9月2日の米国株式市場は、前週末までの3営業日続落から反転し、主要3指数がそろって上昇した。S&P500種株価指数は前日比0.46%高の7666.60、ダウ工業株30種平均は同0.56%高の53061.95、ナスダック総合指数は同0.45%高の26217.83で取引を終えた。米長期金利がこれまでの上昇基調から一服したことに加え、原油価格が比較的落ち着いた値動きとなったことが投資家心理を支えた。デル・テクノロジーズなど大手ハイテク企業の好決算を受けた買いが指数を押し上げる要因となった。恐怖指数(VIX)は前日比6.98%低下の15.2となり、市場の警戒感は大きく後退した。
米国株3日ぶり反発、Dell急伸・PANWなど急落
9/2の米国株式市場は3営業日ぶりに反発。S&P500は0.46%高、ダウは0.56%高、ナスダックは0.45%高とそろって上昇した。AIサーバー需要を追い風にデル・テクノロジーズが急伸した一方、決算後のパロアルトネットワークスやモンゴDBは大幅安となるなど個別材料による明暗が分かれた。VIXは15.2まで低下し市場心理は改善した。
市場概況
セクター動向
S&P500の主要11セクターのうち9セクターが上昇し、構成銘柄の約6割が値上がりした。素材セクターが+1.6%で上昇率トップとなった一方、不動産セクターは-0.6%と唯一まとまった下落となった。個別では、AIサーバー需要の拡大を背景にデル・テクノロジーズなどハードウェア関連が買われ、通信サービスではチャーター・コミュニケーションズが幹部退任報道後の売りを吸収して急伸した。一方でソフトウェア・サイバーセキュリティ関連は決算発表を受けてパロアルトネットワークス、モンゴDB、データドッグが軒並み急落し、好決算でも採算面の懸念から売られる展開となった。公益セクターでは、カリフォルニア州の山火事賠償責任を巡る立法上の懸念が続くエジソン・インターナショナルが軟調に推移した。
注目銘柄
- クレド・テクノロジー・グループ (CRDO): -20.03% — 2027会計年度第1四半期決算で売上高が前年比115%増の4億7900万ドル、EPSも市場予想を上回る好決算だったが、粗利益率の低下や研究開発費増加による採算悪化への懸念に加え、既に高水準にあった株価バリュエーション(株価収益率約59倍)への警戒感から利益確定売りが膨らんだ。
- デル・テクノロジーズ (DELL): +15.81% — 2027会計年度第2四半期決算で売上高が前年比58%増の470億ドル、調整後EPSが203%増の7.04ドルとなり市場予想を上回った。AIサーバー受注残高が950億ドルに拡大し四半期の新規受注も609億ドルに達したと発表、通期売上高見通しを250億ドル引き上げ1920億ドルとしたことが好感された。
- モンゴDB (MDB): -13.54% — 第2四半期決算は売上高7億7200万ドル、EPS1.90ドルといずれも市場予想を上回り、通期見通しも上方修正する内容だったが、主力のクラウド事業「Atlas」の売上高成長率が3四半期連続で29%と横ばいにとどまったことへの成長鈍化懸念や、直近1カ月で株価が2割超上昇していた反動から売りが優勢となった。
- AST SpaceMobile (ASTS): +11.83% — 英ベレンバーグが新規に「買い」評価・目標株価92ドルで調査を開始したと発表し、現行株価から約65%の上値余地を示したことが買いを誘った。直近の衛星「ブルーバード11~13号機」の打ち上げ成功も、スマートフォン直接通信サービスの事業化期待を高めた。
- パロアルトネットワークス (PANW): -9.28% — 第4四半期決算は売上高34億1000万ドル(前年比34%増)、調整後EPS1.02ドルといずれも市場予想を上回り、2027会計年度売上高見通しも市場予想を上回る141.0億~142.0億ドルを提示したが、粗利益率が前年から1ポイント低下し、クラウドホスティングコスト増によりフリーキャッシュフロー利益率見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気され、好決算にもかかわらず売られた。
為替・金利動向
ドル円相場は1ドル=158円台後半で推移し、前日比でやや円高ドル安となった。米長期金利(10年国債利回り)はこれまでの上昇基調が一服し、株式市場にとって追い風となった。金利上昇圧力が和らいだことで、ハイテク株を中心に買いが入りやすい地合いとなり、株式市場の反発を後押しした。
今後の注目点
今後は8月の雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)やISM製造業・非製造業景況指数など重要な経済指標の発表が控えており、FRBの今後の金融政策運営を見極める材料として市場の注目が集まる。また決算発表シーズンが一巡しつつある中、パロアルトネットワークスやモンゴDBのように好決算でも株価が下落する銘柄が相次いでおり、個別企業の業績と株価バリュエーションのギャップを巡る値動きが引き続き意識される展開が予想される。
