナショナルとPG&Eが急落。一方サーキルやクラウドストライクは決算・材料好感で上昇し、明暗が分かれた一日となった。

S&P 500
7,686.14
-0.58%
NYダウ
53,185.90
-0.72%
NASDAQ
26,370.89
-0.64%
VIX
14.92
+2.83%

市場概況

2026年8月31日の米国株式市場は続落した。S&P500は前日比0.58%安の7686.14、ダウ工業株30種平均は0.72%安の53185.90(下げ幅374.09ドル)、ナスダック総合指数は0.64%安の26370.89で取引を終えた。恐怖指数VIXは2.83%上昇し14.92となり、市場の警戒感の高まりを示した。米軍がホルムズ海峡付近でイラン関連施設を攻撃したと伝わり、約1カ月ぶりに米国とイランの軍事的な緊張が再燃したことが売り material となった。原油価格が急伸したことで市場全体のリスク回避姿勢が強まり、S&P500の主要11セクターのうち10セクターが下落する全面安の展開となった。ただし月間ベースでは主要3指数とも8月はプラスを確保しており、この日の下落は月末の調整色が強い展開だった。

セクター動向

セクター別では、原油高を受けてエネルギー株が上昇し全体の下げを下支えした。ハリバートンが2.5%超上昇したほか、シェブロンが2%高、バレロ・エナジーとオクシデンタル・ペトロリアムも2%高、エクソンモービルは1.5%超上昇した。WTI原油先物は2.5%高の1バレル=85.49ドル、ブレント原油も2.7%高の90.47ドルまで上昇した。一方、公益事業セクターは大幅安となり全業種で最悪のパフォーマンスとなった。カリフォルニア州議会が電力会社の山火事賠償責任を軽減する法案を可決できなかったことを受け、エジソン・インターナショナルとPG&Eが急落し、公益株全体の重しとなった。通信サービスセクターも軟調だった。ハイテク・グロース株は個別材料次第で明暗が分かれ、決算好感のクラウドストライクなどは堅調を維持した。

注目銘柄

  • エジソン・インターナショナル (EIX): -23.07% — カリフォルニア州議会が週末にかけ、山火事の賠償責任に上限(サブロゲーション免除)を設けるニューサム州知事案を否決。保険会社が電力会社に賠償請求できる仕組みが維持されることになり、2001年のカリフォルニア電力危機以来最大の下落率を記録。ミズホ証券は投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に、目標株価を86ドルから70ドルに引き下げた。
  • PG&Eコーポレーション (PCG): -20.06% — 同じくカリフォルニア州の山火事責任軽減法案が不成立となったことが直撃。ミズホ証券は目標株価を21ドルから16ドルに、BMOキャピタルも28ドルから21ドルにそれぞれ引き下げ、投資判断も引き下げた。
  • Aon plc (AON): -9.53% — KKRから保険仲介大手USIインシュアランス・サービシズを総額170億ドルの現金で買収する正式契約を発表。大型M&Aによる財務負担への懸念に加え、同日のカリフォルニア山火事責任問題を受けた保険セクター全般のリスク再評価も重しとなった。
  • サークル・インターネット・グループ (CRCL): +9.65% — 英プレミアリーグのチェルシーFCとの年間8800万ドル規模のスポンサー契約締結が好感された。ステーブルコイン競合テザーに対するシェア拡大観測も相場を支え、月末にかけて上昇基調が続いた。
  • クラウドストライク・ホールディングス (CRWD): +5.77% — 8月27日発表の第2四半期決算(売上高14.7億ドルで市場予想の14.4億ドルを上回る、調整後EPS31セントで予想29セントを上回る)を受けた上昇が継続。通期売上高見通しを59.9億〜60.1億ドルに引き上げ、AIセキュリティ需要の強さが評価された。

為替・金利動向

ドル円相場は1ドル=159円台後半で推移した。米10年国債利回りは4.72%と前日からほぼ横ばいで推移し、米イラン間の緊張再燃を受けた質への逃避的な買いと、依然として高水準にあるインフレ・財政懸念が綱引きする展開となった。原油価格の急伸(WTI85.49ドル、ブレント90.47ドル)がインフレ再燃観測を通じて金利市場にも影響を与えた。VIX指数の2.83%上昇は、地政学リスクの高まりを受けたオプション市場での警戒感の強まりを反映している。

今後の注目点

米国とイランの軍事的緊張の推移および原油価格の動向が引き続き市場の焦点となる。原油高が長期化すればインフレ懸念を通じて金融政策見通しに影響を与える可能性がある。カリフォルニア州の山火事賠償責任問題を巡る立法・規制動向は公益株・保険株のセンチメントを左右する材料として注視が必要で、追加の州議会対応や電力会社側の対応策発表が焦点となる。また9月入りに伴い、ISM製造業景況指数など主要経済指標の発表や雇用統計に向けた市場の織り込みが進む見通しで、FRB高官の発言にも引き続き注目が集まる。